ロンゴバルド・フューチャーのパヴィア散歩、その1
いきなりの寄り道をお許しください。
この週末、ミラノ近郊のパヴィアで開催中の展覧会に行って来ました。
ロンゴバルディ―歴史を変えた人々Longobardi - Un popolo che cambia la storia
Castello Visconteo, Pavia
01/09/2017-03/12/2017
あえて、寄り道するのは、一応展覧会で、期限があるため。というのも、この展覧会開催中、共催企画で、普段は見学するのが難しいクリプタが二つ、簡単にアクセスすることができるんです。
まぁ、イタリア在の日本語ネイティブで、こういうことに興味があって、このブログに来てくれる方は、いないも同然とは思いつつ、そういう方だったら、訪れるチャンスも多いし。また、日本にいる方でも、もしかして、この時期に、イタリアに来る人がいるかもしれないし。
それよりなにより、実は、昨年、パヴィアは訪ねているんです。それも、今回特別公開となっているクリプタの一つを訪ねるため。でも、それっきり、写真の整理もできていない状態なので、忸怩たる気持ちもあったわけなんです。
という、いろいろの思いで、ちょっと寄り道して、久しぶりにイタリア中世にフューチャーしてみたいと思っているのです。
約一年前に訪ねた時も、ちょっと駆け足ではありましたが、いい町だなぁ、と思いを新たにしました。
展覧会は、ヴィスコンティ城にある、市営博物館で。
展覧会場では、残念ながら、写真は一切許可されていませんでした。結構イタリア各地から来ていましたから、盗難対策としても、わからないではないですが、今どきの展覧会としては、ちょっと残念。盗難対策とか、かなりしやすいロケーションでもあったしね。
でも、この特別展以外は、すべて普段通り、撮影オウケイ。
誰でもアクセス可能な常設の方に、かなり貴重なもの、あるんですけどね。
また、常設の方に、あ、こんなのも並んでたんだ、というような石ものに気付いて、独り占めで楽しめたりね。
展覧会の共催として、週末だけですが、以下、三つのクリプタが、事前の予約等なしに、見学可能です。
サンテウセビオSant'Eusebio(金14.30-17、土日11-17)
サンフェリーチェSan Felice(日14-18)
サンジョバンニドムナルムSan Giovanni Domnarum(土日15-17)
昨年訪ねたのは、サンテウセビオのクリプタですが、事前にアポを取ったうえで、博物館に立ち寄り、時間を打ち合わせ、結局1時間くらい待たされて、といろいろ大変でしたが、今回は、上記のオープン時間に行けば、開いているので、大変貴重なチャンスだと思った次第。
中でも、サン・ジョバンニ・ドムナルムは、教会そのものが見つけにくい場所にあり、クリプタにアクセスするのは、かなりハードルが高そうでした。その上、クリプタに隠されたフレスコ画は、とても印象的で、嬉しかった~!
また、サンフェリーチェは、大学の図書館として、現役で使われている場所に、堂々とロンゴバルドの石棺が展示されているという特異な場所で、アクセスは、もしかしてしやすいのか、よくわからないんですが、ロンゴバルドの石棺というのは、初めてのご対面だったかも。
資料として、春に訪ねたマテラの原罪の洞窟にあるフレスコ画が提示されていたり、ちょっとまだ関連がよくわかっていない部分もたくさんあるんですが、この石棺内部のフレスコ装飾の花、確かに原罪の洞窟にある装飾モチーフに共通するものがあるんですよねぇ。ビザンチンとロンゴバルト。何か新たな発見があるのかなぁ。ワクワク。
そして、おなじみのサン・ミケーレやチエルドーロも訪ねて、久しぶりに、パヴィア・コンプリート。
パヴィアは、ミラノから車で1時間くらいで、すごく近いイメージがあるし、実際何度も行っているから、ありがたみが薄いんですが、中世的には、本当に重要で、行く度に感動する町でもあります。特に、サン・ミケーレは、本当に毎度感動するくらいに素敵なもの満載。
今回は、チエルドーロでも、こんなの、過去に見てたっけ?という発見がありました。
過去に見ていても、すっかり忘れているケースもありますが、過去に来たときは、見ることができなかったとか、修復中だったとか、そういうケースもいっぱいあります。チエルドーロの床モザイクは、どうだったかな。いや、記憶ないんだけど~。
そんないろいろを、さらりとまとめてみたいと思います。
一部は、昨年6月の写真となるので、オーベルニュより、さらに古い、ということで、寄り道、お許しくださいね~!
