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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

村で唯一のレストラン、アンヘル(ガリソアイン)

2015.07.スペインの旅、ナヴァラNavarra編、その14

さて、こっからしばらくは、おそらく超を付けても、納得のマイナー教会が続きます。教会がマイナーなら町村もマイナーで、その上、なんだか響きが似ていたりして再三、行き先がわからなくなったりして、えらい目にもあいました。
結果として、わざわざ行く場所かというと、どうだろうとも思いましたが、でも、とにかく、現場見ないことには、本当のところわからないわけで、行くしかないんですよねぇ。
一生行く機会がない方も、つまり、残念に思わなくてもいいかもしれません。

もう一回、地図を貼っておきます。




このあたりで、ランチのことが気になりだしたので、地図上で見て、比較的大きくて、何かいただけそうな場所、ということで向かったのが、ガリノアインGarinoainです。
通りすがりの女性に、食事できる場所を聞くと、アンヘルAngelがお勧めよ!と場所まで教えてくれたので、素直に。こういうの、スペインの田舎では遭遇率高いよなぁ、という、地元系男性、それもおやじ中心の客しかいない庶民的なお店。
昔の私だと、若干ひるんだものですが、自分もすっかりおやじ的なおばさんになっちゃってるんで、臆することもなく、ランチをいただきました。ワインをがぶがぶやっているおやじをしり目に、水でちびちび、ちょっと寂しいもんですけどね。それも、出来立てで生暖かいクアハーダ(フレッシュチーズのデザートで、大好物)なんてもんを、初めていただいちゃいました。あれは、冷えていてこそおいしいもんですね。

それにしても、ネットってすごい。どういうたたずまいのレストランだったか、町の様子とか、思い出せなくて、検索したら、ちゃんとレストランも出てきました。トリップ・アドバイザーで、ガリノアインのレストランNo.1でした。と言っても、アンヘルしかなかったですが、笑。

さて、店を出たところで、飲みすぎちまったなぁ、とぶらぶらしている赤ら顔のおやじに、期待せずに教会のありかを尋ねたところ、意外にもしっかりとした答えが返ってきました。失礼でした~。
そこからまっすぐ2キロほど進むと、道端にあるよ、という言葉に従ったところ、まさに。




サント・クリスト・デ・カタライン礼拝所Ermita di Santo Cristo de Catalain (Ermita de Katalain), Garinoain

カタラインという名称が不思議です。現地の立て看板では、Kを使っていましたが、ラテン語系では、Kというアルファベットは、普通使わないため、これも不思議。と言いつつ、全然調べていませんけれど。

道端に唐突にあるんですが、素敵なたたずまいで、見逃しようがありません。




後陣側は、全体に再建度が高そうですが、オリジナルの様子は残されているものと思います。遠目には大変地味ですが、ディテールが、愛らしいですよ。




たまらなくチャーミング。それにしても立派な歯並びです。




一方で、こちらは、もうぎゅっと、かたくなに口を閉じてる感じ。




閉じていたいんだけど、どしても口が勝手に、みたいな半端な子。
そして、違うタイプの歯見せ笑いの子。




こういう幾何学系の子たちもいます。




左のは、よく見ると、端っこにぐるぐるがあって、さながら細めのロールケーキが四本並んでいるという風情。右は好みの市松が軒送りになっていて、これもいいですねぇ。

やばそうなフィギュアも含めて、いろいろ並んでいますが、手の込んだ彫り物のあるタイプは、傷みも激しくて、やばさも伝わってこないのが残念。




他はシンプルですが、ファサードの扉口だけはとても重厚な感じで、装飾も施されていて、印象的です。




立派なでかさの柱頭。よく残っています。




テーマはよくわからないのですが、面白い図像だと思います。特に、左側のタイプ。他で見たことがないタイプのフィギュアです。すっごくすっきりしていて、でも、手などの彫はとても細かい。
副柱頭部分の植物連続模様も、とても手が込んでいて、かわいいんです。




なんというか、物語性がある彫り物だと思いました。好き。




扉上の廂部分は、全体が溶けちゃっている状態で、彫り物はほとんど判別不可能。




ここ、オリジナルは相当面白いものがずらずら状態でしょうね。面白い石工さんがかかわっていたんだろうなぁ。

嬉しさでびっくりした、マイナー教会でした。
中も良さそうな情報を得ていたので、入れずにがっかりでしたが、場所が場所だけに、開けてもらえる可能性はない、と判断し、引き上げました。

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  1. 2017/05/04(木) 05:41:25|
  2. ナヴァッラ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8
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コメント

No title

やだ~可愛い!ガイドブック作るならこういう場所紹介して欲しいわあ~可愛い!
歯がむき出しのやつ、最高ですね!
  1. 2017/05/03(水) 22:33:00 |
  2. URL |
  3. まーたん #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

超マイナーでこれだけデコラティブな彫り物を見せられたら、内部は???となるのが必定。魅せられた私にまで伝わってまいりました。いやあロマネスクっていいなあ。
  1. 2017/05/04(木) 00:23:00 |
  2. URL |
  3. otebox #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

個人旅行の楽しみは、この様な場所を訪れる事が出来ると言う事ですよね?

地図の印を見ると・・・・・・・
この辺りは総なめ!と言う感じで訪れたのでしょうね?

写真撮りまくりですね?
私の頃は未だデジカメも普及して居なくて、私はフイルム撮影でした。今はデジタル画像保存が出来るので便利ですね!
  1. 2017/05/04(木) 00:48:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

エルミット隠遁者とかカタルニアとか書いてあるので、、、
隠遁者の礼拝堂とか?カタルニア地方の隠遁者が居たのかしら?
とか想像しましたが、小さくても装飾が凝っていますから
隠遁者がこんな立派な礼拝堂に居たとも思えませんね!
ナイス・ポチ!
  1. 2017/05/04(木) 06:50:00 |
  2. URL |
  3. Atsuko #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> まーたんさん
ねね、愛らしいですよね!
ナバラ地方には、有名ロマネスクがごまんとあるので、そういう意味で、超マイナーと言っていいと思うんですが、こういう素朴な教会が、好きです。
  1. 2017/05/07(日) 18:20:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> oteboxさん
スペイン堪能されたばかりだから、さらに面白さを実感としてお分かりかも。
こういう彫り物に出会うと、やった~!とにんまりしちゃいますよね。
  1. 2017/05/07(日) 18:21:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> 古代遺跡めぐり<山下亭>さん
総なめのはずが、いろいろありますが…。
デジカメの便利さは、福音ですよね。記録として撮りまくり、ということができますから。その代わり、フィルム時代は、もっとじっくりと撮影したので、より写真比率は高いですよね。今は、完全に数うちゃ当たる、方式です、笑。
  1. 2017/05/07(日) 18:23:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> Atsukoさん
確かにエルミタとあるのですが、もともとは修道院もあったようなんですよ。その元が、もしかすると、小さな隠遁所だったのかもしれませんね。
名前のカタラインは、私もカタルーニャが関係あるのかとも思ったのですが、どうもそうではなさそうで、でも、ちょっと調べてもわからないんです。Kを使うのが、もっとわからないんですよね。
  1. 2017/05/07(日) 18:25:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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