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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

はっ!もしかして開いていたのかも!?(ヴィリャマジョール・デ・モンハルディン)

2015.07.スペインの旅、ナヴァラNavarra編、その26

予想外にも、午前中滑り込みで、期待していなかった教会を見ることができて、いい気分でイラチェを出発。さて、ランチをどうしようかな、と思いながら、道なりに西方向に進みます。スペイン時間では、実は、まだちょっとランチには早い。
で、到着したのが、この村、ヴィリャマジョール・デ・モンハルディンVillamajor de Monjardinです。


 

お日様が、最も高い位置に近づきつつあり、影もない日照りの道で、どうなることかと思いつつ、教会あるもんなぁ、行くしかないよなぁ、と、車を停め、思い切って、外に出ます。
なんか、猛暑の時期に車を出るのって、息を止めて水に潜るような、そういう勇気みたいな気合がいりますよねぇ。これ、写真を見直すまで、どの教会だっけ?と思っていましたが、写真を見た途端、そういう気合を思い出しました。


 

サン・アンドレス教会Iglesia de San Andres。
扉はきっちりと閉まっていたものの、一応押してみました。が、開きません。もう13時半を回っていましたから、閉まっていても仕方ないな、という投げやりな気持ちもあり、それであきらめて、扉口を離れました。
その時、ちょうど私と入れ替わるようなタイミングで、巡礼っぽい女性がやってきて、さりげなく扉を押しているので、離れた場所から、「開かないわよ」と思って見ていたら、なんと、普通に開きました。

それほど非力だとは思っていないのですが、そういえば、腕の力は意外と弱いのです。昔乗馬をやっているときに、鞍を装着できずに、泣くような思いを何度もしました。確かに鞍は重いし、タイミングとかもあるのでしょうが、普通の大人は普通に装着していたので、自分の腕が非力なのでしょう。
ということは、これまでも、すぐあきらめた扉が、実は固い扉というだけで、カギで閉まっていたわけではないのでは…?と、実はこのとき、走馬灯のように、過去のいろいろが思い出されました。暑さで、半分やられていたかもね。

気を取り直して。


 

地味だけど、バランスのよいかわいらしい扉装飾になっています。問題の扉部分は、アイアンの装飾的な補強がこれでもか、というほど並んでいます。


 

それにしても、こうやって改めて見ても、完全にカギで閉まっている雰囲気濃厚ですよねぇ。

柱頭の彫り物は、なかなか良さそうな作品と見受けますが、残念ながら、かなり壊れてしまっています。


 

黄色にピンクの混じったような石色は、フランスのブリオネ地方で、よく出会った気がしますね。


 

翼のような細かい彫が見えますが、もうこうなると、それが天使なのか鳥なのか、皆目…。


 

スペインって、クリスモンがとても好きですね。ここでも、素朴な奴が、真ん中に置かれていました。

そして、入場!


 

すっきりとすがすがしい後陣です。開口部も最低限しか開けられておらず、秘密な雰囲気が漂います。
内部の柱頭は植物モチーフです。


 

ここでも、副柱頭部分の帯模様が、かわいらしいです。半お団子ですね。

ずいぶんと後の時代のものの、それももしかすると複製かもしれませんが、多分マリア像。


 

聖母子の子がいなくなってしまってのかしら?左手が不自然ですね。

中は地味で、たとえ見られなくても後悔しなくてもよいものでしたが、でも、それは見ることができたからこその感想。見られなくて悶々とするよりはずっといいので、嬉しかったです。というか、扉を開けてくれた巡礼の女性に感謝ですね。

後ろの方も、きっちりチェックです。


 

スペースが足りず、よい写真が撮れないロケーションです。
私の好きなつけ柱のある素敵な後陣ですが、どうやっても、全体を捉えるのは無理でした。


 

オリジナルはどういった形だったのか、敷地的には、教会でしかありえないのですが、こういう囲いが、ちょっと修道院のような雰囲気も醸し出しています。


 

村の広場に面していて、はす向かいには、巡礼宿がありました。この村が修道院の村だった可能性もあるかも、と感じます。


 

村を見下ろす丘の上には、城址も見えます。古そうなものです。もちろん、近寄る気はゼロ。


 

これで、ちょうどよいランチタイムとなりました。広場の反対側にあった、かなりダサいバールにて、ワンプレートメニューで、お昼にしました。


 

スペインでは、安っぽいバールのランチだと、こういうワンプレート、多いですよね。かなり油まみれのフィッシュ・アンド・チップス。定食で、飲み物込みで10ユーロもしないようなやつ。
お酒を飲める夜を楽しみに、こういうランチは、おなかを満たして、午後頑張るための燃料みたいなものなので、多くを期待しておらず、ありつけただけで幸せ、というところです。確か、水だけは大きなボトルをいただけて、かなり嬉しかった記憶があります。暑い中、大げさですが命をつなぐ水の記憶は、鮮明です。

そういえば、ナバラの後移動するラ・リオハでは、超田舎の連続で、レストランどころかバールすらない、という状況で、油まみれのフィッシュ・アンド・チップスすら恋しく思ったものです。

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  1. 2017/06/13(火) 04:58:09|
  2. ナヴァッラ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<酸っぱいブドウ的な。または後悔さいなまれ。(トレス・デル・リオ) | ホーム | 開いててよかった~!古い言い回しながら、実感です。(イラチェ修道院)>>

コメント

No title

まあ!扉が開いたのですね!
ナイス・ポチ!

私も腕の力が無くて、ドアを開けるのが(自分の家は大丈夫)
難しいことがままあります!

乗馬されていたのですね!
孫娘がポニー・クラブで練習しています。
亡父が乗馬が好きで獣医になった人で、、、
幼い頃に父と馬に乗った記憶があります!
  1. 2017/06/12(月) 21:53:00 |
  2. URL |
  3. Atsuko #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> Atsukoさん
教会の扉は、重いことが多くて、一度では開かないことがよくあります。閉まってると思い込んで、入れなかった教会、実は結構あるかも、と今更思った次第。

乗馬は、もうずいぶん前になりますが、イタリアで2年ほど、ギャロップまでは行ったんですが、諸事情でやめました。本当に楽しかったんですけれどね~。
鞍が装着できなかったのが理由ではないですけれど、もうちょっと続けてればよかったなぁ、とは思います。
  1. 2017/06/14(水) 21:54:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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