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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

こういうぎちぎち、好みだな~(セプルヴェダ2)

カスティーリャ・エ・レオン、セゴビア編、その26(2016年夏の旅)

セプルヴェダSepulveda、続きです。
坂の途中に張り付いているような、ムデハルの教会。




サンチャゴ元教会。Iglesia de Santiago。
もと、というのは、ここはすでに教会ではなくなっているからです。
近所を流れているDuraton川の成り立ちとかそういうものを展示した教育施設として使われていますが、構造は、教会のまま、残しています。




と言っても、10世紀という創建当時の姿が残っているのは、このムデハルの後陣くらいなのだと思います。他は、結構修復の結果、すべすべの新しい建物になっています。内部も、近代的な内装になっていました。

しかしこの村、小さいけれど、高低差は激しいし、建物がぎっしりで見晴らしがきかないし、地図も持っていたのに、結構迷いました。




こういう風に、塔なんかが見えても、簡単にはたどり着けなかったりするんですよね。相当体力使いました。とにかく行ったり来たり、迷いながら歩くしかないんです。

そんな感じで、登ったり下りたりの挙句、やっとたどり着いた、村の最北端にある教会。




ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・ペーニャ教会Iglesia de Nuestra Senora de la Pana。
村の壁をちょっと外に出た、整備された公園の中に建っていますが、創建当時は、おそらく、何にもない土地だったと想像します。

まずは中に。




おお!いかにもスペインって感じの、黄金のレタブロが、後陣に張り付くように置かれています。こういうのは、14世紀以降のものと思いますが、その時代に、繁栄した教会だったのですね。
でも、ひるむ必要はなくて、ちゃんとロマネスクの時代のものたちも、迎えてくれます。




素朴なダニエルさん。
腕を引っ張られていますね。

また、騎士がいました。これも、この辺り特有のモチーフって感じがしますが、どうなんでしょうか。




素敵なあみあみ装飾も。




そして、これまたおなじみのケンタウロスたちも。




そして、大好きなサムソンらしい人も。




でも、ひげ面…。サムソンは、若々しい長髪の、リンゴほっぺの美丈夫であってほしいんですが、ひげ面…。

内部はこんな感じ。
外に出て、ポルティカーダに守られた、本堂への扉口へ。




ちょっとすごい感じですよ。ぎっしりです。
タンパンには、アーモンドには見えない、四角い枠にキリスト、その周りに四福音書家のシンボル。アーキトレーブには、クリスモン。そして、タンパンを取り巻くアーキボルトには、おそらく最後の審判の長老たちが、ずらりと、ちんまりとぎちぎちに並んでいます。なんという盛りだくさんぶりの彫り物!




人物以外は、結構な浅浮彫ですが、よく残っています。




一つ一つ、好きっていうタイプでもないんですが、壮観です。
背の低い場所に、クリスモンに合わせて、それなりの大きさの人物フィギュアをはめ込むために、みんな中腰っていうか、うさぎ跳び状態の体勢になっているのが、なんかいい~!
福音書家たちも、スペースの制約の中で、何とか姿勢を探してるっていうか。




マッテオさん、マルコの背中に乗っちゃってますね。

こういうの見ると、ロマネスクって、実にスペースありきで成り立っている芸術だなぁ、と実感します。イメージやデザインは、制約を解き放されて、それまで、どこでもここでもアーカンサスだった柱頭に、聖書の場面や変なフィギュアを彫りだして、でも、勿論、場所の制約からは離れることはなく、教会に存在するスペースありきの中で発展したのが、逆に、個性や面白さを生み出している感じもします。

ぎっちぎちに並んでる人たちは、それぞれ、表情もしっかりしています。




この場所だったら、下、せめて正面を向いていたら、もっと顔もみやすいんですが、みんな揃って上を見上げています。




重くなりそうなので、一旦切ります。

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  1. 2017/12/27(水) 01:45:04|
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