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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

まさか、リゾート・スタイルのお姉ちゃんに先導されるとはね。(カバリャール)

カスティーリャ・エ・レオン、セゴビア編、その7(2016年夏の旅)

丘のあとは、ちょっとした山に分け入るような土地となり、たどり着いたのが、カバリャールCaballarという村です。




ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・アスンシオン教会Iglesia de Nuestra Senora de la Asuncion。

高台にある教会に向かう道。
車は下において、徒歩でアクセスしました。
教会前から見下ろす村は、こんな感じ。




ここは、教会よりも村よりも何よりも、忘れがたいものがあります。




教会の入り口ですが、その前にいる人たち、わかるでしょうか。




あとからわかりましたが、スマホに夢中になっているお姉ちゃんが、ここの係員で、お兄ちゃんは、おそらく彼ピーなんだと思います。ゴールデンレトリバーは、お兄ちゃんの犬らしい。みんなで、まるで海辺にいるかのようにくつろいじゃっているんです。
お姉ちゃんのスタイルたるや、これですよ。




いくらなんでも、教会守している人は、その恰好はないだろう、というスタイルで、ただただ唖然としたので、よく記憶に残っているんですよねぇ。
それも、扉にアクセスすると、「見学?あ、そう」、みたいな感じで、先導してくれるんですが、別にお金を取るわけでもなく、扉は常に全開。その上、先導してくれるからって、ガイドが始まるわけでもないんです。
ずかずかと後陣に向かい、「はい、どうぞ」てな感じで、そこに突っ立っているだけ…。すごい、素敵な教会ですね、何ぞと言っても、無理やりのつくり笑顔で、へらへらしているだけ…。
まぁ、もしかすると、この人がいないと、教会は開かないのかもしれないので、そういう意味で感謝はしましたけれど、見学中そばにいるのはやめてほしかったなぁ。

ま、それはともかく。

お姉ちゃんの後ろ姿は置いといても、雰囲気のある建物であることはわかりますよね。装飾的彫り物、なかなか見ごたえあるんです。




洗い過ぎ感は否めませんが…。この白へのこだわりは、ちょっとフランス的ですね。
開口部の側柱の、小さな柱頭彫り物は、かなり修復も入っていて、美しい様子で保存されています。




副柱頭から続く帯のモチーフが、前回の記事の教会と同じなのが、わかるでしょうか。
この辺りに広がったモチーフなんですねぇ。

他の柱頭も、力作揃いです。




表側には馬がドーンで、脇の方に曲芸の人がいますね。副柱頭の装飾的なモチーフとの対象というか、馬一頭ドーン、というのは、珍しいように思います。

こっちもまた、大型の獣一頭ドーンタイプ。




ガタイはいいけど、顔は妙に愛らしい様子で、色が入っているみたいですね。なんだろう、これ。

お姉ちゃんがぴったりと張り付いているせいで、緊張していたのか、撮影はピントずれまくりで、残念な写真ばかりなんですよ。かなり迫力のある柱頭だったように記憶していますが、この写真では、どうも伝わらなそうです。




おなじみのモチーフ、二股人魚は、顔の部分が欠落してしまっているのが残念。




かなりしっかりとした彫りをする職人さんみたいなので、人魚の顔、見たかったですね。

さて、ここでも、洗礼盤、健在です。




石の表面の傷みは残念ですが、縁取りの組紐モチーフは、完全に残っているし、足の部分の模様も、ちゃんとしていて、印象的。
組紐は、モチーフとして大好きなのですが、なかなか再現が難しくて、いまだにうまく描けません。描き方のコツがあるんですよね。以前、その手の番組で見て、とっさに紙に書いてみて、なるほど、といたく感心したことがあるのですが、とても一回見ただけでは再現はできなくて…。YouTubeとかで探すと、動画とかあるんでしょうね。




もっかい、一通り、柱頭を見て回ることに。




この武骨なライオンの、かわいらしいこと。いや、きもかわいい、ってタイプですかね。足のビスケットみたいな感じも好き。

この、アーカンサス上寝そべり動物も、たまらない愛らしさです。




おなじみのモチーフを並べている割には、ディテールのオリジナリティが高いですよね。
放置してほしかったな~。ぶれている写真が、本当に残念。

入り口の装飾は、ラ・クエスタとそっくりです。アーキボルトの浅浮彫装飾は、ちょっとアラブ風の印象もあります。




ここでも、食虫植物らしきものたちが、口をぱっくり開けて、獲物を待っていますね、笑。




外に出ると、お姉ちゃんは、お役御免とばかりに、彼ピーと犬のところに戻り、リゾート生活復活。私は、教会の周囲をぐるりと観察です。




扉と反対側。建物は、全体にとてもつまらないですけれど、一応おなじみの軒持ち送りがずらりなので、観察です。




いろんなところにちょっとずつ、変なものがいます。




でも、軒持ち送りにある彫刻は、傷みが激しいのと、テイストとして時代が下るので、面白みは欠け、ここの教会の愁眉は、やはり内部の柱頭です。

おなじみのロマネスクは、こちらへどうぞ。
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  1. 2017/11/23(木) 06:29:08|
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