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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

トスカーナのロマネスク、ピストイア-その1

ここは、フィレンツェから電車で20分くらいの町。今まで、なぜか訪ねたことがなく、今回初めてでした。
ルッカから近く、滞在するに値する町として、なんとなく目に付いたので、一泊することにしました。やはりフィレンツェに近い町ではプラートがありますが、ロマネスク的には、ピストイアの方が見所が多いし、町の感じもよさそうな気がしたのです。
旧市街と新市街の境目の辺りにある安宿に荷物を置いて、まずは町に出ました。う~ん、思ったより小さい。そして、何かとらえどころのないような感じです。
最初に訪ねたのは、旧市街の中心であるドゥオモ広場、そしてそのドゥオモです。


おお、まさにトスカーナ、ピサ様式の派生のピストイア様式。感じとしては、ピサ様式とルッカ様式の中間的な、しましまで装飾的だけど、ルッカほどレリーフや象眼装飾がないといったら言いのでしょうか。このドゥオモは、結構こじんまりとしていて自己主張が柔らかくて、結構いい感じでした。自分の名を冠した広場にあるわりには、隅っこにひっそりとたたずむ奥ゆかしさも、なんとなくいい感じです。広場では、どちらかというと、ゴチックの市庁舎の建物の方が堂々と目立っていました。
でも、教会の脇に聳え立つ同時代の鐘楼は、やけにでかくて、思いっきり自己主張しているのでしたよ。





内部は三身廊で、身廊を分ける柱には、手がこんだ植物モチーフの柱頭が飾られています。かなり後代の手が入っているとは言え、当時の面影を十分残しています。


古いクリプタがあり、こんな素敵な、おそらくかつての柱頭が置かれていたり、レリーフが飾られていたり、歴史を感じさせます。





ドゥオモの前に、洗礼堂がありますが、ゴチックのもので興味がもてなかったし、時間もなかったので、パス。古い洗礼盤がのこっているようなので、チェックしとくべきでしたかね~。

さて、次に向かったのは、ピストイア・ロマネスクの宝、とうたわれている、サン・ジョバンニ・フオルチヴィタス。


これはすごいです。これでもか!どうだ!のしましまぶり。強烈です。それも、北側側面が、比較的幅広の道に面していますが、ファサードも後陣も、全く見通しの聞かない小路に面しているし、南側などは、他の建物とべったりとくっついている始末。一体どうしてこんなところにこんなすごいものが建てられたんでしょう。


装飾はあくまで幾何学模様。ピサでもそうだったように、並びあう模様がみんな異なるのが面白いです。また、ここまでしつこくやられると、かえってスカッとするというか、あきれるというか、なるほどね~、と納得してしまいます。

北側の扉に、素敵なアーキトレーブ浮き彫りがあります。これは、東方の三博士の図でしょうか。



内部はかなり新しくなっているのですが、すばらしい説教壇がありました。ピサの石工、グリエルモさんという僧の作品とのこと。


そういえば、この地域の教会は、説教壇が好きですね。かなりあちこちで見かけます。

続きは次回。
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  1. 2009/09/28(月) 05:46:30|
  2. トスカーナ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

No title

初めまして!ドイツからです。

キレイですね。
お写真拝見して、イタリアに行きたくなりました!
  1. 2009/09/27(日) 22:55:00 |
  2. URL |
  3. キミ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ピストイアはバルガからの移動でいったの?
車だとたいした距離でもないでしょうけれど、バス、電車だと乗り継ぎ不便だと思うのですが。
ドウォモの、この鐘楼は不釣合いですね。中もかなりバロックが入ってますし。

このグリエルモさんは、私たちが知っている、あのグリエルモさんとは別人ですよね?
  1. 2009/09/28(月) 01:01:00 |
  2. URL |
  3. クリス #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

キミさん、訪問ありがとう。
ドイツはどちらにお住まいなのでしょうか。少なくとも気候的には、特にこの冬に向かう時期、イタリアはよいですよ。北部のミラノでも、日中は暑いくらいで、もうちょっとがんばれ夏!という感じ。
  1. 2009/09/28(月) 18:32:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

クリスさん、フィレンツェと、ピサやルッカを結ぶローカル線は、結構頻繁に走っていて、意外と速くつくんですよ。電車賃も、信じられないくらい安いんです。まあ、車なら、まさにあっという間の距離ですけども。
グリエルモさんは、わたしの知らないお坊さんの人みたいです。
あのグリエルモさんについては、夏に、以前買った本など読み返して、いまさらほぉほぉ、と感心していました。教会的に、10世紀あたりのキーパーソンの一人ですね。なのに、あまり知られてないですね。
  1. 2009/09/28(月) 18:35:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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