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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

いくら9世紀のお城があるとはいっても、なぜこんな山奥にまで行くことになったのか(クラヴィホ)

2015.07.スペインの旅、La Rioja編、その1

寄り道が続きましたが、そして、いろいろとアップしたいロマネスク諸々がたまっていますが、やはり古いところから順番にあげていくことにします。

ナヴァラ地方を抜けて、ラ・リオハ地方に入ります。
ラ・リオハって言えば、思いつくのは赤ワインくらいで、ロマネスク的には、ほとんど知識なし。事前に調べた情報が頼りなんですが、それも心もとない状態で、入り込んでしまいました。
ロマネスク的には、有名な町村もあるとはいえ、ほとんどの土地は無名と言っていいと思います。でも、意外な発見というか…。
やはり、実際に訪ねてみないとわからない場所って、一杯ありますよね。
でも、試練はつきもの…。修行ですから、仕方ないですね。

というわけで、試練から始まったのが、ラ・リオハです。

ラ・リオハへは、トレス・デル・リオの延長で入り込んだのですが、まずは、州都でもあるログロニョを目指しました。が、街の片隅に入り込んだだけで、大都会ぶりがわかり、なんだか、これはいいや、と思って、周辺にある最寄りロマネスクを目指すことに、急遽目的変更。
それで目指したのはアルベルダAlberdaという、ログロニョの郊外的な町。
そこには、隠遁所が二つばかりあるような事前情報を持っていたからなのですが、隠遁所って、つまり聖者がこもる礼拝堂のような場所だから、普通は町にはなくて、郊外の何もない場所にあるっていうイメージ。そういう小さな村なのかと思えば、このアルベルダという町は、意外に新しくて、なんの変哲もない新興都市だったんです。

これは、町の人に聞いてもわかるまい、どうしようかと思い、路肩に停車して、通りすがりのお爺さんに、それでも一応尋ねてみました。

すると、さすが年の功、ですかね。目的の一つについては、丁寧に道順を教えてくれたのですが、どうにも複雑かつ、相当な田舎道のイメージで、気が進まず。
結局、彼が勧めてくれた村に行ってみよう、という気になりました。一応、事前メモにも記された場所だったし、気軽な気持ちで。




しかし、走り出すと、これがもう、山谷連続、休める村も路肩も、何もない山道を行く状態。




こんなとこ来て、どうするの、オレ?
というような道の連続でした。
どこまで続くんだろうと悩みながらも、くねくね山道の対抗二車線なので、およそ立ち止まって考える余地も余裕もなく、ただ前進する以外なし。最後に、前方に、丘から飛び出すような城砦を見た時、その堂々とした美しさに、必要以上に感動してしまいました。




クラヴィホ城Castillo de Clavijo, Clavijo

これは、本当にきれいだった~。
2時間近く、ナバラの方から連続運転してた挙句だったから、やっと到着だ、という達成感もあったんだと思います。

でも、やっとの思いで到着した、変にこぎれいなクラヴィホ村には、何も見当たらず。
修道院があるはずなんだけどね。
目についたのは、この人たちの静かな歓迎。




そして、町一番の広場沿いの家の軒先に置いたデッキチェアでウトウトするじいさん。
それでも、修道院のことを尋ねると、村から谷底へ下っていくとあるけど、廃墟だし、アクセスは徒歩のみで、片道30分はかかる、という絶望的な情報をいただけました。

さすがに、それはあきらめて、せっかくなので、創建が9世紀にもさかのぼるというお城に近寄ってみることにしました。




そもそも村自体が丘で坂道しかない土地で、お城への傾斜は半端なし。
とても建物までも近寄ることができませんでした。でも、かなり立派なお城であっただろう片鱗は想像できる気がしました。




どうやら、イスラム時代のお城がもとで、レコンキスタで征服されたものらしいです。考えたら、創建の9世紀っていうのは、そういう時代なんですよね、この辺じゃ。

しかし、こんなところまで遥々。ログロニョ見てればよかったんじゃないの、とさすがに思いました。こういうのを無駄走りというんだな。

という、ラ・リオハのスタートは、結構情けないものでした。

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  1. 2017/07/15(土) 06:15:07|
  2. ラ・リオハ・ロマネスク
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クラビホ城 ピンときたのは聖ヤコブ伝説
うろ覚えですのでお調べいただけるといいのですが、 ムーア人との戦いのとき ヤコブが白馬に乗って現れたのがこの山の頂上だった?昔この城に行くあるツアーの解説に確かそういうことが記されていました。ともかく サンチャゴ・マタモロスの源であることは 確かだと思います。
  1. 2017/07/14(金) 23:31:00 |
  2. URL |
  3. yk #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

現在検討中の古民家の物件!

山奥の集落ですが・・・・・・

集落の奥にダムとダム湖があります。
迷い人が来る事などあるのだろうか?

春には花の名所らしいが・・・・・・
トレッキングコースにも為って居る様ですが、山歩き人も来そうにない集落です。
  1. 2017/07/15(土) 01:25:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> ykさん
ピンとくるっていうのはすごいですね。そして、このお城に行くツアーがあるという事実には、驚愕しました。
確かにそういう来歴が、現地の説明版に書かれていましたよ。スペイン語なんで、詳しくは読めてないんですけれど。
地域の歴史的には、結構重要な場所だったんですね。なら、行っといてよかったのかな。お城の遠景は、ドラマチックでとても美しかったので、それは眼福でしたしね。クラヴィホという名前も、何やらエキゾチックで、好きです。
  1. 2017/07/16(日) 15:51:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

山下さん、
ダムファンって結構いるような気がするので、そういう人が来たりするんじゃないでしょうか。
トレッキングコースっていうのもいいですね。なんか楽しい出会いが期待できそうな…。
本当に誰一人来ない場所は、ちょっと寂しいですよ。
  1. 2017/07/16(日) 15:52:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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