fc2ブログ

イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ガイドのおやじの滑舌が~、涙。(サン・ミリャン・デ・ラ・コゴーリャ)

2015.07.スペインの旅、La Rioja編、その4

超地味、というか、よくもそんな土地にわざわざ行ったわね~といわれちゃうレベルの地味さが続きましたが、今回の教会は、そのイメージをぐっと覆します。と思いたいですね~。
サン・ミリャン・デ・ラ・コゴーリャSan Millan de la Cogollaにある、二つの修道院です。

ユソ修道院Monasterio de Yusoと、スソ修道院Monasterio de Susoがあって、なんだか事前に情報を集めていても、名前を含めて、よくわからん、って感じでしたが、私が目的とするのはスソの方。ここは、車で直接アクセスできず、サン・ミリャンの町からシャトル・バスに乗っていく必要があり、当然の帰結として、ガイド・ツアーのみ、ということは、調べていました。そして、最初のバスが9時55分、とさすがスペイン時間で、遅めなことも。

すでに遅いので、何が何でも最初のバスに乗らねば、と気合を入れた結果、9時半過ぎには到着してしまいました。

親切にも、町の入り口に駐車場が完備なので、そこに駐車して、ぶらぶらすると、眼下に、立派な建物があります。




どうやら、これが、ユソ修道院のようです。
駐車場のところに、インフォメーションがありましたが、まだ閉まっています。うろうろしていると、スソ行きのバス停がありました。




んん?10.15?10.00?
なんだかよくわからない表示です。
いずれにしても、まだ時間があるのは間違いないので、ちょっとユソ修道院の方に、降りてみることにしました。




どうやら、こちらの修道院は、パラドール的なホテルになっているようでした。
それにしても、降りてきてよかったんです。実は駐車場のところにあるのは、このユソ修道院のインフォメーションで、スソ修道院、つまり私の目的地のインフォメーションは、この下の方にあったんです。
事前に、そこでチケットを購入する必要があるのに、バス停のところにも何も書いてないんですから、不親切ですよ~。後から上にあったインフォメーションを見ましたが、そこにも、何も書いてないし。

というわけで、今後訪ねる方は、バス停でぼーっとバスを待ってないで、下の方のインフォメーションに慌てていってくださいね。ちなみにトイレもあるので、助かりますよ。

で、なぜかバスは、事前情報通り、9.55ピッタリに出発して、ほんの10分程度で、目的地に到着。




スソ修道院Monasterio de Sa Millan de la Cogolla de Suso。
何もない緑の中に、あり、いかにも修道院というたたずまいの場所ですが、今は教会部分だけが残っている状態です。

ここは、起源が大変古くて、西ゴートといわれています。もともとは、羊飼いなどが利用していた岩窟が、隠遁所とか礼拝所に転用されて、それが発展したものとも言われているようです。

入り口部分は、かなり新しくなっていますが、それでもワクワクしますね。




入った部分は、ナルテックス的な場所となるようですが、いきなり、超のつく馬蹄形の門が!




久しぶりの西ゴート、これは興奮します。

残念だったのは、ここガイド・ツアーで、ガイドのおやじは、超早口の上、こちらがスペイン語をわかるのかどうかすら聞いてくれないフランス人タイプの人でした。ツアーは10人程度だったと思いますが、それでも、わからないガイドを聞くくらいなら、何もわからなくても、一人でじっくり見たいですよね。まぁ、仕方ないですけれど。

おやじが説明しているところの柱頭、かなり素敵ですよ。石が、大理石的なすべすべ感のある材質で、なでなでしたくなるタイプの浮彫。




内部も、馬蹄形アーチの連続です。




狭くて、装飾性は最低限で、でも、何とも言えない重量感、静謐感。時間を見るかのような、そういった空気がありますねぇ、ゴートくらいまでさかのぼると。だからプレロマネスクの世界、好きなのかなぁ。




立派な石棺。




サン・ミリャンさんの墓所だそうです。




ディテールが面白いんだと思うんですが、南下とにかく見えにくいし、説明は全然わからなかった…。この赤いのは、たぶんレーザーで、示しながら説明してたんでしょうね。おやじ、もっと滑舌よくしろよ、と心の中で悪態をついていましたね。




相当細かい繊細な彫りが施されている上に、保存状態がめちゃくちゃいい。その割に、フィギュアが判別しにくいのは、石色のせいと、そういうことをあまり考慮していない証明にも問題があるのでは?と思っています。
ワンちゃん、かわいいですよね。

こっち側に、小窓があって、そこからだと、照明の具合もよくなって、比較的ディテールがわかりやすいのでした。狭い場所なので、他の方と順番で撮影しました。やっぱり、全体の照明が間違ってるな、たぶん。




雰囲気のあるクーポラ部分の天井。




どこをとっても素敵。




ほとんどの見学者は、おそらく、観光地だから、というだけでやってきたものと思いますが、つまり、特に美術が、とか、建築が、とか、そういうのではないと思うのですが、こういう場所は、そういう人たちをも引き付ける何かを、確実に醸し出していますね。

最後に、またナルテックスのところで、壁に描かれたいたずら画きの説明。




もちろん新しいものではなく、中世期のものだったと思います。残念ながら、メモすら取ってない…。その場ではちょっと理解していたのに、完全に忘れてしまいました。




スペインは、比較的ネットで情報が集めやすいので、早めに一度検索してみたいと思います。
現場で、本を売っていたのですが、どうも字ばかりの学術的な本だったので、買いませんでした。読めませんもん。

