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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ラ・リオハのお勧めホテルと、そうじゃないやつ。

2015.07.スペインの旅、La Rioja編、番外

今回わかったのは、ラ・リオハのロマネスク=超地味、ということでした。そして、行く先々の町村が、実にミクロで、人の暮らす土地としては、全体としてこじんまりとしていて、どっちかというと自然が勝っている地域、という印象です。
だから、田舎のマイナーなロマネスクを目指す向きには最適。というか、一部、サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサダなどを除いては、ロマネスク病、またはワイン通でもない限りは、あまり足を踏み入れない方がいいかもしれない土地かもね。

そんな中、一番感銘を受けたのが、実は、同地で二泊した宿だったかもしれません。




Hotel Rural Las Aguedas
Plaza de Santa Coloma 11, Ventosa

ヴェントーサという村の中心の小さな広場に面して建つ1800年代のお屋敷をホテルに改装したものです。
この村は、ロマネスク的には何もありませんが、巡礼の通り道で、午前中は、多くの巡礼が通過していきます。それ以外は、のんびりとした、何もない村。




アストゥリアス出身の女主人が経営しています。彼女は英語も堪能なので、結構おしゃべりが楽しかったのもあります。
宿を経営するのが長年の夢で、この物件に出会ったとき、運命的なものを感じて、取得したはいいが、歴史的な建造物のため、改修許可を取得するのに3年。そして、実際の改修工事に、また3年。都合6年をかけて、3年前にオープンしたのだそうです。

旦那は、普通にサラリーマンをしているらしく、ホテルの経営にタッチしているのはほとんど奥さん。相当の資産家なんでしょうかね。ご夫婦で、お住まいは別にしていて、ここは、ちゃんとしたホテルの扱い(要は、民宿のような形態ではない)。すべてに関して、相当のコストがかかると思うのですが、ご夫婦ともゆったりのんびりしていて、それがまたとても好ましいのでしたよ。

お部屋はかなり地味なのですが、共有スペースが大変ゆったり取ってあり、書斎には素敵な本がずらり。




入り口のスペースも、すべての調度が選び抜かれている様子です。




これだけの建物を改修して、内装して、大変なお仕事ですが、その間、楽しかったろうな、と想像がつきます。

サロンもまた、素敵な色彩です。




到着したとき、狂気しちゃいました。こんな素敵な宿とは想像もできませんでしたしね。こんなに素敵で、お値段もとってもリーズナブルなのに、この二泊の際、他のお客さんがいなかったのは、大変残念なことでした。
巡礼の人が多く、8月はフルだということでしたが…。まぁ、冒頭に書いたように、なかなか旅の人が来る土地ではないので、難しいでしょうが、でも、ログロニョからなら、車で30分もかからないと思いますので、あのようなごみごみした町に滞在するなら、ここまで来る価値大です。

夕食を提供する、ということだったので、事前に申し込んでおいたのですが、一人でも大丈夫か、心配になりました。でも、もちろん用意してますよ、ということで、こんな立派なテーブルに一人。




フランスでいうところのTable d'hoteという形態なんですね。スペインではこういうところ、初めてです。
ごはんも、奥様または旦那さんの手作りです。家庭料理で、普通の食材なんだけど、盛り付けはおしゃれだし、どれもおいしく、すっごくたくさんいただいてしまいました。ラ・リオハだけに、黙っていても赤ワインが供され、おそらく500ミリリットルとか、含めて間食です。




初日の夕食は、アスパラガスの冷静。白アスパラは、このあたりの特産ということだったと思います。そして、鶏肉のパエリャ。




結構な量だったんですが、おいしくてもりもりいただきました。デザートはアイスクリーム。

そして二日目の夕食は、山盛りサラダで始まり。




元気が出る色ですよね~。オレンジとリンゴが敷いてあるうえに、ニンジンどっさり。
そして、奥さんの出身地アストゥリアス料理、イカの墨煮。




これ、よく缶詰を買って帰りましたが、ちゃんと食べたことなかったお皿かも。おいしかった~!

