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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

田舎のイカで疑似餌に遭遇(マイナー三連発!)

カスティーリャ・エ・レオン、セゴビア編、その8(2016年夏の旅)

今回は、セゴビアに行く前に立ち寄った、超マイナーな教会を、サクサクっとまとめます。
とにかく、あまりに地味で、え~、こんなはずでは~、の連続。予定していた場所を見学すると、見学中や直後に、最低限のメモや書き込みを、修行中は何よりも大事なアイテムである旅ノートに書き込むのですが、これらに関しては、それすらないっていうのが、現実を物語っています。
もうね、これは注目だわ、とか、気になるわ、とか、とにかくなかったですねぇ。

まずは、サント・ドミンゴ・デ・ピロンSanto Domingo de Pironという、ちょっとかわいらしい響きの村。




サント・ドミンゴ・デ・シロス教会Iglesia de Santo Domingo de Silos。
その名も、例の著名修道院と同じなんですけどね。




遠目には、一瞬それらしい姿にも見えますが、後陣はほとんどコンクリート化している感じだし、軒持ち送りは、装飾的な彫り物は、一個も認められなかったと思います。

前回訪ねたカバリャールからは、15分程度の道のりで、どうせセゴビアに行く道だし、ということで立ち寄ったと記憶していますが、それでも、やはり駐車して、機材一式抱えて、アクセスして、がっかりして、車に戻って機材を置いて、ナビを設定しなおして、次に向かう、という行程は、教会が素晴らしいものであっても、そうでなくても同じわけなんですよね。
いや、機材って、重めのカバンだけですけどね。でも、こういう一連の作業って、結構面倒なもんなんです。

こういう時は、あまりがっかりしすぎないように、すぐに気を取り直して、次に向かうに限ります。
移動はわずかで、到着したのは、バサルディリャBasardillaという村です。




サン・バルトロメ教会Iglesia de San Bartolome'。

ここも、なんだか塗りたくられちゃっていますが、でも、何かしらは残っている雰囲気です。後陣にある窓ですが、側柱の柱頭以外は、ほとんど新しくなってしまっているものの、薄目状態の開口部は、オリジナルを尊重していることがうかがわれますよね。




それに、柱頭は、傷みが激しいとはいえ、明らかにオリジナルで、ともかく見るべきものがあるだけで、嬉しくなります。
しもぶくれで、妙におやじっぽい顔をしてますが、大きな翼を背負って、明らかに天使。




それにしたって、不細工な天使だな~、悪いけど。




軒持ち送りだってあるんです。このすぐ下から漆喰ぬりぬりにされちゃってますが、オリジナルの石は、砂岩っぽいこういうやつだったんでしょうね。彫り物、ちゃんと残っていたら、面白いフィギュアが見られたことでしょう。
同様のことが、この小さな側壁の扉にも言えると思います。




ここもまた、地域の外の教会同様のアーキボルト装飾です。




植物モチーフや組紐の使い方、いいですよね。彫りもかなり繊細。でも、残念な保存状態です。柱頭も、無残な姿に…。




扉の前に、スロープがありますけれど、これは、工事中のために取り付けられたもの。その工事のおかげで、教会、開いていたんです。




すっかり新しくなってしまった教会ですが、外側からわかるように、もともとは三身廊の教会だった様子が、よくわかりますね。左側の身廊は、なくなってしまっていますけれど。

装飾も何もありませんが、かえって歴史を感じさせる古そうな洗礼盤がひっそり。




そして、かつては、何か彫られていたに違いない柱頭。




開いてたから、ちょっとは満足感がありました。「工事のためにたまたま入れた」みたいな状況って、ちょっと得した~!みたいな気持ちになるので、教会に、たいしてみるべきものがなかった事実が、うまい具合に相殺されたっていう感じ。騙された感じ、とも言えますが、笑。

ついでに、もう一つ行っちゃいます。
どうせ、もうちょっと大きな、ある程度の町村に行かないと、もうランチの時間だったこともあり、トレカバリェロスTorrecaballerosという村に行くことにしました。




サン・ニコラス教会Iglesia de San Nicolas。
これまでのふたつに比べると、一見、お?となりますよね。でも、全体が新しくこぎれいになっているのと、緑に囲まれて、雰囲気がよさげなためで、見るべきアイテムは、やはりほとんどないんです。

超シンプルな扉周り。




アーキボルトに、例の浅浮彫が並んでいますが、かなり浅くて、遠目では見にくいですよね。ちょっと再建ぽいしね。




後陣は、ここも漆喰ぬりぬり、前二つとまったく同じなのが、なんか脱力しますね。




これで、素晴らしい軒持ち送りにでも出会えると、世界が変わるんですが、これまた他と一緒で傷んでいるし、テイストとしてはゴシックで、あまり楽しめず。がっかり。




ただ、この教会の前に、ランチにおあつらえのレストランがありまして、これのために来たんだわ、と思っても間違いじゃないというような素敵さでした。




La Portada, Torrecaballeros

スペインは、内陸でもおいしい魚介類が食べられるのがいいですよね。メインに、小さいイカのグリル。




これ、おかしかったんですよ。ナイフでイカを切ると、なんか得体のしれないものが出てきたんです。ちょっと固いので、一瞬骨的なものかと思ったのですが、変に色のついたぷよぷよしたもの。
お店の人が、お味はどうですか的にやってきたので、これ、なんでしょう?と聞くと、彼も大困惑。
何だったと思います?
イカ釣りの疑似餌…。掃除する時に気付くよね?
いや、驚いた。お店の人、オーナーさんっぽかったけど、シェフではないようで、いや~、申し訳ない、僕も勉強になりました…とか言うから、大笑いしたんだけど。
イカは、普通に食べました。すべておいしくて、スペインの田舎にしては安くないと思ったけれど、雰囲気からして、納得のお店でした。が、疑似餌…。どうなんでしょうね?

さあ、ここまで来たら、セゴビアまではほんの10分程度です。

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  1. 2017/11/25(土) 05:42:15|
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