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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

トスカーナのロマネスク、バルガBarga-その1

車がないと、田舎への旅は面倒なのですが、やはり一度は行かないと。ここルッカからだと、北上してガルファニャーナ地域に向かう国道沿いに、いくつかのロマネスクがあります。ロマネスクにこだわらなくとも、緑が多くて、田舎の村が点在していて、とても美しい場所なので、のんびりと一日エクスカーションには最適。

本数はあまり多くありませんが、公共の路線バスで、二箇所ほどいけることを発見して、喜び勇んで、早起き、出発!で、向かったのが、このバルガの村。


ルッカから北上する道をたどり、川とであったり遠ざかったりして約1時間、こんな緑に囲まれた美しい山間のリゾート地、それがバルガです。
しかしながら、この美しい緑とは裏腹に、途中、バスの運転手と地元の乗客が口論を始めるわ、隣に座ったオバサンと後ろのオバサンが、全くの他人同士なのに、こっちの耳が痛くなるくらいの大声でおしゃべりを始めるわ、徐行走行中のバスの前を、絵に描いたように見事に黒猫が横切るわ、挙句は、にぎやかな場所で、ここ中心部かしら?と訪ねたらそうだよ、といわれてあわてて降りたら新市街中心地で、旧市街は急坂の天辺にあるわ、で、この遠足は失敗だったのか?と観光以前にうんざりしつつ到着。


何はともあれ、ロマネスクの教会があるらしい旧市街に行かねば仕方ないので、このようなどぎつい急坂をえっちらおっちらと登ります。
そして着いた天辺に、お目当ての教会がすっくりと建っているのでした。


町を見下ろす高台というロケーション、教会の佇まいから、スイス、ティチーノはビアスカの教会をちょっと髣髴です。



ここはよいですよぉ。素朴かつしっかり装飾も忘れず、で、内部のディテールが激しくわたし好みでした。
構造は地味な三身廊ですが、内陣との本体との境に、初期キリスト教会風の壁があり、そこに施されている象嵌のモチーフとか、説教壇のレリーフとか、すばらしいんです。




かわいいでしょ~。


レリーフの技術的レベルも、かなり高いものです。

これは怪しい、と思い、とにかく角から角までじっくりと歩きました。こういう、一見地味だけどディテールがかわいい教会は、どうやらわたしのツボにはまるみたいですね。ほら、見つけた。こんなかわいい水盤が、あちこちに。



実はこの教会、1920年代に起こった大地震で、上部がかなり崩れて、再建されているそうなんですけど、でも幸い、こうやって古い美しいものが、何とかのこりました。外壁にも、素敵なアーキトレーブがあります。

例によって重くなりますので、また次回。
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  1. 2009/09/22(火) 05:45:12|
  2. トスカーナ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

bargaは「イタリアの美しい村」登録もされている町なんですけどね。
騒々しいところでしたかw

この説教壇良いですね。
トスカーナの北にあるという位置どりが、山がちの地形になるし、難なんですよね。行きたいリストには前々からあがっていた所なんですが。
  1. 2009/09/24(木) 01:42:00 |
  2. URL |
  3. クリス #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

クリスさん
さすがによくご存知ですね。そう、ツーリング・クラブの推奨するBorgoの一つです。わたしとしては、次回車でいけることがあれば、パルマから山に入ってPontremoliに抜ける高速で、途中で降りて、ずっとルッカまで国道で下る、というのをやってみたいです。小さいのがいろいろ有りそうだし、きれいな土地ですし。でも山ですから、坂道発進できる同行者がいないとだめですけどね。
  1. 2009/09/25(金) 21:50:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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