fc2ブログ

イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ぎっしりみっちりびっしり!(トゥデーラ2)

2015.07.スペインの旅、ナヴァラNavarra編、その29

お祭りに振り回されてしまいましたが、目的の教会、一つだけは発見して、見学することができました。三つ、リストアップしていましたが、時間の余裕もない中で、お祭り優先してしまって、他二つは、探す手立てもなく、あっさりあきらめました。


 

人々の後について、訳も分からず歩いているうちに、たどり着いたのが、カテドラルです。サンタ・マリア大聖堂Catedral de Santa Maria。

小さな通りに面したファサードは、幅のないスペースなので、全体を撮影することは不可能。最大にひいて、この程度です。その割に、なんというすごいアーキボルトでしょう。そのアーチにも、びっしりと彫り物が施されています。

質や技術は置いといて、このびっしりみっちり感は、なんというか、イスラム的?とにかく迫力あります。


 

アーチと、そして、それぞれのアーチの根元にある柱頭。


 

彫り物を見ると、時代はちょっと下って、13世紀以降になるのかな、という印象です。
多分、アーチごとに、モチーフのテーマがあると思いますが、面白かったのが、悪魔づくしかな。

舌引っこ抜き担当悪魔くん。




逆さづり担当悪魔くん。


 

アーチの中央部分は、縦にまっすぐ縦向きのフィギュアがあるのは、他の土地で見たのと同じデザインですが、ここは、人物フィギュア集中で、動物や植物モチーフが一切ないのが、すごい潔さです。


 

一つ一つ丁寧で、そして、同じ手に見えるのがすごい。というか、怖い。一つの工房で、統一感をもって彫られたのでしょうねぇ。それにしても、これだけの数の場面を並べるのは、本当に大変だったのでは。


 

柱頭も、同じような傾向で、ここまでやられると、なんだか苦笑いが出てきてしまいました。


 

カインとアベルだ~。


 

歯まできっちり彫られると、引けますわ~。細かくて丁寧だけど、かわいさがないんだよねぇ。
ほんと、頑張ってるなぁ、と思うんだけど…、好みじゃない、と。


 

誰が迷惑するわけでもないけれど、なんというか、ここまでやられて、好みじゃないなぁ、とか思うと、申し訳ない気持ちになっちゃいます。

ロバがハープっていうおなじみのモチーフも、やっぱりかわいくない…。


 

でも、長い時代に渡って広い土地で使われた人気モチーフって、あるんでしょうね、このロバハープのみならず。そういうのって、伝播を考えると面白いなぁ、と思います。ここのロバは、どこから伝わってきたんだろう。

後陣が東だとすると、北側になる場所に、もう一つ扉がありますが、こちらは、ファサード側よりも、修復がなされていないせいか、傷みが激しい。
そして、こちらのアーキボルトは、完全にイスラム風なアラベスク的装飾彫り物がみっちりです。


 

扉に向いたとこの彫り物だけがやけにきれいに。もしかすると、これは再建彫り物かもしれないですね。


 

さらに、中にも。
これはおそらく古い時代の建物のものではないかと思うのですが。


 

こちらのは、建物内となっているせいか、かなり美しくて、アラブ風の緻密な彫りが美しい。


 

なんとなくですが、こちらの扉口装飾の方が、私の好みに近いような。同じように細かい彫で、テーマにも凝っていて、ぎっしりみっちりなんですが、微妙に違う感じがあります。


 

時代なのか、手なのか、正直、わからないのですけれどもね。


 

最後まで、ぎっしり感。このときの旅の締めとしては、正しい彫り物だったのかもしれません。

とりあえず、ナヴァラ編、ここで終了です。次回は、ラ・リオハのロマネスクに移ります。
その前に、恒例の、寄り道が挟まりますが、ロマネスクお待ちの方には、どうぞご容赦くださいね~。

おなじみのロマネスクは、こちらへどうぞ。
ロマネスクのおと

ブログ・ランキングに参加してます。よろしかったら、ポチッとお願いします。


にほんブログ村 美術ブログへ(文字をクリック)
ブログ村美術ブログ


にほんブログ村 海外生活ブログへ(文字をクリック)

最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
インスタグラム
スポンサーサイト



  1. 2017/06/20(火) 05:27:40|
  2. ナヴァッラ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
<<この春は、果実系で決まり! | ホーム | 巨人に翻弄された巻(トゥデーラ)>>

コメント

No title

彫刻の数を見ると、其れだけでも凄い門の様な気が致します。

石質の所為か保存状態も良さそうだし・・・・・・・

此れだけ注意深く、門の彫刻を眺める人も少ないでしょうね?

其れだけでも拍手物です。
  1. 2017/06/20(火) 00:32:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

時代が下がるにつれて細かく説明的になって、何より拙くない人物のプロポーションなどを見るにつけロマネスクはよかったと懐古的な批判者になっている・・・そうでしょう?わたしはそう!
  1. 2017/06/20(火) 15:47:00 |
  2. URL |
  3. otebox #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> 古代遺跡めぐり<山下亭>さん
お祭りの日だったため、地元の人ばかりがうろうろしていますから、観光客風の方が完全マイナーでしたね~。
でも、逆に普段は気に留めることもない教会を、改めて見ている風の地元民も多かったように思います。
そんなもんですね。
  1. 2017/06/24(土) 12:27:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> oteboxさん
そうそう!ほんのわずかでもゴシック臭がすると、ふと引けてしまったりします。中世、という風にひとくくりにされちゃうと、なんか違うっていうか、そういう感じですね。ゴシックになると、好き嫌いが激しく出ます、彫り物でもフレスコ画でも何でも。なんなんでしょうねぇ?
  1. 2017/06/24(土) 12:28:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
https://notaromanica.blog.fc2.com/tb.php/1757-7a99f33a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)