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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

10年ぶりに改めて出会う変なものたち(レイレ修道院1)

2015.07.スペインの旅、ナヴァラNavarra編、その1
アラゴンから、ナヴァラに移ります。この旅では、何年も前に訪ねた場所を、なぞるように、ナヴァラを走りました。2005年の夏のことだったようなので、記憶は希薄です。当時は、ロマネスクを意識し始めたころで、ロマネスクのためというよりは、純粋に旅をしていた時期だったし。

ナヴァラ一発目は、懐かしのレイレ修道院です。




2005年の旅の頃は、まだ、ネットで宿の手配をするとか、そんなことはやっておらず、いつも行き当たりばったりで決めていました。旅の行程も、かなりいい加減。ここに来たのも、ザビエルのお城で出会った宗教関係者の方に、中世教会に興味があるなら、是非行きなさいよ、と勧められ、その言葉に従って、素直にやってきたのです。つまり、まったく知らない場所でした。
というか、当時は、ロマネスクについても、ほとんど知識もなかったんで、どこに行けば何があるのか、ということすら調べずに旅をしていました。毎晩宿で、紙のガイドブックと地図を片手に、翌日の予定を決めるって感じで。

というわけで、10年ちょっとぶりの訪問となりました。
第一印象は、やはり相当整備が進んだな、って感じでした。




立派な駐車場や、修道院を取り巻く敷地の公園化。当時の姿をはっきりと覚えているわけではありませんが、間違いなく、きれいになっています。

ここは、修道院の僧坊を利用したホテルになっており、当時は、行き当たりばったりだったにも関わらず、泊まることができました。でも部屋は僧坊のまんまに近くて、設備はちゃちだし、部屋は狭いし、ちょっと期待外れだったのを覚えています。
もしかすると、今はもっと素敵なホテルになっているのかもしれませんね。

受付で尋ねると、教会のカギを渡してくれ、各人が勝手にアクセスするシステムでした。これは結構珍しい。なんかちょっと嬉しかったりして。




レイレのサン・サルヴァドール修道院Monasterio de San Salvador de Leyre。
まずはファサードの彫り物を見なければ。




現場では、「やっぱり傷んでるなぁ」と思ったのですが、改めて写真で見ると、やはり2005年当時よりはきれいになっているように思います。

ちなみに、相当稚拙なサイトで、写真も小さいですが、当時の記録は、こちらとなります。
イタリアのおと




これは、やっぱりなかなかすごいですねぇ。
タンパンをクローズアップ。




中央にサルバドール、つまり救世主、その脇に、聖母、聖ペドロ、聖ヨハネ、そして二人の福音書家。
さらさらと書いているのはなぜかと言えば、現地で日本語のパンフレットをいただいてきたからです!
このタンパン、現地では全く分からなかった点で、写真を見て目が釘付けになったのが、ここ!




踏んづけてますよ~!救世主もマリアも聖人も、みんな、なんか悪魔くん的な動物を踏んづけてるんです!これって、ちょっと他に思い当たらない図像なんですが、仏教寺院の、鬼を踏んづけている何とか童子みたいな…。

アーキボルトの彫り物も、各径で異なり、それぞれが細かくてすごいです。




チューロスみたいな装飾的帯もかわいいし、フィギュアは、もう、やばい感じのもの満載です。




体育すわりの子もいる~!




人のフィギュアはツルツルしていますけれど、手の表現とか、やけに骨っぽくでかくてしっかりしていて、同じように、動物の足が、骨っぽいの。これは、ルシヨンあたりで目にする動物フィギュアを髣髴としますが、如何でしょうか。ちょっとカベスタニー的な。

この、植物の芽が横並びになっているのも、面白いです。




それぞれ立体的に、浮いているんですよね、地の建築から。

この、アーキボルトを利用した造形も好き!




どう、このオリジナリティ!




とにかく無秩序な感じで、ずらずらと。こんなに楽しい彫り物満載って、なかなかないですね。




これ、きりないですね。
ふつーのモチーフの楽師さんたちも、なんか変だもん。クスリ。




数あるフィギュアの中で、私のお気に入りはこの子。




ジャングルブック、モーグル。って、勝手に。かわいい。
というわけで、本日はファサードでおしまいです。改めて、すごさを感じます。

おなじみのロマネスクは、こちらへどうぞ。
ロマネスクのおと

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  1. 2017/03/15(水) 06:58:50|
  2. ナヴァッラ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

No title

2度訪れる機会があると言うのは凄いですね!

私も凄い所だと再認識して・・・・・・
キンタイヤ半島の古代遺跡を再訪した事が在ります。

まだ記憶に残っている場所なので、再訪は地図で調べる必要も無くスムーズに車で楽に廻れた記憶が有ります。

時間的にも余裕があり、思わぬ新発見も在りました。

地図を見ての場所探しに多くの時間が費やされて居る事に驚きました。

いくら下調べをして行っても現地では思い通りに行かないですからね?

此れも一つの旅の楽しさ!
等と言うのは・・・・・・
思い出としての最近の事ですね!
  1. 2017/03/15(水) 00:17:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

corsaさんに触発されて、カンタブリア・アストゥリアスを一週間ほど歩きます。しょぼいですけど楽しみです。
いつもお世話になっております
  1. 2017/03/15(水) 00:49:00 |
  2. URL |
  3. otebox #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

わあ!これは凄い!言葉もありません!
ここがロマネスクに導かれた原点でしょうか?
ナイス・ポチ!

スイス各地にサン・ジャック・コンポステル巡礼愛好会があり
地元にもあって月1ぐらいで徒歩旅行の練習などしているようです。巡礼を終わらせた人達が世話人になっていてこの方面の
集まりもあります~~~イタリアにも愛好会とかありますか?

愛好会とは違いますがバス旅行でサン・ジャック・コンポステル
巡礼のフランスの部分の募集をしていました。
フランスにも良い教会がありますが、やはりスペインの部分を
見たいので、来年はスペインの最終の部分の巡礼の予定という
お知らせをみましたので、心密かに来年の予定に決めています。

バスで行くので徒歩は9~18キロですが徒歩が難しくなると
バスに乗れる旅程です~~~実現するのを期待しています。
  1. 2017/03/15(水) 07:17:00 |
  2. URL |
  3. Atsuko #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> 山下亭さん
幸い、いまだ欧州に住んでいるので、二度訪問がありえますが、それにしても、どこでも、というわけにはいかないわけで、そういう意味では、ラッキーな旅だったかもです。

以前は、さほど詳しくない時期に訪ねているので、まさに二度楽しめました。
  1. 2017/03/18(土) 23:38:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> oteboxさん
それは楽しみですね!きっと、お好きだと思いますし!プレロマネスクも大変良い場所です。
旅の報告、楽しみにしています!
必要な情報等あれば、どうぞお気軽に。
  1. 2017/03/18(土) 23:39:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> Atsukoさん
この辺りではありませんが、私がロマネスクにいざなわれたのは、スペインなんですよね。

サンチャゴ巡礼、いいですね。イタリアにもあると思います。かなり宗教色の濃い団体が多いと思います。私は、信者ではないので、それは辛いし、なかなか団体に参加はできません。
短時間で、一部だけでも、というのを、いつかはやってみたいと思いますが、実現するかどうか。フランス在の方には、整備されているし、美しい場所が多いので、それならフランスがいいのでは、と言われておりますが、いろいろ考えると、私もやはりスペインに惹かれます。
実現、私も期待しておりますので、その暁には、どうぞ、レポートをよろしくお願いします。
  1. 2017/03/18(土) 23:43:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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