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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

溶けてもかわいいライオンやプレッツェル文様(エステージャ2)

2015.07.スペインの旅、ナヴァラNavarra編、その22

エステージャEstellaのサン・ペドロ・デ・ラ・ルア教会Iglesia de San Pedro de la Rua、続きです。前回は、この教会一番の注目アイテム、回廊を紹介しましたが、教会本堂にも残る、わずかなロマネスクについても、しっかりチェックしてきました。


 

どこだと思いますか?
ここはスペイン、当然のことながら、軒持ち送りです!


 

常にその時代時代で現役教会であるがために、多くの変容を遂げてしまった本堂で、それでもロマネスクの名残がちゃんと残されていることには感動しますが、同時に、あらゆるものに邪魔されて、身近から鑑賞できないことに、イライラも感じる、残念ながら、そういう名残です。


 

回廊はともかく、この部分は、ほとんど見学場所としては考えられていないので、アクセスも大変。それでも、何とか裏側に回って、いろんな角度で垣間見る努力。これまた、修行ですね~。


 

面白いものがあるだけに、残念。
ほらね。ガジガジ、自分の歯の丈夫さを誇るかのような。


 

歯に関しては、新車二台分くらいのお金がかかっている私としては(イタリアでは、歯医者は基本的に全額自己負担のため、詰め物だけで2万円近くします…)、うらやましいやらにくいやら、笑。

これも、ガジガジ系ですね、溶け方激しいけど!


 

どうもガジガジ系が好きなのは、歯の丈夫な人がうらやましいからかぁ。なんか、今腑に落ちた気分です。

それなりの堪能をして、本堂を通り抜けて、正面扉に戻ります。


 

残っている構造から想像すると、もともとは素敵な後陣があったかも、ですねぇ。
さて、扉口。
ここもまた、すごい重なり。そして、扉際は、クリンクリン装飾というのも、他と共通ですね。


 

イスラムの影響とか感じてしまいますね、この各アーチを埋め尽くす細かい彫り物は。
縦線で、フィギュアレリーフが置かれているのも、他と同じ作りです。


 

ちょっとしつこくて、すごく好きかというと違うんですが、レースっぽさとか、これを好む人もいるだろうなぁ。
アーチの根元に、フィギュアが置かれていて、これも、これまで見た他の扉口装飾と共通です。


 

雰囲気がかわいいので、溶けちゃってて残念。司教さんっぽい杖を持っているような。ただの杖かなぁ。脇を走る市松模様のアーチがいいですね。
ここにも、すっごくかわいかっただろう、溶けちゃっているライオン君と、ブレッツェル的な植物装飾。


 

プエンタ・ラ・レイナとかシラウキとか、このエステージャは、距離的にも相当近いし、巡礼路状にあるという共通項もあるし、確実に、同じ石工さん、工房がかかわっているのでしょう。

側柱下部分の花モチーフも同じです。


 

全体のイメージはつまらないのですが、ディテール、見逃してはなりませんね。


 

ここのロマネスクは、全体にそういう感じです。

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  1. 2017/05/30(火) 05:33:50|
  2. ナヴァッラ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:9
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コメント

No title

朽ちると言わず溶けると言う表現は・・・・・・

何と無く遺物に対する愛情が感じられますね?
歴史の長さ、風雨に晒された経年変化の果てに現れている姿ですからね。
  1. 2017/05/29(月) 23:30:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

corsaさんの膨大なロマネスクレポートに今更ながら感謝感激雨霰!!!私のこの春の短い旅ですらすでに忘却の彼方なんです。というかこのごろはモノが覚えられず、とくにたった今のことがあやういんです。きちんと記録しておくという几帳面さもどこかへうっちゃってしまったようですし。トホホ。
昔々の事はいっぱい出てくるのに。それを何度も繰り返して嫌がられたり、ね。
そんな私でも、しっかり楽しめるのがロマネスクの優しさです。
  1. 2017/05/30(火) 00:50:00 |
  2. URL |
  3. otebox #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

扉口の多葉形arch、イスラム的ですが、下側にまで彫り込みがあるなんてすごいですね。この空間恐怖みたなのもイスラム的?04年に15日間の北スペインツアーに参加したときは、一般ツアーでしたので、パンプローナから、サン・セバスチャン~ブルゴスというルートでした。従ってエステージャも見逃しなのです。目を皿のようにしてみせていただいております。ケルト十字も見たい!
  1. 2017/05/30(火) 01:30:00 |
  2. URL |
  3. yk #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

下から数えて4番目の杖をついている人の背中に
羊らしき姿が見えるかと思いますので、、、
良き羊飼いかしら?

風化していて年月の隔たりを感じられて~~~
残されている教会が素敵ですね!

ナイス・ポチ!
  1. 2017/05/30(火) 07:42:00 |
  2. URL |
  3. Atsuko #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

Atsuko様 頭にトンガリ帽子がのっているようにも見える 善き御羊飼いではないかも、、。
ツアーで行くロマネスクは皆でアレコレ言い合う楽しさもあります。
それにしても柱頭の上、帯の根元に人物などがのっているのは他ではあまり見ないですね。
  1. 2017/05/31(水) 05:20:00 |
  2. URL |
  3. yk #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> 古代遺跡めぐり<山下亭>さん
本当に溶けてる感じのものが多いんですよ。
経年劣化はもちろんあるのでしょうけれど、おそらく、近年の排気ガスとかによる空気の汚れによる劣化も、一足飛びのように思います。昔以上にケアしないと、どんどん溶けていきそう…。
  1. 2017/05/31(水) 21:34:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
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No title

> oteboxさん
いや、忘れますよね、本当に。記録するのも、どんどん面倒になってしまって、直近のプーリアの旅などは、メモもほとんどとっていないので、早くブログにアップするなどしないと、相当やばいです。
でも、写真があるということは確かにここに行ったんだな、なんて、そういう日が来そうな。笑。
Oteboxさんも、サイトに、アップされていくとよいですよ。是非。
  1. 2017/05/31(水) 21:36:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
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No title

> Atsukoさん
朽ちたり壊れたりしていると、いろいろに見えて、もどかしい半面、楽しさもありますね。
大体、現地では、特に夏は日差しがきつくて、よく見えないことが多いので、自宅で改めて写真を見て、おや、と思うことの方が多いですが。ちゃんと撮れていないものも多いですしね。
善き羊飼いでもそうでなくても、なんとも愛らしさのある人物フィギュアではないですか。
  1. 2017/05/31(水) 21:38:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
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No title

> ykさん
短期にまとめてみると、地域の傾向や特色が、自然にわかって、それは面白いですよね。物覚えの悪い私ですら、行く先々で同じタイプの装飾や様式に出会えば、なるほど、と思えますから、笑。
現場で、ああでもない、こうでもない、と仲間とやるのは楽しいですね。私は一人が多いので、一人で考えるよさもありますが、先日のプーリアは同行者がいたので、いつもと違う、そういう共有する楽しみを、久しぶりに味わうことができました。
  1. 2017/05/31(水) 21:41:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
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