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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ダムに沈んだ村出身、母娘三代(マンシーリャ・デ・ラ・シエラ)

2015.07.スペインの旅、La Rioja編、その9

このところ、ちょっと順調に記事をアップできていたのですが、しばらく停止してしまったのは、夏休みの計画で忙殺されたためでした。
毎年のことですが、田舎修行では、ホテル予約に苦労します。なんと言っても、まずはルートを決めないと、ホテルも取れないし、スペインやフランスは、イタリアに比べて国土が広いせいか、ホテル密度が低いというか、ちょうどいい場所にちょうどいいホテルっていうのが、結構難しいんですよね。もちろん、言葉の問題もありますしねぇ。

フランス在の友人に情報をもらったりして、何とか完了。

昔は、行き当たりばったり、という旅もしたものですが、一人修行旅では、ホテル探しの時間がもったいないので、事前予約必至です。今回は、ちょっと余裕のある行程にして、考えながら見学したいなぁ、とか思っていましたが、地図を見ていると、どうやらそれは不可能な感じです。
のんびりと気の向くまま、足の向くまま、みたいな旅。新しい土地に着いたら、まずカフェにどっかりして、ビールから始まる、みたいな旅。そういうの懐かしいし、いいなぁ、と思うのですが、なんかここにいる限りは、できそうもないです…。

さて、気を取り直して。

山からの戻り、最後に寄ったのは、湖のほとりにある村、マンシーリャ・デ・ラ・シエラのはずれに、一人ぽつんと立つ、隠遁所跡です。




サンタ・カタリーナ隠遁所Eremita de Santa Catalina。
ここ、行きに、村を通った際、道端に座り込んでしゃべっていた男性たちに、場所を聞いたもの。村はずれにあるということはわかっていたものの、ここまで外れていると、なかなかわかりにくいものなので、助かりました。まぁ、湖沿いを走っていると、表示は出てくるんですけどね。




ちょうどよい路肩に駐車スペースがあり、アクセスは楽です。このスペースから湖畔に降りていく感じ。
このスペースが、湖の見晴らし台のようになっていて、女性三人連れが先客でした。家族三代という印象でした。
なんとなく挨拶して、あの隠遁所を見に来たという話をしたら、とても親切で、この湖がダム湖であること。湖底に、本来のマンシーリャの村が沈んでいることを教えてくれました。4、50年前のことということだったので、おばあさんに当たる方は、沈んだ村で生まれたことになるのかな。孫に、そういう話をしに来たのかもしれません。
水位が下がると、村の一部が見えるんだそうですよ。そういうのって、ちょっとしんみりする。

この駐車スペースから、数百メートル、山道みたいなところを降り、湖畔に出ます。




正面は、まったく面白みがないですけれど、湖畔側に回ると。




おお!好みの後陣!と、なります。
石色もいいし、好物の軒持ち送り、そして、丸いつけ柱。ばっちりです。




小さいけれど、優美なお姿。
前部は、壊れちゃったために、小さい姿ですが、後陣の大きさを考えると、いずれにしてもかなりこじんまりした建造物です。それでいて、キチンとしてロマネスクの様式を踏襲しているのが、ある意味すごいです。

例によって愛らしい、軒持ち送りのやつら。




これって、どら焼き食している状態にしか見えないですが、もしかして、悪いことして舌になんかされちゃった系でしょうか。




おなじみ系、にやり系動物。
こっちもおなじみ系で、歯むき出しのガジガジ系。




しかし、髪の毛の描写の細かさと、ガジガジしてるのか、吐き出しているのか、にわかにわからない、ホラー入ってる系ですねぇ。おもちろい~。

地味な全部にも、柱頭が残っております。




割と正当な感じのグリーンマンだったから、かえってびっくり。

残ってたものは、きちんと残しました、みたいな感じで、彫り物のある帯とかも、ちゃんとはっつけられてあって。




前部が閉ざされていて、中には入れませんが、内側はかなり新しく修復されていて、見るべきものは、なさそうでした。
それにしても、ここ、地面がすごいことになっています。




ヤギとか羊とか、そのたぐいの方の落とし物だとおもんですが、すごいんですよ、そこら中。避けて歩くの、無理。それも、結構新しそうなものも混じっていて、困りました。放牧されているんでしょうかね。いやはや。
隠遁の時代と、あまり変わってないんじゃないか、といった塩梅です。

でも、ダム湖、ということは、本来は、ここは川が流れていたような、そういう土地だったんでしょうから、やっぱり全然違ってしまったんでしょうね。
しみじみ。

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  1. 2017/07/30(日) 20:59:03|
  2. ラ・リオハ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

女性を飲み込んで居る様な動物は・・・・・・・

人間の邪悪な精霊を飲み込んで居る!
と解釈して見ました。

グリーン・マンもいいですね。
私が見ても知らないので、この様な彫り物がグリーン・マンとは気が付かないでしょうね?

銜えて居る物は百合の紋章にもみえるのですが・・・・・・・


小さい割には見所のある建物でしたね?
  1. 2017/07/30(日) 22:01:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

山下さん
グリーン・マンも、決して定義ははっきりしていないので、私もよくわかってはいないんですけど。動物だったりもありますしね。
こういった、小さいところで中にも入れなくても、結構満足度の高い教会って、お得な感じです。開いてたらもっと嬉しいですけども、ね。
ところで、次に挙げた記事で、紋章のアップを張りました。山下さん、お好きなので…。
  1. 2017/08/02(水) 21:58:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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