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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ブレーシャで、ローマ・ロンゴバルドと融合するミンモ

ミンモ・パラディーノOverture Bresciaその1

寄り道がひと段落して、本来なら、フランス・ロマネスクに戻るべきではあるのですが、実はこの秋は寄り道満載で、なかなか本道に戻れないことになっています。
というのも、この寄り道も、期限付きのイベント訪問なので、是非紹介しておきたいのです。大好きな現代アート作家さんのイベントだけに、一人でも多くの方が訪ねてくれれば、という気持ちもありまして。

ということで、ロマネスク待ちの方々には申し訳ないのですが、現代アート、再び。ただし、会場がブレーシャですので、ローマ及びロンゴバルド付き、という大変豪華なイベントではあるんですよ。




Mimmo Paladino - Overture, Brescia
6/5/2017-7/1/2018
at Museum of Santa Giuilia, Brixia Archaeological Park, etc.,

ミンモ・パラディーノは、大好きなイタリア出身の現代アートの巨匠で、これまでもミラノやローマでのインスタレーションや、ベネチア・ビエンナーレへの出展で、いくつかの作品は見ていますが、ブレーシャという町とコラボした、このような大規模な企画は、想像もつかないし、ワクワクしていました。
と、いいながら、気付いてからずいぶんと時間がたってしまい、長い会期も、どちらかと言えばお尻に近いこんな時期の訪問になってしまいました。

ミラノからブレーシャは、車でもローカル列車でも、約1時間強の道のりで、楽勝で日帰りできる距離なのですが、今回は諸事情あり、仕事を終えてから、夜入り、宿泊して翌日見学、という変則日程でした。

というわけで、夜景から開始です。
鉄道駅から歩いてアクセスした、最初のスポットは、ヴィットリア広場Piazza della Vittoriaです。




あ、いた~、かわいい~!




この人の作品は、なんというか、一歩間違えると陳腐な感じっていうか、具象的過ぎてダサくなるかも的な部分があるっていうか、要は、現代アートにありがちなわかりにくさがないと思うんです。わたし的には、ロマネスクにも通じるような、愛らしいアイテムや遊びがあるところが好き。変に大上段に構えていない感じも好き。




でかいヘルメット。置き場所も、作家本人がサーベイして決めたものだと思います。それも、この企画、作家さんは、無償で作品を提供して、必要経費もほとんどが寄付やスポンサーから献金で賄われて、ブレーシャ市は、数十万ユーロしか使ってないという記事を読みました。確かに、フライヤーとかも、なんかしょぼいものがあるだけで、メイン会場となっている美術館や博物館でも、協賛のパンフレットや展覧会本が置いてなかったんですよね。
コストをかけずにイベントを行うのは、間違ってはいないと思うけれど、おいおい、ちょっと節約しすぎじゃないのか?とは、思いました。




ブレーシャでは、二年ごとに、大規模なアート・イベントを実施していて、考えたら、クリストのイベントが、二年前でした。クリストで、びっくりするくらい多くの人が集まったため、味を占めて、現代アート・イベントに走り出したのか、と思ったのですが、実は以前からやっているということでした。そういえば、行きたいなと思いつつ行かなかった展覧会が、時々あったようにも思いますが、もしかすると、そういう一環にある展覧会だったのかもね。




5月のオープンから、すでに半年以上たっているせいか、完全に町のコンテクストに溶け込んでいて、完全に、常にそこにあるもの、というたたずまいとなっています。こうなると、もはや、だれ一人、これらが現代アートの作品であること、という認識はしなくなりますよね。




「現代アートって、よくわからないし抽象は苦手」という人って、かなり多いと思うんだけど、こういう形でアプローチしているこれが、実は現代アートだし、ここにもあそこにも、アートって生活に入り込んでるんだよ、という事実を、そういう人は認識してないんですよね。
これらは、テンポラリーな展示だけど、路上に、町中に、パーマネントで展示されているアートはいくらもありますよね。でも、ああいうのって、そこにあるもの、程度の認識しかされてないんだろうなぁ。




この、数学的にはなんという立体なのか知りませんが、金平糖状態の物体。下に水が張ってあって、とても美しいたたずまいとなっています。馬の背にも乗っていますが、ここに置かれたものには、ちょこんと、人の頭がくっついています。




こういう遊びが、ちょこちょこみられるんですが、この頭部なんて、実は、夢中で撮影しているときは、見てなかったです…。時間がなくて、慌ててたしな。

ところでブレーシャという町。
実は、仕事のことで通過することは大変多く、駅には何度も降り立っているのですが、実際に町を訪ねたのは、2009年に遡ります。その時は、ロマネスク目的でしたから、例によって、目的だけを目指して、最短距離を駆け抜ける状態でした。
今回、比較的ゆっくりと町を歩くことができて、初めて町の成り立ちとか、たたずまいというものがわかったような気がしました。
例えば、町の一角が丘になっていて、城砦が残っていることなど、気付いてもいなかったんです。




ローマ時代から反映し、中世にも城壁を持つ町として繁栄が続き、現在まで来ている町。ミラノやヴェローナなど、大きな都市国家がひしめいている一角で、ちゃんと生きながらえてきていて、今でも、産業的に重要な町でありながら、でも、中心部は、当時とほとんど変わらず、という規模を維持しているあたり、一貫性のある町という印象です。
ただ、そういう性質の町であるためなのか、ちょっと閉鎖的な雰囲気、というものを感じました。
ミラノでは、そういうものがないし、そういうものの少ない環境にいるため、差別や区別というものに対して、もしかすると昔より繊細になってるかもね。

駆け足で、紹介して行きます。

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  1. 2017/11/05(日) 21:08:06|
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