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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

アゼルバイジャンの伝統楽器にうっとり。

ベネチア・ビエンナーレ・アルテ2017 その17(最終回)

ホテルで荷物をピックアップして、鉄道駅に向かう道すがら、何かあれば見ていこうと思いながら歩き出した途端、あっという間に、「なにか」に遭遇。




Republic of Azerbaijan Pavilion
Under One Sun – The Art of Living Together by Hypnotica, Elvin Nabizade

なんと、ホテル至近の広場に面した、ベネチア風の素敵な建物が、アゼルバイジャンのパヴィリオンとなっていました。
建物に入ると、すぐ、ビデオ中心のスペース。




こういうのは、かつての流行りっていうか、近未来SF映画的なっていうか、今はもう、ちょっと終わっているコンテンツのような気もしますが、決して嫌いではないのです。

建物は、上階部分も使っていて、二階に上ってびっくり。




楽しいうつわ、楽器がずらり~!
一階とのあまりの違いに、なんで~?という印象でした。
マンドリン風の楽器ですが、おそらくアゼルバイジャン固有の楽器なのでは、と思われます。展示の仕方が独特で、建物の雰囲気、窓の外の借景も含めて、素晴らしい美しさでした。




そして、その先にも。




私の写真では、決して伝わらないと思いますが、これは美しい作品でした。それぞれの楽器の美しさ、そして、全体の調和。音のないオーケストラとでも言ったような響きが聞こえるような視覚作品です。優れたコンテンポラリー・ダンスを見て、音を聞くような、そういう感じっていうのか。




すべて、伝統的な楽器と思うのですが、とにかくフォルムと言い、色彩や装飾的な部分すべてが宝石のような美しさです。職人さんの粋がつまっていますね。それを現代アーティストが、別の美しい作品に仕上げる。幸せなコラボです。
いや、楽器の本性は、音を奏でることなんだから、本当は方向性が違うのでしょうけれど、奏でられなくても音を感じるように思えるなら、それはそれで、本性が生かされていますよね。

その奥にしつらえていたのは、アゼルバイジャンのお家インスタレーションでしょうか。




ますます、音が聞こえますね。

すっかり満足して、パヴィリオンを出たら、同じ広場の片隅で、今度は音の聞こえるパフォーマンスに出会いました。




グラスの淵をこすって音を奏でるグラスなんとかってやつですね。これは、ビエンナーレ協賛ではないでしょうけれど、グラスの数が半端なく、素晴らしい演奏でした。

広場を出きらないうちに、また、「なにか」あり。




Imago Mundi - Luciano Benetton Collection
Great and North – 759 Artists from Eastern and Western Canada, the Inuit and Indigenous artists of North America

ベネトン総裁のルチャーノ・ベネトンのコレクション展示が、サテライト企画として展示されていました。




はがき大くらいの作品が、ずらりと並んでいて、これは、なかなか面白い展覧会でした。あまり時間がないので、ゆっくりとみていることはできなかったのですが、ちょっと面白い。
ベネトン、洋服屋さんとしては、すっかり影が薄くなって、今何を商売にしているのかよくわからないのですが、健在なんですねぇ。

やっと広場を抜けようというところで、また「なにか」。




Objection
The Pavilion of Humanity by Michal Cole, Ekin Onat

こういうサテライト企画は、その出どころとかよくわからないですけれど、建物が素敵だし、立ち寄りたい誘惑に勝てず。




いきなりあるのは、黒いテーブル。
とても普通に住宅、という展示会場で、ダイニングに置かれたテーブル。でもそれが、真っ黒で、現実的じゃない。シュールなんです、全体に。
その奥には、また別のシュールな部屋が。




これは、すっごいきれいでした。全部、シルクのネクタイなんですよね、どうやら。シルクのつやつや感が美しくて、そして、これだけ色が氾濫しているのに、全体の調和があって、なんというのか、貴族的な、高級感?面白いです。
確か、靴をビニールで覆うなどすれば、部屋に足を踏み入れることができるようになっていたと思うのですが、時間がないので断念。ソファに座って、部屋に沈み込んでみたかったな。入り口からのぞき込むのとは、違う眺めだと想像します。

二階にも上れました。




さらに、普通の住宅感満載で、等身大の人のフィギュアまで。乱れたベッドが、とても現実的かつシュールな空間でした。
借景が、普通の住宅からの窓の風景だけに、何とも不思議ですよね。建物全体が面白いものになっていて、感じるものはありました。感銘は受けないけどね。

ということで、今回のビエンナーレの旅、やっと終了です。
全体として、私には、低調ではありましたが、常に身近に見ることができるわけじゃない現代アートを、二日にわたってどっぷり味わえるのは、いつだって特別で楽しいひと時です。そういう意味では、今回も、いつも同様、楽しめました。友人とのランデブーでもあったので、その楽しみもありましたしね。

この週末は、毎年恒例のショート・トリップ。またまた寄り道です。
でも、来週以降、ロマネスクも再開しますので、またよろしくお願いしますね~!

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  1. 2017/10/27(金) 05:19:17|
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