2015.07.スペインの旅、ナヴァラNavarra編、その27
さて、道なりに、さらに先に進んで、向かったのは、トッレス・デル・リオTorres del Rioです。
なんというか、巡礼路沿いの宿場町的な雰囲気のある村です。実際、巡礼の姿を何人か見かけました。
性別すら定かではない、怪しい二人組。本当に暑い盛りの時期であり、時間でしたので、おそらく、暑い国に住む人を見習って、肌を露出するよりも、こうやって覆った方が、楽ということなんだろうと思います。 正直、イタリアやスペインは、本来こういう服の方が合っているほど日差しが強いのに、白人は、肌を露出したがるので、うざったいと思うことが多いです。いい年したおばちゃんが、デコルテや太ももを露出している姿は、ちょっと…。職場でもドレスコードある会社少ないし、目のやり場に困ったり、すごく迷惑。
もとい。
村に入ってすぐ、どーん!と目的がありました。迷う暇もなし。
サン・セプルクロ教会Iglesia de San Sepulcro。 円形ではないけれど、やはり聖地いエルサレムを想定している、ということなんでしょうね。 12世紀、ムデハルの入ったロマネスクで、スペインならでは、のスタイルとなります。でも、巡礼路にあるスタイルではないため、構造的には謎とされているようです。 円形ではなく八角形で、背がずいぶんと高いですが、径は、意外と小さい感じです。
たどり着いたのは、15時頃。 珍しく、扉口に、オープン時間が記されていました。
午前中は9時から13時まで、午後は16時半から19時まで。もし、この時間に閉まっていることがあれば、オフェリアさんに電話しろ、と電話番号も記されていました。 でも、オープン時間じゃないし、スペイン時間的には、完全にランチタイムですから、電話することははばかられました。
教会の周囲は、一般の住宅が並んでいます。
オフェリアさんも、きっとこのどこかに住んでいる方だろう、と思ったのですが、日差しも強いせいか、どの家も、窓も入り口もぴったりと閉ざしており、人の気配もしません。 お昼時、という事実を考えると、どうも、呼び鈴を鳴らすのもためらわれる雰囲気でした。
すぐ近所にバールがあったので、カフェを飲みつつトイレ休憩をしたのですが、バールの人も、取り付く島もないような感じだったし、このときは、カギをすっぱりとあきらめました。
時として、どうしても頑張ってしまう場合と、このときのように、妙にすっきりとあきらめがつく場合があります。このときは、実はこの教会のことは、外観のことしか調べておらず、中を見る重要性がわかっていなかったせいもあって、このようにすっぱりとあきらめがついたのです。今となっては…。 というのも、この教会、最も見るべきは、内部のクーポラ構造部分だったと思うんですよね。去年訪ねたカスティーリャ地方にて、やはりクーポラの内部構造が有名なアルマサンのサン・ミゲール教会のガイドで、スペイン全土に三つしかない構造だといる説明を受けて、がっかりしました。
以下、その時の記事となります。
ま、仕方ありません。次回があることを期待したいと思います。って、自分で決めて、行けばいいだけの話…。
南側に入り口があります。
シンプルな扉、そして、シンプルな彫り物装飾。 これよりは、窓の方が、まだ少し装飾的。
と言っても、アーキボルトにはお団子が並んでいて、アーチは植物的モチーフで、やはりシンプルではあります。 そして、どの窓も同じ装飾だったように思います。
その辺が、ロマネスクというよりイスラム的な感じもしますが、どうでしょうか。
だからこそ、すっきりした統一感のある建物となっているのかもしれませんが、どっちかと言えば、私の好みからは外れるのかなぁ。
扉と反対側に、後陣が、ボコッと飛び出しています。
あれ?扉が南とあったので、とすると、後陣は北向きになっているのかしら。変則ですね。おそらく土地の都合でしょうけれど。
なんか、鐘楼状の構造と、後陣とがぼこぼこついていて、全体の姿は、ちょっと不思議な様子になっていますよね。普通、後陣側からの眺めは、美しいものですが、ここの場合は、ボコッとした後陣がない、八角形だけの方が、確実に美しいはず…。 なんていうと、罰が当たるでしょうか。
これ、中を見ていたら、きっと全然感想が違うと思います。返す返すも、頑張らなかった自分を恨む…。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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2017/06/15(木) 05:51:44 |
ナヴァッラ・ロマネスク
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| コメント:10
暑いと気力が失せるのが人間です^_^。残念でしたね~。
多分オフェリアさんはご近所でしょうね。
バールって結構そっけないですよね。意外と街にいるおばあちゃん達が親切だったりするんだけど暑いし誰もいないと聞きづらいもんです。バールでも。
そうそう、白人って結構オッパイ半分出した格好とかノーブラとか多くてびっくりします。男性もピチピチのシャツとかね。
グイグイ来る感じが苦手っす(≧∇≦)。
2017/06/14(水) 22:17:00 |
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まーたん #79D/WHSg
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驚きました。
午後の開場時間を見て・・・・・・
シェスタ?とか言いましたよね。
昼の休憩時間。
イギリスには無いので、驚きました。
スペインで働いた事は無いので・・・・・・
アンダルシア地方に観光旅行しただけだから、余り不自由に感じなかったけど・・・・・
改めて見ると戸惑いは隠せませんね?
2017/06/14(水) 22:46:00 |
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古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
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アテネで見た風の塔によく似ています!
