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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

水道橋の赤ちゃん(セゴビア1)

カスティーリャ・エ・レオン、セゴビア編、その9(2016年夏の旅)

数々のマイナーな土地を経て、やっとセゴビアに到着です。
実は、この旅の前まで、私の中でのセゴビアのイメージって、ディズニーのシンデレラ城のモデルになったお城とか。




そして、ローマの水道橋。




この二つしかなかったんです。
実際、二十年近く前に、一回だけ訪ねたことがありますが、当時、中世なんてまったく関係ない旅をしていた上に、マドリッド在住の知人のガイドで訪ねたこともあり、嬉々としてお城の観光を楽しみ、水道橋の壮大さに感激して、いかにもの観光客として、いかにもの観光をして、大満足の一日を送った記憶があります。

そんな町が、中世、それもロマネスク的に、これほどのものを擁しているなど、夢にも思わなかったというのが、正直なところです。

このときの旅では、そのセゴビアを、旅の最後の滞在地としました。
ここにたどり着くまで、比較的しょぼい宿が続いたのですが、最後でもあることだし、自分的にはちょっとだけ奮発気分で、宿も、ちょっぴりいいとこにしたんです。




Hotel San Antonio El Real
Calle San Anitonio El Real s/n, Segovia

このホテル、いわゆる町の中心部からはちょっと外れるんですが、と言っても徒歩10分弱で水道橋アクセスできるし、駐車場は無料だし、レストランあるし、ドライブ旅行の方には、超お勧めです。

パラドールではないのですが、元修道院を活用したホテルなので、全体の雰囲気がとても良いのです。




元修道院らしく、回廊を共有スペースとしているのは、いいですよねぇ。




夏だと、こういう場所で、くつろげるの、至福です。と言って、二泊したのですが、毎度駆けずり回っていたので、くつろぐ時間、ほとんどなかったのが残念ですけどね。




ちょっとした小パラドールですよね、この雰囲気。
返す返すも、くつろぐ時間のなかったことが惜しまれます。でも、へとへとになって帰って、ホテルでおいしいお食事が頂けるというのはありがたいこと。駐車も無料で、その上レストラン併設、というのは、田舎では当たり前でも、セゴビアのような、決して小さくない上に観光地でもある町においては、かなり行けてます。

お食事も、悪くなかったですよ。




結局二晩とも、こちらでいただきましたが、まぁまぁのメニューで、お値段も、納得できました。せめて宿泊客には、ちょっと割引とかあってもいいのになぁ、とは思いましたけどね。




もちろん、ロマネスク的にみるべきものがあったから、セゴビアに宿泊したわけなんですが、お城はともかくとして、あの有名な水道橋をちゃんと見る機会を得て、これは想像以上に面白かったのです。
私の中でもイメージでは、水道橋って、トップに乗せた写真のイメージなんですけれど、今回、ホテルから徒歩で町の方に向かうと、水道橋のアーチが生まれる場所、というのも変なんですが、最も有名な、今では町の中心部にそびえたつ、水道橋が最も高い場所のみならず、一番低い場所、つまりあのアーチの出発点から、一番背高になる場所までを、たどることができたからなんです。




最初は、普通の道の高さに、こうやって、溝があるんです。




この先に、町にアクセスする前に、水をお掃除する施設があり、今はもちろん史跡として残っています。水、流れてないですからね、もはや。でも、おそらくかなり近代までも、一部は使われていたんではないでしょうかね。
で、進んでいくと、町の高低差に合わせる感じで、水道橋の高さを持ち上げるような構造物が出てきます。




この辺りでは、まだ背が低いので、アーチにはなりません。
それが、町の中心部に近づくにしたがって、標高が下がるとともに、水道橋の高さを保つ必要から、構造物の高さが挙げられて、とうとうアーチ構造が登場します。




人がやっと潜り抜けられるくらいのアーチから、どんどん背高になっていくんですが、この、アーチが届くあたりの構造物、要は、目の当たりにアーチを目にして、なんだか感心しました。アーチを考え出した、当時の技術者、すごいな、と今更のようにアーチという構造に感動しちゃったんです。




単純にして完璧な構造じゃないですか、このアーチというやつ。
その上、美しい。




様々な意味で、完璧だからこそ、二千年の歴史を誇るわけですよね。




セゴビアの水道橋がすごいのは、こうやって、おそらく、近代にまで残っていた全長を、すべてキチンと修復して、きちんと保存しているところなんだと思います。場所によっては、都市計画を邪魔したりとか、そういうこともあったと思うんですが、それでも、きちんとアーチになる前の構造からきちんと残されています。




これは、本当にすごいことだと思います。

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  1. 2017/11/26(日) 07:19:25|
  2. カスティーリャ・エ・レオン
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

素敵ですね!ナイス!
何時か訪問してみたいです~~~
4週間留守をしていまして、、、
5年ぶりにアメリカに行っていたのですが
急遽、14年ぶりに日本にも行くことになりまして
気がついたら地球を一回りしていました!
移動中はPCもTVも見ませんしガラケーもきりっぱなしで

ええっといろいろ楽しいロマネスクまた拝見いたします!
  1. 2017/11/26(日) 10:48:00 |
  2. URL |
  3. Atsuko #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> Atsukoさん
アメリカに行ってらっしゃるご様子、ブログで拝見していました。ついでに日本ですか。長旅でしたね。
14年ぶりとはすごいです。

楽しんでいただけているなら、私も嬉しいです~!ありがとうございます。
  1. 2017/11/27(月) 22:47:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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