2015.07.スペインの旅、ナヴァラNavarra編、その5
アラゴンを後にして、ナヴァラに向かう道で、いきなり道端に、「12世紀の教会」という表示を目にしました。向かって左側だったので、にわかに同行できるわけもなく、とりあえずそのまま走行しつつ、「なんだろう、ノーチェックだけど、こういうのは目についた以上、見とくべきだろうなぁ」、と思い、結構進んでから出会ったロータリーであと帰りしました。
ヴァドルエンゴのサン・アドリアン教会Iglesia de San Adrian Vadoluengo。
これは驚きでした。幹線道路沿いの一般の家なんです。車で入っていくと、広大なスペースの向こうに家があり、庭では小さな子供が二、三人、昔懐かしい家庭用のプールで遊んでいました。
どう見ても完全に普通の家、プライベートな空間です。でも、表示があったのは確かなので、降りて、子供を遊ばせている女性に尋ねると、にこにこしながら、「教会、あるんですよ」と、指さされたのが、上の写真。
見学してもいいのか尋ねると、もちろんですよ、と。
ご一緒くださり、まずは、中に。
シンプルだけど、まさに、創建当時のシンプルさって感じです。田舎の礼拝堂そのもの。
石積みの感じが、ワクワクもので、興奮しました。なんせ、11世紀らしいんですよ。
とても小さな一身廊、トンネル・ヴォルトですが、とにかくこの保存状態は、素晴らしい。柱頭だって、こんなにちゃんと。
案内してくださった方の話によると、先祖がこのあたりの土地をごそっと買ったときに、この教会ももれなくあったと。一応、歴史的建造物ということで、勝手に何かすることはできなかった分、60/70年代に、国からの予算がついて、修復ができたということです。お住まいにしている建物も、1300年代の、巡礼宿の建物だということでした。
子供の姿も含め、ちょっとプライバシーだと思い、教会のディテール以外の撮影は、控えてしまったので、実はちょっと残念。
でも、これほど親切にされちゃうと、自然とリスペクトが生まれるものですね~。撮影禁止の場所でも、何とか撮影できないか、ときりきりするのに、ここでは、見学させていただけることがありがたく、また、信じられないほどの親切な対応がありがたく、心底素直に、見学すべきものだけをありがたく見学する、という超謙虚な気持ちでした。
扉口と塔。
相当しっかりした修復がされたようですが、もともとの装飾がシンプルなだけに、嫌味になっていません。
市松チェッカーとお団子。大好きなアイテムが、美しい状態で見られるのは、嬉しいものです。柱頭の、プリミティブな植物モチーフも、好み。なので、アップ。
ロンゴバルト的というか、スペインですから、ゴート的というべきなのか、こういう中世初期の装飾は、いいですね~。11世紀創建というのも、大いにうなずけます。
柱頭チェッカーはたまらんな。これはありそうで、めったにお目にかかれないですね。
一通り、いろいろのお話もうかがって、では、後は外観を勝手に見させてもらいます、ということで、外側をぐるりと。
あった!
いますよねぇ、どこにでも、軒持ち送り!
一見愛想のない後陣ですけれど。
いろいろと隠れています。
地味だけどね、結構しっかり、いろんなモチーフがありました。
予期せぬ出会いだけに、嬉しかった~。個人所有で、アクセスできない場所はごまんとある中で、こうやって、歓待してくれる人たちもいるんだ、というのが、まず何と言っても嬉しいことでしたね~。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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- 2017/03/25(土) 08:10:45|
- ナヴァッラ・ロマネスク
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> Atsukoさん
一人旅の醍醐味でもあります。同行者がいると、道端の表示に気付いても、なかなか言い出せなかったりするので(自分レベルのロマネスク病の人はなかなかいないので~)。
オーナーさん家族の若奥さんがガイドをしてくださったんですが、対応も素晴らしくて、本当の意味でのハイクラスな方々なのでは、と思わされました。
子供たちと水浸しでプール遊びされてましたけどね。笑。
- 2017/03/26(日) 10:21:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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