ごはんの後は、お庭に出て一服。お年寄りのシェパード、デルマちゃんと遊んだり、旦那とスペイン語でおしゃべりしたり、なんだか、知り合いのお宅にお邪魔しているようなくつろぎ方ができる宿です。




朝はあまり早くできないというので、巡礼御用達の近所のバールで済ませましたが、それにしても、夜ご飯込みでも、びっくりするくらいお財布に優しいお値段でした。ブログで紹介するから、と言っときましたが、とうとう2年もたっちゃって。でも、開業するまで長年我慢をした人たちだから、そんなこと何でもないですよね。
これを見て、実際に行ってくれる人がいたら嬉しいなぁ。日本人なら、絶対感激するはずなので、強力にお勧めです。

あとから、ここに三泊すればよかった、と強烈に後悔しました。
というのも、最後の日は、ちょっと奮発して、中世の塔を改装した、というホテルに泊まってみたんです。




Casa Rural Medieval Torre Fuerte S.XIII
Mayor 8, Banos de Rioja

13/14世紀の塔らしいです。田舎の荒涼とした感じの、何もない村で、この建物も、外からは、さほど魅力を感じられません。
ただ、中は、確かに相当の手をかけて、改修しています。3階建てかな。各階が一部屋になっています。

天蓋付きお姫様ベッド。




窓のコーナー。




内装は、問題なく、小物も含めて、本当に素敵です。
各部屋には、それぞれカギを持っている人しかアクセスできないエレベーターがあります。オーナーさんは、裏にあるらせん階段で行ったり来たり、大変そうでした。




このらせん階段で、屋上にアクセスすると、近辺のパノラマが楽しめます。




何が気に入らなかったかというと、事前に確認した際、レストランはある、ということだったのに、それは隣町に行かなければならなかったこと。車で5分という近さですが、一日運転して、疲れていると、できれば運転したくないと思うので、歩いて行けるかというと、大丈夫だと。
で、歩いて行ったんですが、帰りは真っ暗で、本当に怖かったのです。時折通過する車のヘッドライトがなければ、右も左もわからないという道。そういう道を、大丈夫というオーナーさん(ここも、女性のオーナーさんでした)は、どうかと思いますよね。




やっと村の明かりが見えた時は、心底ほっとしました。

それも、勧めてくれたレストラン(と言っても、おそらく隣町のレストランは二つだけで、その、最もホテルに近い方)は、すごく普通の超大衆的な食堂で、あの中世の塔のホテルに宿泊する人が喜ぶような店ではなくて、なんだかがっかり度もすごかったんです。

極め付きは、超質素な朝食。




焼きたてパンすらなし。オレンジジュースもグラスに半分。宿泊代が私としては高価だっただけに、これはイラっと来ました。
加えて、クレジットカード拒否。これは本当にありえなかったですね。
それでいて、到着時と出発時は、こちらをファーストネームで呼び、ハグ状態の愛想の良さで、かなり不快感を覚えてしまいました。

まぁ、当たりはずれはあるということですね。オーナーホテルは、泊まってみないとわからない。旅の楽しさではありますが、ホテルがいいと、そのホテルに泊まるために、また行きたいと思うこと、結構ありますね。
リオハは、次があるかどうかわからないのですが、最初のホテルには、いつかもう一度行きたいように思います。

長い旅、お付き合いありがとうございました。
実は今夜から夏休みで、10日ほどお休みします。このところ、異常な頻度でアップしていたので、ちょうどよいお休みかと、笑。
旅の間は、インスタグラムで、移動中の写真をアップする予定ですので、ご興味のある向きは、下記リンクからどうぞ。
では皆様も、よい夏休みを。

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  1. 2017/08/13(日) 19:14:29|
  2. ラ・リオハ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

私も商売柄、ヨーロッパの色んなホテルで何度か仕事をしましたが、くつろげてお洒落な感じのホテルは良いですね!

このホテルは素敵ですね。
滞在して見たいホテルですね!

ホテルはこじんまりした家庭的な雰囲気のあるホテルが良いですね?
  1. 2017/08/13(日) 22:14:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> 古代遺跡めぐり<山下亭>さん
返信遅れてすみません。
よいホテルに出会うのは、なかなか難しいですよね。この夏の旅でも、10泊しましたが、一カ所だけ、素晴らしいホテルに出会った以外は、うーん、でした。一カ所だけでも、嬉しいですけどね。
  1. 2017/08/27(日) 18:12:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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