ミンモ・パラディーノOverture Bresciaその4
サンタ・ジュリア美術館、続きです。
サンタ・マリア・イン・ソライオ教会Chiesa di Santa Maria in Solaioを出ると、またこのような中庭があり、先に進むと、別の回廊に出ます。
ここも、回廊を取り囲むようにして、展示スペースとなっているので、焦ることはないのですが、回廊中庭の真ん中に怪しい姿が見えてしまっては、出ないわけにはいきません。
怪しい姿は、やはりミンモでした!
人が背負っているのは、木にしか見えませんが、これももちろんブロンズの造形です。
おっぱいがあったので、女性のフィギュアに違いありませんが、何とも立派な分厚い背中。どっしりと、母なる大地的な背中ですねぇ。
でも、離れてみる後ろ姿には、何かはかない頼りない空気をまとっている感もあるのが不思議です。
それにしても、借景が素晴らしいです。もうずっと、この場所に佇んでいる人にしか思えないしっくり感。
大きな手や、鳥の巣状に絡まっている枝にくっついている数字フィギュアは、ミンモらしさと言えるアイテム。たぶん。
屋内に戻り、見学を続けます。
古代のものが並んでいる廊下の柱頭にどかん。
左側に置かれている中世の兜、フルフェイスのタイプ、かなり好きなアイテムです。
古代や中世の発掘品と思えないこともない見た目だったりするのですが、よく見ると、いきなり顔が飛び出ていたり、何かしらの遊びがあるんですよね。こういうのがかわいくて、好き。
すぐわきに、エトルリアのかわいらしい発掘品が並んでいると、もう何が何やら、どれがどうやら、わからなくなってきますけれど、ミンモはやっぱりローマじゃなくて、エトルリアやロマネスクの系列にいる。
こうなると、普段はさらりと見るだけの古代のコインなんかも、妙に一所懸命見てしまいます。だって、どこに何が潜んでいるか、わからないし、見逃したくないし。
どうですか。古代のものも、まるで現代アートに見えてきませんか。
そんな展示の中に、いきなり道をふさぐように。
こんな壊れ物をなぜ、とさらりと見過ごしそうになったところで、同行の、現代アート、ほぼ興味なしの友人が、「ミンモじゃ~ん」と指摘してくれましたとさ。
あらら、確かに数字が潜んでたわ~!
その場の展示に、あまりにもしっくりと溶け込んでいたので、もう完全に発掘品かと…。
本物の発掘品たちも、すごいです。
こんなの、掘ればどんどん出てきちゃうタイプのものなんだろうなぁ。
ちなみに、ブレーシャは、規模的にはたいした町じゃないのに、数年前に地下鉄ができました。まぁ、中心部は小さいけれど、産業地帯でもあり、郊外に工場や倉庫がたくさんあるからなんでしょうが。
それにしても、おそらく、地下鉄工事は、さぞや難航したのでは、と想像します。ローマほどではないにせよ、でも、ローマ時代、かなり栄えていたはずなので、掘れば遺跡に突き当たるっていうことは、あったんじゃないかな。
テラコッタの破片シリーズ、さり気に連続展示。これなんかは、ミンモっぽいテイストが勝ってるかな。
数字でしょ。そして、これは手。
そして、また兜類。
一個くらいほしいもんだ、とつい手が伸びたりしてね。
なんか、この日、本当に見学者が少なかったんです。この前に訪ねたロトンダは、かなり混雑していたし、町には地元の人々も繰り出していたのに、なぜかサンタ・ジュリアは超閑散。私は二度目ですが、同行の友人は、複数回来たことがあるけれど、こんなに人がいないのは初めて、と驚いていました。
見学の順路の先々で、係員が、あとをつけてきたり、あからさまに監視しているのが、友人はうっとうしかったようですが、田舎ロマネスクに慣れている私は、独り占め大好きだし、警備員と二人きりとかよくあるので、まったく気にならず。何が幸いするか、わからないもんですね。
この、ガラスケースの展示が秀逸でした。っていうか、俺たち、あほか?の象徴的な。
この、長耳頭部って、ミンモの有名アイテムだと思うのですが、っていうか、そもそもこんなフィギュア、古代にないですよね。よく見たら、脇に手もあるじゃないか。
それなのに、二人して、完全に古代ものと思い込み、私など、あらま、あの長耳フィギュアは、オリジナルじゃなくて、こういうとこからインスピレーションを得たのねぇ、なんて思っちゃって。あほだ~!
わざとこういう展示にしたんでしょうが、どっぷりと遊ばれちゃいました。
こんなペースでやってると、一生終わらなそうだけど、ま、自分的には楽しいのでいいか。
ロマネスク・ファンの皆さん、申し訳ありませんが、時々何か出てくるので、辛抱強くお待ちくださいね~。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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- 2017/11/08(水) 06:36:39|
- アートの旅
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