カスティーリャ・エ・レオン、セゴビア編、その29(2016年夏の旅)
昨年末に、切りよく終えようともくろんでいたのに、どうしても無理で、間が開いてしまって間抜けですが、あともう少し、過去の修行旅にお付き合いください。
セゴビア地域、そろそろマドリッドの空港に向かいつつ、高速に入る前、最後に通り過ぎる道すがらで、駆け足で訪ねた村、エル・オルモEl Olmo。
ナティヴィダ・デ・ヌエストラ・セニョーラ教会Iglesia de Natividad de Nuestra Senora。
一見すると、もう本当に何の変哲もない教会です。
わざわざ、ここを目指して行ったら、ちょっとがっかりしちゃいそうな、そういう感じ。でも、完全に通りすがりだったし、その上、本当に集落と言っていいような小さな村だったので、教会を探す苦労もなかったため、ふーん、と当たり前のように受け入れることができました。
塔の片隅に、ちょこんとコウノさんのお家が見えますが、残念ながらお出かけ中でした。
期待できそうもないたたずまいなんですが、意外にもかわいいアイテム満載で、立ち寄った甲斐があったんです。
すべてが地味なんだけど、好きなタイプの扉口装飾。
石灰岩系または凝灰岩系ですかね?すすけた感じの黄色い石に、地味な繰り返しモチーフの彫り物が、何となしに好みです。
そして、なんと言っても愛らしい軒持ち送りの数々。
どのフィギュアの周りにも、もれなく一個か二個の燕の巣があって、これは傷む、とわかるんですが、結構それなりにキチンと保存されているところを見ると、おそらく、お掃除しても、毎年必ず巣作りがされちゃうって場所なんでしょうね。びっしりです。
渡り鳥は、勤勉だよね。
そんな勤勉な方々をしり目に、千年から、こういう間抜け面で、ここにいるのか、と思うと、ご苦労様です、とねぎらいたくなるような方々が、こっちもびっしりで、笑。
テイスト的には、時代が13世紀とかに下るのかな、とも感じますが、いずれにしても、一つ一つが、独創的です。
動物の頭部がたくさんあったけど、一様に、顔の真ん中が破損。人のフィギュアの破損はありがちだけど、動物の顔の破損が一様にあるというのも珍しいな。
塔へアクセスする、こういう階段すら、かわいい!
すべてがちまちま小さくて、ダリの家を髣髴とするようなサイズ感なんですよね。人形の家っていうか。塔の入り口も、小さいケースが多いのは、やはり重量に対して、大きな開口部が難しかったということなのかな。今更ですが。
すべて素朴で地味で、プリミティブで、いかにも地元の石工さんや職人さんの作品だと思われるのですが、それが逆に風景ともしっくりして、ここは、楽しかったです。
こういう地味な教会の場合、何が自分の琴線に触れて、好きなのかがっかりなのか、現場に立ってみないと絶対わからないっていうのが、面白いというか、厄介。
同じようなものでも、がっかり感が先にたつケースもありますからね。
ここは、好みでした。めでたし、めでたし。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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- 2018/01/23(火) 06:32:22|
- カスティーリャ・エ・レオン
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| コメント:2
> Atsukoさん
いよいよ、旅立ち、ですかね、笑。
スペインの田舎の教会は、本当に良いですよ。たたずまいが、いいんですよね。フランスも、ディテールはいいんですけれど、たたずまい的には、スペインの方が好みですね~。
- 2018/01/25(木) 22:34:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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