ジャルディーニを離れ、もう一つの会場、アルセナーレを訪ねましょう。
ここは、かつての造船所。ですから、大きな建物が連なっていて、島の突端は小さなドッグになっています。そのすべての敷地を効果的に利用して、ビエンナーレ会場に転用しています。仕切りの少ない大きな建物が、現代アートにぴったりです。
この会場は、ジャルディーニよりも、少しサン・マルコ広場に近く、歩いてもたいしたことはありません。大運河から、ちょっと中に入ったところ、まさに倉庫街のような地味な小路が入り口になっています。
その入り口の対面に、いきなり香港のアーティストの展示館がありました。
朝一番で到着したばかりで、思いっきり体力もありますし、この派手な看板を無視するのもなんですから、いきなり入場(勿論無料です)。
ま、ふつーのありがちな現代美術。嫌いじゃないけど、特筆すべきものでもなし。一般の住居のバルコニーなんかが見えて、雰囲気が猥雑な香港風?
入場してすぐは、かなり大きなホールになっていて、インパクトのある作品が置かれることも多い場所なのですが、今回は薄暗い中に地味な造形で、とにかく暗すぎてインパクトも何もない、というような作品で、さっさと通り過ぎました。そして一発目が、この鏡を多用した作品。これ、トリノのリボリ現代美術館にある人かな?そうじゃないのしても、ちょっと陳腐なのは否めないですね。時代遅れって感じ?
そのあとからは、まさに造船所跡、という雰囲気そのまま、高い天井が太い円柱に支えられただけのとてもシンプルな空間が広がり、これでもか、状態で作品が展示されていきます。ときどき、どこからどこまでが、一つの作品なのか不明なこともあったりして、この天井から下がっているような作品も、そういうものの一つですね。
メッセージ性があるようなないような、ロシア系のヒトの作品(多分)。わたし的には、うーん、あまり流行んない?って感じですが。
一つ一つの作品の良し悪しや好き嫌いは別にしても、ずらずらとひたすら並んでいて、見学者がそれぞれ勝手な方法で鑑賞している空間というのは、なんだか楽しいものです。
コラージュと棺おけ。???よく現代美術の話題になると、理解できない、鑑賞の仕方がわからない、とおっしゃる方がいますが、そういう発想が、すでに現代美術では不要なのでは、と思っております。だってこんなの、鑑賞もへったくれもないでしょう。面白いか面白くないか、好きか嫌いか、その程度の感覚で眺めればよろしいのではないかと。ポップ・アートが出てくるあたりまでは、思想的な何かもあったかもしれないと思いますが、もはや、そういう次元ではないように思っています。村上隆なんて、思想的に説明なんか出来ませんしね。
説明なんて出来ないけれども、ときどきはっとするくらい新鮮な眺めがあったりします。作家としては、やはり言いたいことがあったりするんでしょう。こっちに興味がないだけで。ただ、わたし自身、いいたいことがあっても、こういう形で表現することは出来ないし、そういう部分で、アートってすごい、アーティストってすごいなって思うわけです。
かといって、この築山は、別に自分の家にほしいなんて死んでも思いませんけどね。
ずらずら並べると、結構楽しいですね。大抵、フラッシュなしで撮っているのですが(会場はフラッシュもOKですけど、やはりフラッシュで撮る写真はよくないですから)、さすが中世教会めぐりで鍛えられて、結構よく撮れてますよね。
しばらく続きます。飽きたらごめん。
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- 2009/09/29(火) 05:36:40|
- アートの旅
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| コメント:2
はじめまして、偶然あなたの素敵なblogを見つけました
鏡の作品は、横浜トリエンナーレにも出品されていました
時々お邪魔する失礼をお許しください
もっと、拝読したいと思います
- 2016/03/26(土) 12:48:00 |
- URL |
- poetryfish9 #79D/WHSg
- [ 編集 ]
> poetryfish9さん
コメントいただき、大変有難うございます。
貴サイト、すみません、駆け足で、その上黙って訪問させていただいていますが、素敵です~!
アート記事が、というより、記事アップの頻度自体が減りまくっている今日この頃、このようなお褒めコメントいただいては恐縮至極です。
今年は、ベネチア、早めに訪問して、きっちりアップしたいと思います。いや、その前に、もうすぐミラノ・サローネが始まりますので、きっちりレポートしたいと思いますので、是非ともまた、遊びに来てくださるよう、お願いします!
- 2016/03/27(日) 22:55:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
- [ 編集 ]