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
インスタグラム
スポンサーサイト
- 2017/09/19(火) 05:57:25|
- ロンバルディア・ロマネスク
-
| トラックバック:0
-
| コメント:9
なかなか、、、嬉しいです。
主人の母方の先祖はロンバルディ時代に
北おそらくドイツあたりから下ってきた
カンドルフィという家名で、ティノ州に住んでいました
クラン・ド・ウルフ(狼族)とかいうおそらく軍人の家系のようで
その地方の教会のレジスタに記録されています。
近辺の人達と比較すると背が高く、赤毛の人も多いようです。
主人は、赤毛ではありませんが、195センチあります。
義兄や甥は赤毛です。
- 2017/09/19(火) 06:59:00 |
- URL |
- Atsuko #79D/WHSg
- [ 編集 ]
ティチノ州と書いたつもりで文字が抜けていました!
こちらではテッサン州という言いかたですけれど、、、
- 2017/09/19(火) 10:30:00 |
- URL |
- Atsuko #79D/WHSg
- [ 編集 ]
パヴィア、行きたい、行くべき町なのに、いまだ機会がないのです!
最後の絵面白いです。龍退治の龍、ドラゴンというより、金沢さんが熱弁をふるっている、ケートスとやらの方に近いのでは?顔が獣頭、背中が二色になっているのがもしかしたら 亀の甲羅状ともみえるし( ジローナのタピスリー)。耳はたれていますけれど。
でももしかして尻尾は葉っぱではなく顔?
実物みたいです。
- 2017/09/20(水) 02:52:00 |
- URL |
- yk #79D/WHSg
- [ 編集 ]
聖ジョージの退治したのはドラゴンというよりは
大きな爬虫類だったかもですね!
床モザイクですがキプロス島でみたモザイクに
2種類あって丸石のほうが時代は古いとガイドさんに
言われました、
四角になっているほうが新しくて隙間無く埋め込まれていますね
実物を見ないとわかりませんが、かなり隙間があるように見えますので、丸石なのでしょうか?
ギリシャ人は古代からかなり移住していますから
ビザンチン時代のものなのかしら?
- 2017/09/20(水) 07:58:00 |
- URL |
- Atsuko #79D/WHSg
- [ 編集 ]
> 古代遺跡めぐり<山下亭>さん
展覧会、気にしつつ、忘れつつもあったので、思い出してよかったです。日々忙しいと、こういうことをチェックすることも忘れて。情けないことですが、今回は忘れずによかったです。
- 2017/09/20(水) 22:14:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
- [ 編集 ]
> Atsukoさん
ご主人の先祖は、では、かつて蛮族と呼ばれていた人たちだったりするのかも、ですね(笑)。バカにしているのではなく、うっとりしているんですよ。歴史が目の前にあるんですね。
中世は暗黒時代とか、よそから来た人たちを蛮族とか、まったくなんていうか、失礼な歴史観です。ロンゴバルドに関しては、確かに好戦的な民族だったようではありますが、一方で、繊細な芸術感覚を持っていたのも確かなので、蛮族という呼称は、どうも、納得できない今日この頃なんです。
少しずつ、歴史観も変わってきているようではありますけれども。
- 2017/09/20(水) 22:19:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
- [ 編集 ]
> ykさん
パヴィアにいらっしゃっていないのは、意外です。でも、ツアーだと、確かにわざわざ行かない町かもしれませんね。中世的には、結構マストではあるんですが、地味ですよね。
最後のモザイクは、チエルドーロという教会にあるのですが、サンミケーレ満載の町では、やはりサンミケーレと思われます。怪物は、次の記事でも、有翼ドラゴンの浮彫を紹介していますが、これも、有翼ドラゴンの、とっても下手なバージョンではないかと思われます。
モザイクそのものが、かなり下手。サンミケーレ教会にあるモザイクとは、レベルが違うので、うーん、いろいろ背景がありそうです。あちらがプロの仕事なら、これは小僧の試しモザイク、みたいな、笑。
- 2017/09/20(水) 22:22:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
- [ 編集 ]
> Atsukoさん
ミケーレに退治されるのは、キメラやグリフォンみたいな怪物になっているケースも多いですね。
これは、ロマネスク時代のモザイクとなっていますが、時代が古いというよりは、職人さんの腕とセンスの問題があるような。石は、不ぞろいだし、並べ方も、なんだかねぇ。
今後、別の部分も含めてアップしますので、お楽しみに。
- 2017/09/20(水) 22:24:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
- [ 編集 ]