風の塔では、イスラム神秘教のスフィーズムの人達が集まっていたようです。
ギリシャ神話関係の浮き彫りがあって水時計になっていたとかで
すっかり形が気に入りました!
八角形の教会ですか
アルザス地方のロマネスクの教会を見る旅行の
お知らせをいただいたのですが、、、
丁度、妹がヨーロッパに来る時期ですので
残念ながら不参加です。
Ottmarsheimにあるアルザス唯一の八角形の教会だそうです。
2017/06/15(木) 15:09:00 |
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Atsuko #79D/WHSg
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クーポラの星型リブ、見られなくて残念でした。私は アルマサンで見ました。(ツアーのいいところは事前予約をして鍵のかかっているところを見られるよう手配済というところ)14年にフランス側ピレネー山麓のロマネスク巡りのときオロロン・サントマリーでは予定にはなかったサント・クロワ教会にも行ってもらい、星型libをみることができました。このあとBiarritzに向かう途中、横道に入れば(標識は見た)ロピタル・サンブレーズの教会でも星型libが見られたはずですがそこまでは頼めませんでした。corsaさんこのあたりは未だのようですが、今度は時間をチェックしてそこで御覧になられればと思います。こういうものは一つ二つ見ればもう同じですからチャンスはあるのではないでしょうか。
2017/06/18(日) 15:36:00 |
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yk #79D/WHSg
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> まーたんさん
暑さは修行の敵…。っていうか、暑いから修行になっちゃうというのもありますね。昼過ぎの時間帯は、魔の時間って感じです。一番つらい時かも。気力も何もそがれて、何してるんだろう、とかつい思っちゃったりね。
そういう時に、親切な人に会ったりすると、シャキッとなるもんですが、ここはついてなかったと思います。
2017/06/18(日) 18:48:00 |
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corsa #79D/WHSg
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> 古代遺跡めぐり<山下亭>さん
スペインは、こういう感じなんで、どうしても修行モードが強くなるんですよ。早朝から頑張って動いて、昼休みは、自分もランチとか、移動時間にあてたり、後は、外だけ見ればOKな教会を訪ねたり、計画立てるのも大変で~。そして、午後は結構遅くまで開いていたりするため、宿にたどり着くのは20時過ぎとかなって、スペインの夕食にちょうど良い時間になって、夕食が21時とか以降ですから、どうしても夜中になって、翌朝また早くからで、という繰り返しで、身体が持たない…。
2017/06/18(日) 18:51:00 |
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corsa #79D/WHSg
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> Atsukoさん
やはりイスラムの影響があるのかしら。雰囲気はそうですよね。
風の塔というのは、その名前がロマンチックですねぇ。そして、イスラム的な感じ。
アテネなら、いつか訪ねるチャンスもありそうです。
2017/06/18(日) 18:53:00 |
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corsa #79D/WHSg
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> ykさん
星形リブというのですか。
アルマサンで見たものが、結構好きだったので、後付けで後悔した次第です。あ、後悔というのは、後付けのものですね、笑。
そうですね、ツアーは、無駄がなくて、それは良いところだと思います。
ピレネーのフランス側は、確かルルドに直接入れる飛行機があるはずだったような、またはボルドーから訪ねることもできそうな地域なので、一度は行ってみようと思っている土地です。まぁ気長にやってみることにします。いつも、いろいろ情報をありがとうございます~。
2017/06/18(日) 18:57:00 |
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corsa #79D/WHSg
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Blog楽しみながら読んでいます。「はるばる来たのに、お昼休みで教会が閉まっていて………」というお話には、ほんとうに身につまされました。私も、教会の時刻表を信じて待てど暮らせど鍵番は姿を見せず、張り紙にある電話番号も通じない、などなど。けっきょく教会の外観だけ撮って、すごすご引き返したことが、なんどもあります。 数年前にナバラの旅を計画したおり、レイレ修道院を訪れたあと南下してトーレス・デル・リーオ教会を見るか、それとも西に向かい同じく聖墳墓教会を模したという、エウナテのサンタ・マリーア教会を見るか、どちらかを選ばねばならなくなり、けっきょくトーレス・デル・リーオ教会はあきらめた経緯があります。お話をうかがって、あのとき南下のルートを選んでいたら、あるいはCorsaさんと同じ経験をしていたかも知れない、という気がします。八角形のエウナテの聖母教会は、池田健二著『スペイン・ロマネスクへの旅』にも紹介されていますが、イスラム建築の影響を感じさせる、小さいながらも実にユニークで思い出に残るロマネスク聖堂でした。中原
2017/07/11(火) 21:00:00 |
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Surdepirineos #79D/WHSg
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> Surdepirineosさん
ふふ、同病(ロマネスク病)のにおいがプンプンするコメント、ありがとうございます、笑。こればかりは仕方ないですよね。いくら事前に調べていても、その日に限って、カギ番の都合がつかないなんてこともありますもんね。
最近最も強烈だったのは、スペインはカスティーリャのキンタニーリャかな。記事にしましたけど、訪ねた日に限って、カギ番のお兄さんが、親戚の結婚式でクローズ。翌日行けたので、事なきを得ましたが…。
トーレス・デル・リオは、いつかもう一度は行けそうな気がしていますけれど、さてどうでしょうか。
どの時点であきらめるか、っていう決断も、結構重要ですよね~。
2017/07/11(火) 21:28:00 |
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corsa #79D/WHSg
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