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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

山の天辺にたどり着くまで(ル・ピュイ・アン・ヴレその1)

2016.08.オーヴェルニュの旅 その1

嫌になるほどたまっている写真の整理。どこから手を付けようか、しばし悩みましたが、今年の旅との比較もできるので、昨年夏のオーヴェルニュに手を付けることとしました。
長丁場になりそうですが、そして、一年もたってしまっているので、情報的にもちょっと古くなってしまっているかと思いますが、今更…、と言わずに、お付き合いいただけると嬉しいです。

目的ごとに分けた写真と、旅の間のメモや日記を参照しながら、進めたいと思えますが、さて、どれだけ覚えておりますか。自分の記憶力の悪さを再確認することが多くなりそうで、怖くもあります。

さて、外国でのロマネスク巡りの足は、フライ&ドライブが基本の私ですが、このときは、トレイン&ドライブという変則でした。というのも、足を探した際、フランス国鉄が、格安の早割りチケットを発売していることを知ったからなんです。
ただし、当初、出発点として考えていたリヨンまではちょっと遠いので、リヨンより100キロほどミラノ寄りの、シャンベリーChamberyという町まで、ミラノから4時間のTGVの旅ですが、なんせ、往復で50ユーロもしなかったと思います。
そのシャンベリーの駅でレンタカーして、オーヴェルニュを目指すこととしたのです。レンタカーも、フランス国鉄と連動して割安だった上に、とても行き届いたサービスでした。




上が、フランスにおけるオーヴェルニュの位置、そして、オーヴェルニュ州の区画となります。このときの旅では、リヨンからオート・ロワールへ向かい、そこからピュイ・ド・ドーム、アリエまで北上するルートを取り、左下のカンタルは、割愛しました。
そして、この夏、カンタルを訪問しましたので、二年越しで、オーヴェルニュの主だったロマネスクについては、ほぼ訪問できたということになります。

旅は、シャンベリーの駅で、レンタカーするところから始まりました。このときアサインされたのは、日産のミクラ(日本名マーチ)。実は、日産には嫌な思い出があり、何とか他の車に変更できないかと交渉したのですが、結局ダメ。そんなことをしていたために、出発前に余計な時間がかかってしまい、大後悔しましたが、後の祭り。そして、そんなに嫌だったミクラが、最後には大好きになっていたという…。
毎年、いろんな車をレンタカーすることで、私の運転適応能力は、確実に上がっている気はします。運転技術は上がらないけれども。

本当は、数カ所寄り道をしてから目指すつもりだった初日の宿泊地、ル・ピュイ・アン・ヴレLe Puy en Velayは、シャンベリーからは2時間半ほどの行程なので、見るべきもののリストを考えると、寄り道どころではなくなり、ひたすら道を急ぐこととなりました。

町の近くまでは順調に来たのですが、あの辺だな、と思ったあたりで、いきなり道を間違えます。
ル・ピュイは、比較的大きな町のようだったので、駐車場の目星はつけていったのですが、ナビの調子がおかしくなったのです。で、方向転換して、とかうろうろしていると、いかにも地元民、という感じのおやじが、わざわざ車を降りてきて、どこに行きたいのか、尋ねてくれました。
駐車場の住所を言うと、フランス語で説明を始めたのですが、一年前の私のフランス語は、本当に使い物にならなくて、おやじもそれがわかったようで、「よし、私についておいで」と、なんと、非常にゆっくりとした運転で、とても丁寧に先導してくださったのです。




多分、一方通行が多いからでしょうね。思ったよりもぐるぐる回って、やっと目的の駐車場のある広場に到着。路肩に寄って、おやじは、駐車場を指さして、去っていきました。シャンベリーの駅でも親切に会いましたが、ル・ピュイでも、ここまでの親切は予想外で、フランスにしては、よもやの展開だなぁ、とびっくりでした。

この写真見ると、雰囲気としては結構都会。実際このあたり、新市街は、結構な都会です。でも、一歩旧市街に足を踏み入れると。




すごい坂道。すごい石畳。
旧市街は、盛り上がった場所にしがみついたような土地なんですね、どうやら。目線で行くと、こういう手をついて登りたいような坂道ですよ。




旅が始まったばかりで、気持ちがふわふわしている中、いきなり中世に引き込まれるというのか。一見都会に見える町だけに、衝撃でした。
そういえば、このときは全く認識してないけれど、ピュイPuyという町の名前自体が、山という意味なんですね。先日、カンタルで、知らずに1500メートルの峠越えをしてしまったのですが、その峠のある山が、Le Puy Maryマリー山でしたわ。

ところどころ、新しい建物もある中で、出会う古い建物の、味のあること。




この、坂の途中にあった家は、中でも印象的で、しばし立ち止まって、しげしげと眺めてしまいました。微妙に斜めについている入り口の階段の、なんと素敵なことか。
見ていたら、ちょうど、人が出てきたので、思わず声をかけたくなりましたが、フランス語が不自由なことを思い出して、自粛しました。
ミラノに暮らす前は、中世の町で、相当古いアパートに住んだこともあるせいか、妙な懐かしさというのか、ノスタルジーというのか、そういうものを感じてしまったようです。

おっと、こんなことをしていては、ロマネスクの旅が、いつまでも始まりそうもないですね。と言いつつ、今夜は時間切れ。

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  1. 2017/08/30(水) 06:14:00|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5
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コメント

No title

ここも何時か行きたい町です!
記事を楽しみにしています!

ナイス・ポチ!
  1. 2017/08/30(水) 07:24:00 |
  2. URL |
  3. Atsuko #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

内緒さん
ありがとうございます。いくらでも鬼を笑わせましょう。私など、笑わせまくりですよ、この頃は。夏休み前に、秋の旅の予定は全部決め、今は12月の旅のことを考えていますし、来年の夏休みも、ほぼ決まっているんですから。
というわけで、是非前半部にランデブーできれば、と思いますので、どうぞよろしくお願いします。
また、必要な情報については、ご遠慮せず、いつでもどうぞ!
  1. 2017/08/30(水) 21:45:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> Atsukoさん
遅々とした記事になりそうですが、この旅では、数だけはすごく見ていますので、ちょっとはご参考になるかも。気長によろしくお願いしますね~。
  1. 2017/08/30(水) 21:46:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

最後の写真の坂の途中の家、ホテルです。La Demueure du Lac de fugeres。中世の家を改装し2部屋だけ。お安くはありませんが、ピカいちです。
  1. 2017/08/31(木) 11:52:00 |
  2. URL |
  3. tak**7taka*aka7*77 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> tak**7taka*aka7*77さん
ご教示ありがとうございます。
早速検索したら、素敵なホテル~!でも、入り口が別にあるのでしょうね?この場所には、一切しるしがありませんでした。
素敵ですけれど、近くまで車でアクセスできるのかしら。いずれにしても、高いので、知らなくてよかったです、笑。
  1. 2017/09/02(土) 14:32:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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