ベネチア・ビエンナーレ・アルテ2017 その8
ジャルディーニ会場を出てすぐ、運河の手前に、バールがあります。ビエンナーレがないときは、クローズするしかない、というような立地ですが、ビエンナーレ開催中に、きっと十分一年分の収入があるだろうな、というような。
普段は、そういうバールに過ぎないのですが、なんと今回は、そのバールの一角までも、パヴィリオンになっていました。
Thailand Pavilion
Krung Thep Bangkok by Somboon Hormtientong
象の彫り物とか、仏像とか、そういった民族的な伝統アートと、今のバンコク、的なプラスティック素材の大量インスタレーションが同居する展示。
上に積んである、カラフルなプラスチックは、かごとか椅子とか、日常のそこらに転がっている代物で、でも、日本ではもはやあまり使われなくなってしまった感じもありますね。私は東南アジアの国を訪ねたことないんですが、まだまだこういう日用品が、日本よりは使われているのではないか、という勝手はイメージを持っているんです、たぶん。だから、なんとなく、しっくり来てしまった。
自己主張が控えめで、さらりとした展示。意外とよかったな~。こういう時、自分のツボって、わからなくなりますけどね。
さて、ここからは、日を改めて、アルセナーレ会場に移動しますよ。
前回、建築ビエンナーレでは、ジャルディーニ会場からここへ移動するときに、チケットを失くしたことに気付いて、真っ青になって到着したアルセナーレ入り口。
今回は、一泊することもあり、その体験から非常に神経質になって、何度もチケットのありかを指さし確認してしまいました。無事、なくさずに到着して、ほっとしました。なんだか、情けないけど。
さて、本会場に入る前に、この通りに、いくつか展示会場がありますので、まずは、そこから見学開始です。
A Bonsai of My Dream(盆栽如夢) by Wong Cheng Pou
これ、面白かった!キモかわいいを体現したようなフィギュア満載!
Hole Man(通心人)
いきなり、実際の人間大の、この不気味なフィギュアの迫力!
なんと、お隣の部屋とつながっていたのです。
何だろう。陳腐と言えないこともないけど、何か感じちゃうよね。
お庭の片隅に、ひっそりと生息してそうな人たち。何だろう、この不気味さと同時の無味乾燥さ。双頭のMr.Yamと、まんまると縦長のEgg Man二人。
作家さんの見る夢を体現したフィギュアのようですが、多くの人が、いろんなものにインスパイアして漠然とイメージするような、普遍的な何かがあるような。アジア人だから?
作家さんは、台湾の方で、結構な大御所と思われる50代半ば。マカオの美術館共催だもん。
お隣も、中国系の展示があります。これも、もう長いことある展示スペース。古い住居跡を使用しているスペースなんですが、とても雰囲気があります。
Samson Young: Songs for Disaster Relief
Hong Kong in Venice
香港パヴィリオン、という位置づけなんですね、きっと。
スペースの雰囲気は相変わらずよいのですが、展示はちょっと…。
さぁ、いよいよアルセナーレ会場へ。
入り口で、思わず目を疑ったのが、これ。
ジャルディーニ会場では、まったく置かれていなくて、係員に聞いても、「ないものはないし」と、あまりにひどい答えだった、あの会場パンフレット、やっぱり売るほどあるじゃんよ~!オーガナイズを疑うわ、まったく。
この朝、会場に向かう途中に、サン・マルコ広場にある観光局で、しっかりゲットしてきたので、もう興味なかったのが、逆に損した気分で、むかついた~。どうでもいいけどさ。
さて、気を取り直して、入場。
なんと~!またこれ!
この巨大スペースでは、ぐっとつかまれて、ぐっとのめりこませてもらいたいんですけどね~。ジャルディーニのセントラル・パヴィリオン同様の、ちまちました展示で、なんだか拍子抜けというか、がっかりしてしまいました。
でも、アルセナーレ会場は、ウナギの寝床で、どこまでも続くので、きっと何かが待っているに違いない、と期待しつつ、さっさと先に進みます。
でも、なんだか小品が続く。
パンの本?なんだよ、これ。
Encyclopedia of Bread by Maria Lai
イタリア人アーティストの作品らしい。しかし、こういうの、いきなりつかみに持ってこられても、戸惑うなぁ。
アルセナーレ会場は、前回の記事にちょっと記した全体構造に従って、メインのスペースが、Common、Earth、Tradition、Dionysian、そしてColorsをテーマとして展示になっていて、入り口から、この順番で、その展示が続くようになっているようです。とすると、この入り口近くは、Commonということになるんですかね。
この、糸巻き巻きは、何を?
壁に無作為に刺さっているのが、色とりどりの糸巻きで、それが机に積まれた服につながっています。で、その机の一方では、東洋人が、針仕事中。
これ、単なる参加型作品で、もしかして、糸針仕事が必要だったり、チクチクしたいだけの人が、勝手にトライアルできるものだったのか、それとも、このチクチクの人はパフォーマーだったのか、その辺、不明。
体験型展示、大好きだけど、これは、ワクワクと、自分も参加したいかも、とは、チクチク好きの私にして、一切感じず。
驚きや発見や刺激ゼロのまま、続きます。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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- 2017/10/13(金) 04:48:21|
- ヴェネチア・ビエンナーレ
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| コメント:2
ベネチアビエンナーレの記事を楽しみにしていました。他の記事もまたあとでゆっくり見させてもらいます。
糸巻きはリー・ミンウェイですね。森美術館で個展を見たことがあり、「嫌い」と思いました。
https://ameblo.jp/denrokuneko/entry-11953744588.htmlでんろくねこ
- 2017/10/13(金) 03:10:00 |
- URL |
- dkd*k00 #79D/WHSg
- [ 編集 ]
でんろくねこさん
訪問ありがとうございます。さすが、お詳しいですね。思いっきり「嫌い」という姿勢、いいですね。やっぱり、好き嫌いで、いいよね、と背中を押された気持ちです、笑。
- 2017/10/15(日) 20:54:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
- [ 編集 ]