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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

地元職人さんと、お雇いマエストロ?(サン・ペドロ・デ・ガイリョス)

カスティーリャ・エ・レオン、セゴビア編、その24(2016年夏の旅)

次に向かった村、サン・ペドロ・デ・ガイリョスSan Pedro de Gaillosは、なんだかとっても普通の町っていうたたずまいなのですが、そこに普通然として佇む教会は、美しいものでしたよ。




サン・ペドロ教会Iglesia de San Pedro。
村の中に、普通に建っているんです、本当に普通な感じで。それが、なんかとってもよい感じで。
だって、見るからに、いい面構えでしょう。

ススキみたいな植物が生えちゃっている後陣ですが、決して、放置されているなどということはなく。




軒持ち送り、傷んでいますが、それなりに修復は施されている様子です。
全体にずんぐりむっくり系ですが、でも、好き。




わたしだけじゃなくて、この子たちも、好きみたいだった、笑。




それにしても、やっぱり、かなりのずんぐりむっくり系だよね。ちょっと妊婦さんのお腹状態っていうか。




その全体のぽってり感になじむ感じで、開口部も、背が低くて、その割に、側柱の柱頭がデカかったりして、ずんぐりむっくり感を増幅している気がします。置かれている位置も、半端に低い感じだしね。




開口部の薄目状態は相変わらずです。

軒持ち送りのアップ。




アクロバティックな人たちとかなんだけど、かなり溶けちゃってるのが、残念です。市松帯もいい感じに朽ちてます。

目ざとい人は、最初の写真でわかったかもしれませんが、ここ、残念なことに、本堂への扉どころか、ポルティカーダも鉄柵で閉ざされておりました。




この、手前にぐっとギザギザの、ギザの部分が突き出ているタイプの帯装飾は、結構あちこちで見ますが、勝手なイメージとして、イスラムっぽい感じがしています。イタリアでは見ないように思うし。どうなんでしょうかね。




鉄柵の間から、本堂の扉装飾を確認です。




いかにも好きなタイプなので、近寄れないのが残念。
特に、アーキボルトの一番内側のアーチの彫り物は、なんだかいろんなモチーフがずらずらと並んでいて、楽しいし、珍しいと思いました。




お干菓子用のお菓子の型みたいですよね。




アーチの根元にある柱頭は、かなり損壊が激しくてがっかり。
ポルティカーダの方はどうかというと。




とにかく、内側にアクセスされないための保護はすごい。アーチの間まで、執拗に鉄柵って、見たことない気がします。よほど、何かあったんでしょうかね、過去に。




なかなか細かい彫りが残っています。
副柱頭の、植物と幾何学模様交じりの帯模様は、他でもありましたね。このあたり、やはり地域的には狭いので、共通するモチーフが多いように思います。同じ職人さんが、あっちでもこっちでも活躍してたのかな。

上の鳥は、羽根の一本一本まで、かなり細かい仕事なのに、こちらは、大雑把な感じのアーカンサス。




結構高めの仕事の職人さんと、地元の、ま、そこそこはできるかも、程度の職人さんと、混ざっているような?

こんなん、アーカンサスの職人さんの仕事とは絶対思えないもんね。




本堂どころか、ポルティカーダの内側にすらアクセスできなかったのですが、ここはよい教会でした。外側だけで、十分満足でした。

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