終了。




全部で1時間くらい、とありましたが、ガイドそのものは20分くらいで終わってしまいました。おやじが端折ったと思いますけれど。
まぁ、シャトルバスも半時間ごとにあるわけですから、それほどのんびりはしてられないでしょうけれども。

次のバスの人たちと入れ替わりにようになりましたが、どっと人数が増えていたので、やはりこういう見学は、朝一番に限る、と思いました。
また山道を下って、クルマを停めたユソ修道院の駐車場まで、短い旅です。




おなじみのロマネスクは、こちらへどうぞ。
ロマネスクのおと

ブログ・ランキングに参加してます。よろしかったら、ポチッとお願いします。


にほんブログ村 美術ブログへ(文字をクリック)
ブログ村美術ブログ


にほんブログ村 海外生活ブログへ(文字をクリック)

最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
インスタグラム
スポンサーサイト



  1. 2017/07/19(水) 06:00:33|
  2. ラ・リオハ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8
<<嘆きの石棺(カニャス修道院) | ホーム | 激しく継ぎ足しの柱が、古を髣髴させるけれど(トリシオ)>>

コメント

No title

ユソ・スソ修道院って世界遺産では? ただロマネスクファンとそうでない人では有名、無名の感覚が全く違いますよね。
ところで、クヤシーイ、思いをしています。私が行った時は📷禁止だったのですよ。
入口からなら、と帰りに順番に入口から写真をとらせてもらっただけ。奥の洞窟撮りたかった!
入口のアーチ 柱頭彫刻、綺麗に撮れていますね。感動しながら拝見、
明日から北欧ロマネスク、レオンの博物館でみたローマ時代の石碑に似たピクチャ―ストーンがあるそうで楽しみにしています。
  1. 2017/07/19(水) 02:30:00 |
  2. URL |
  3. yk #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ここは凄く良いですね!

何時か行ってみたいです!

~~~村もポチしてきました!

ナイス・ポチ!
  1. 2017/07/19(水) 11:43:00 |
  2. URL |
  3. Atsuko #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

立派な写真でSuso修道院の中を見ることができて、感謝しています。以前はたしかに撮影禁止だったようで、ちゃんとした写真の少ない修道院です。さいきん規則が変わったのか、ガイドがあえてめくじらたてなかったのか、どちらにしてもありがたいことです。
数年前にグループでバスク地方を旅したおり、「帰りはリオハに立ち寄ってワインを買おう」という意見がでたので、すかさず「では昼食はSan Millan de la Cogolla」とみんなを説得したまではよかったものの、現地に着いたら月曜日は閉館、あきらめきれぬ思いでひきあげた記憶があります。しかし「花より団子派」の友人ですら、「ここにはもう一度来たいね」とつぶやくほど、スソ修道院には「何かを醸し出している」ところがありました。ちなみに、Susoは古スペイン語で日本語の上(かみ)にあたる言葉、Yusoは下(しも)という意味のようです。「よくもここまで」と感服のほかない聖堂めぐりを続けておられる旅日記、これからも楽しみにしています。
  1. 2017/07/19(水) 21:04:00 |
  2. URL |
  3. Surdepirineos #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> ykさん
そうなんですね。撮影オウケイは、最近のトレンドのようですね。インスタグラム等に投稿してもらって、観光につなげるとかそういう。
そういえば、つい先日、数年ぶりに再訪したTuscaniaのふたつの教会も、以前あった大きな「撮影禁止」の札が見当たらず、たぶん撮影オウケイになったのでしょう。

北欧ロマネスク、報告を楽しみにしています。
  1. 2017/07/20(木) 22:07:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> Atsukoさん
雰囲気のある、とても素敵な場所ですが、ガイド・ツアーというのが残念です。それもスペイン語だけのようだし。でも、わざわざ行く価値は、確かにあると思いました。
  1. 2017/07/20(木) 22:08:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> Surdepirineosさん
コメントありがとうございます。
実は、あまりよい写真が撮れてなかったんですよね。ツアーでざわざわしていると、どうしても集中力も切れるし、人のいない写真を撮るのが難しいというところです。
ところで、貴ブログを訪問させていただいたのですが、コメントがうまくできませんでした。私の問題かしらん。
  1. 2017/07/20(木) 22:10:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> corsaさん
「コメントができない」との不具合のご指摘にたいへん恐縮しております。こんなできの悪い認証方式が採用されていたとは露知らず、ご迷惑をおかけしました。いろいろ設定を変更のうえ再度ためしてみましたが、やはりトラブルが発生するため、10年前にBlogspotの時代から使い始めたBloggerなんですが、ちょっと時間をかけて対応策を考えるつもりです。ただし記事をご覧いただくには問題ないようなので、コメント欄に不具合のあることを、とりあえずBlog記事に付記しておきました。教えていただかなければ、まったく気づかずに過ごしてしまうところでした。ありがとうございました。
  1. 2017/07/22(土) 19:58:00 |
  2. URL |
  3. Surdepirineos #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> Surdepirineosさん
各ブログ、コメントは結構面倒ですよね。すみません、私が書き込みたかっただけで、それもどうでもいいことです…。
ちょっとずつ見させてもらっているのですが、すごく丁寧に調べられていて、感心です~。私は、ブログはメモ代わりに使っているので、書き飛ばし記事で、お恥ずかしいばかり。といって、サイトも全然更新していませんからね~。まぁ将来に期待していただくということで、ひたすら数を…。
  1. 2017/07/23(日) 17:10:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
https://notaromanica.blog.fc2.com/tb.php/1771-ceab88ab
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)