ベネチア・ビエンナーレ・アルテ2017 その14
アルセナーレ会場Arsenaleの見学、続きです。
ノルドから、本島に戻り、見学を続けます。アルセナーレの、最も奥の地域で、数年前から、展示スペースとしての使用が始まった場所。公園の中をさまようように歩くのが、結構楽しいものです。
片隅に遺された倉庫のような建物は、扉ごとに展示会場となっています。もとは、掃除用具とか、消防用具とか、そんなものの置き場になっていたようで、実にそっけないスペース。
Printing my steps by Fiete Stolte(ドイツ―ベルリン、1979年生)
足跡に光があたっているだけの、こんなそっけない展示が、意外とマッチします。
こんなシンプルな作品も、場所のイメージにピッタリなインスタレーションとして、評価します。いや、私に評価されても、嬉しくもなんともないだろうけれど、笑。
Doorway by Vadim Fiskin(ロシア―リュビヤナ、1965年生)
奥の壁に、開いたり閉まったりするドアの映像が映し出されているだけの作品です。結構パタパタと短時間で閉まったり開いたり。開いた時のあふれんばかりの光が、ぐっと来ます。
先にある別の建物は、このような内装にされていました。
どう見ても、ナチのユダヤ人収容所。作品は、この奥の方に展示されていた不思議な時計だったのですが、この構造の方が気になってしまい、怖くて、すぐに出てきてしまいました。
その先には、壮大な無駄、的な作品が堂々と展示されています。
Shipyard by Michael Beutler(ドイツ―ベルリン、1976年生)
アルセナーレがもともと造船所であったことに対するオマージュとして作られた作品ということです。
建物の中には、四つの大きな水槽が置かれ、そこに浮かんでいるような構造物があります。
水槽の水の微妙な揺れで、天井とつながっている構造物も、微妙に揺れているようです。動くかと思って押してみると、相当の重みですが、動いたようでした。
このような木の構造物は、日本の技術などを使っているような気もします。外壁部分、面白いです。
木なのに、互い違いに組み合わされて。これは日本またはアジアの木の家の人たちの技術ですよね。
それにしても、これは、どちらかというと建築ビエンナーレでの展示の方が、しっくりくるような作品でした。
緑の小道を行くと、どこからともなく、いろいろと混ざり合った音が聞こえてきます。
Composition for a Publice Park by Hassan Khan(英国―カイロ、1975年生)
自然の音ではありえないけれど、最初、どこからどう聞こえてくるのか、わかりませんでした。よく見ると、道端に、黒いスピーカーがありますね。
先の、開けた場所に、ずらりとスピーカーが並んでいて、スピーカーの小道となっていました。間を歩くと、歩くにつれ、様々なサウンドが聞こえてくる仕掛け。
でもね、つまんない。
この辺りは、すでに相当疲れていますから、よほどのものじゃないと、興奮もせず、面白さも見いだせないテンションです。
そうは言いながら、ちまちましたこういう、割と正当な現代美術然、とした作品は、食いついてしまいますねぇ。
この一角、同じ作家さんの一連の作品が並べられていましたが、ギャラリーの展示的な、ちょっと買っちゃおうかな、と思わせる、そういう規模でテイストの、至極普通の作品たち。
Pet Cemetary by Erika Verzutti(ブラジル、1971年生)
でも、テーマはペットのお墓だったんですね。
Foret de Balais by Michel Blazy
ディズニーのファンタジーを髣髴とするホウキの集団。タイトルはまんま、「ホウキの林」ですが、ちょっとひねってもよかろうよ、と思いました。
A Circle for a Venezian Garden by Takesada Matsutani(日本―パリ、1937年生)
具体のメンバーだった人みたいですが、なぜ、いまこのような作品を選ぶのかは、私には全く不明です。何か、感じるところ、ありますかね。
本会場の方に戻りつつ、行に見ていない展示を拾いながら歩きます。まずは、以前とは内装が大いに変わってしまった中国パヴィリオン。以前は、元から置かれていたボイラーのような機械類がそのまま残されたスペースで、それを利用する面白さがある場所でしたが、今は、それらが取り払われた、大きなスペースになっています。
China Pavilion
Continuum – Generation by Generation(不息)
Tang Nannan, Wu Jian'an, Wang Tienawen, Yao Huifen
映像や、工芸品的なものが、雑多に並べられていて、今一つ、統一感がなく、訴えるものがわかりませんでした。ところどころ、面白いものはあるんだけど。
この後、いよいよイタリア館。
いよいよ、ということもないけれど、一応主催国であるだけに、力は入っているので。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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- 2017/10/23(月) 01:36:50|
- ヴェネチア・ビエンナーレ
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