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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

どっちに集中したらいいのやら。

ミンモ・パラディーノOverture Bresciaその3

ロトンダの後は、待望のサンタ・ジュリア美術館です。




Museo Santa Giulia
Via Musei 81/b, Brescia

入り口は、住宅に埋もれている感じで、大変地味ですが、この美術館、というか、博物館は、かなりすごい場所なんです。ローマから中世にかけてのお宝がごっそりあり、そういう時代が好きな人は必見。
今回、ミンモのおかげで、このMuseum再訪のチャンスができたことも、嬉しいことです。近いとは言ってもね、なかなか行かないもんです、100キロ離れた町には。

エントランスの様子などは、9年もたっているとほとんど記憶にありませんが、確実に新しくきれいに整備されているはず。もっと古びた昔の博物館的な様子だったと思います、以前来たときは。




現代美術の美術館みたいにすっきり、きれいです。
そして、いきなり、フィアット500があります。これが、もう!




めっちゃくちゃかわいいんですよ。
ただでさえかわいいチンクエチェントに、ミンモ手書きのイラストびっしり、これはたまりません。




いきなり、ワクワクしてきましたね。この展示はナイスです。

チケットを購入して、最初に出会う中庭で、いきなりミンモ!




以前来た時の主な目的は左側に見えるクーポラ状の建物。これは古い教会なんですけどね。あ、ちなみに、この博物館は、ブレーシャの町の中心地、特に古い時代の中心に当たる位置にあり、ローマ時代の邸宅跡、そのあたり及び周辺にできた中世の教会と、時代が下ってからの修道院を転用したものです。
修道院は、おそらく改築付け足しなどなどで、相当広い敷地となっており、こういった中庭も複数あり、構造も複雑。その中全部が博物館になっているので、見学も結構大変です。順路も、意外とわかりにくいんですよ。
で、これは最初に出会う中庭で、でも、いきなり外に出なくても、あとで順路上に外に出られるようになっているのですが、やはりミンモに惹かれて、あえて、早速出てみました。




なんか、すごく頑張って横になっている人でした。
パッと見ると木彫りっぽい。でも近づいてみると、これが、ブロンズなんですね。




材料がわかると、さらに、頑張りが気になります。木だと、軽々感がありますが、ブロンズだと、なんというか、重力に負けまいというプルプル感を感じてしまって。
それでいて、この涼しい顔。




身体の彩色も、なんだかつらそうな色だし、この腕の置き方の辛い感じ。その上、砂利のような突き刺さる地面ですよ。それなのに、達観した表情ですよね~。

うん、やっぱりミンモはいいな、と、やおら、普通の見学コースに戻ります。こういう変則の繰り返しなんですけれど、変則どころか、本来の展示とシンクロしてくるのが、面白さなんだと思います。

いきなり、大好きなロンゴバルド系、どかん!ときます。




これは、数あるロンゴバルドの浮彫の中でも、かなり好きなやつ。細かさはないものの、ロンゴバルドの粋が凝縮したモチーフですよね。
こちらの石碑も、字も含めて、大変好みですねぇ。




まったく記憶になかったので、ちょっと驚いたのが、この聖母子像。




ロンゴバルド時代、9世紀の、漆喰を色付けしたものということですが、図像学的には、とてもビザンチンに思われます。

柱頭や石碑など、好きなものが並んでいますが、これを紹介していると、もうまったくミンモを忘れちゃうし、また、いつまでたっても終わらなくなってしまうので、適当の端折りますね。




でも、このセクションで、もう一つだけ、気になった石碑。




本文の行間に、小さい字の書き込みがあるんですけれど、これは何ですかね?もしかして彫り忘れを後で付け足したのか、と思ったりしたんですが。

でも、結構たくさんあるんです。




碑文については、まったく詳しくないし、そんなにじっくり見たこともなくて、こういうのって、気付いたこともなかったんです。
ちなみに、単語の間のクサビ模様みたいな三角は、おそらく文章の区切りで、点に当たるみたいでした。

サンタ・マリア・イン・ソライオ教会Chiesa di Santa Maria in Solaioに入ります。トップの中庭の、左側に見えていた建物です。




ここは、壁の間に作られた、古い階段を上ると、思わず息をのむような、星が光輝く、濃紺の天井を持つ部屋に出ます。




天井や壁のフレスコ画は14世紀以降のものですが、そこに置かれていたのが、ミンモの作った玉座です。




もう、しっくりしちゃって、ほとんど見逃しそうな作品です。
玉座には、シンプルで、現代的なものですが、本当にかわいらしい椅子ですよ。




背のトップに頭部フィギュアと蛇。
影の様子も、何とも計算されていますね~!




手を置く場所の先っぽに、うにょって出ているのが、やはり蛇の頭です。
玉座として作って作品のようなので、聖書的な寓意に基づいて、あえて蛇なんだと思いますけれど、なんかいいなぁ。

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  1. 2017/11/07(火) 06:22:22|
  2. アートの旅
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

No title

いやあ凄いです。私的にはどうあってもロマネスクなんですけど、こんな場所に行ったら、集中できずにパニクリそう。それにしても浅彫りの文様!いいですね。
  1. 2017/11/07(火) 01:04:00 |
  2. URL |
  3. otebox #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> oteboxさん
ここは、見るものが多すぎて、ちょっと大変なんですが、ロンゴバルドのすごいものがあるので、お勧めです。
この秋は、普段に増して、たくさん遊んでしまって、なんだか寄り道ばかりになってしまって、スミマセン。
  1. 2017/11/07(火) 22:41:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

浅学にしてミンモ・パラディーノなる人しりませんでした。でもとても気に入りました。いいですね。
先日はパヴィア絶対泊まりがけでいくぞ、と思い、今日はサンタ・ジュリア見逃しがあったか?と愕然。
マリア像もロンゴバルドの十字架も観ていません。その時によって展示品を入れ替えるのでしょうか?ヨーロッパ、もう少し頻繁い行けるといいのですけれど、、。
  1. 2017/11/08(水) 00:05:00 |
  2. URL |
  3. yk #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> ykさん
現代の作家さんは、知らなくて当たり前だと思います。でも、お気に召していただいて、嬉しいです!
ところで、サンタ・ジュリアですが、聖母子は、実は覚えてなかったのですが、十字架の方は、結構売りだと思います。これは、好みのもののせいか、9年前の印象も鮮明でした。ただ、展示の場所などは、変わっている可能性がありますから、見逃しもあり得ると思います。
これはやはり、北イタリア、もう一度来いよ、と呼ばれているのでは?笑。
パヴィアも、ちょっと前に紹介したように、素晴らしいものをたくさん持っているので、機会があったら、是非、お勧めです~!
  1. 2017/11/08(水) 23:02:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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