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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

まずは軽くジャブ、的な(オーリア)

2017.04.プーリアの洞窟教会巡り、その1

さぼりつつも、それなりにコンスタントに記事を書いているつもりではあるのですが、一度ためてしまうとなかなか追いつけなくて、プロローグの記事をアップしてから、ずいぶんと時間がたってしまいました。昨年4月、イースターのお休みを利用して訪問したイタリア南部、プーリアの旅、アップします。

本当は、2016年の旅の残りもまだあるのですが、たまにはイタリアの中世もさらっとかないと、ブログのタイトルもまがい物になっちゃうようなとこもありますので…。

というわけで、プーリアです。

プロローグでも触れましたが、この旅は、前回、2010年にプーリアのロマネスク・カテドラルを巡る旅をした際に、確かバーリの書店で、たまたま入手した、この薄っぺらい本に触発されて企画したものです。




2010年の旅は、電車やバスを使って移動していたので、この本で紹介している、どう考えても町中ではなくて、とんでもない場所にあるだろう洞窟を訪ねる旅など、いつかできる日があるのかなぁ、と遠い目で考えていたものですが、時間はたったものの実現したんだから、感動的です。
そもそもこの本を買っていなかったら、おそらくこういう旅を思いつくことはなかったと確信できますので、やはり出会いは大切だし、興味のある資料は、入手しとくに越したことはないですね。

この本の地図が、シンプルでわかりやすいので、全体図を載せます。




洞窟教会は、地図上で、教会マークのところにあり、プーリア全般に広がっていることがわかります。主に、ビザンチン起源ですが、今に残されている構造やフレスコ画は、10世紀から14世紀ごろと、場所によって幅があります。

今回は、三泊四日という限られた時間のため、全部を回ることはできません。
まずは洞窟教会よりも、中世探訪の観点からは、一度は訪ねたかったオートラントを必至の行き先として、あとは限られた時間で回れるだけ回る、という考え方で、予定を立て始めました。
という前提から、目的地を、プーリアの南部半分地域に絞り、地図で言えば、この辺りを回りました。




まずは、ミラノからブリンディジBrindisiに飛び、はるばるフランスからいらしたロマネスク友達と合流。レンタカーで、向かったのは、オーリアOria郊外です。

オーリアそのものは、中世の町で、それなりの観光地ではあるようだったのですが、町の周辺をかすっただけで、素通り。いつものことながら、観光地無視の修行旅です。

ブリンディジから比較的近くに、サン・ヴィート・デイ・ノルマンニSan Vito dei Normanniという町があり、本来はそこの洞窟教会に興味があったのですが、やっと通じた町の観光協会との電話で、「今は修復中で完全閉鎖しています」ということだったので、そこはあきらめた次第。サン・ヴィートも面白そうなので、いつか訪ねてみたいものです。




マドンナ・ディ・ガッラーナ教会Chiesa di Madonna di Gallana。

田舎のオリーブ畑を縫うような道を進み、ちょっとした集落の一角にある、起源が7世紀とか8世紀とか、相当に古い教会です。
ここは、ネット等で情報を求めたものの、連絡先初め、何一つわからなかったので、当然入れることはありえないと想定していましたが、完全に私有となっているようでした。




後代の手が入っている部分も多いようでしたが、なんとなく古い時代の雰囲気も感じられ、せめてもうちょっと全体像が見えるようになっていれば、と残念な状況です。同じ敷地に住居があるようでしたが、オーナーさんは留守のようでした。

脇の部分の下の方に見えたアーチ。




これは、古い構造のようです。石色も、上部の構造とは違うものとなっていますね。
内部には、フレスコ画があるようですが、14世紀のものということは、それは興味の範疇外ですが、構造は見てみたかったですね。

ほぼ想定内の状況ではあったので、こうやって、すんなりとアクセスできて、外観をちょっとでも拝むことができただけで、割と満足感がありました。




同好の友人たちも、ロマネスクの病気度合いは結構ひどい方々ですから、「なんでこんな地味なところに~?」という疑問や怒りはなくて、何もない中で、何かないのか探そうとするのが、同じスタンスだったので、楽しかったです。

このあたり、これ以外にも、いくつか10世紀より以前の教会があるようなんですが、もしかすると、どこもこういう状態になっているのかも。きれいに保存しているところを見ると、おそらく助成金とか出ている話と思うのですが、それなら公開してほしいもんです。

同じ並びの人の家の庭で、ヒヤシンスみたいな美しい花が満開でした。




同行者が花に詳しくて、確かライラック、と教えてくれたような。
蝶も蜂もぶんぶんして、よほどおいしい蜜があるんでしょうねぇ。

この後、初日のイベント、洞窟ガイドツアーへと移動します。

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  1. 2018/01/28(日) 02:40:17|
  2. プーリア・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

No title

わお、イタリア!昔、妻とブリンディシ、レッチェまで足を延ばした時街なかのバロックの教会に興ざめだった事を思い出しました。当時は調べもせずマテーラやアルベロベッロを有難がっておりましたです。反省。
  1. 2018/01/28(日) 00:29:00 |
  2. URL |
  3. otebox #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ライラック、、、リラのことですね!
地元にも沢山咲きます!
もの凄く甘い香りの漂うお花です!

イタリアの本は買いそびれました!
後で作者の3部作だったことに気がつきました!

ナイス・ポチ!
  1. 2018/01/28(日) 00:48:00 |
  2. URL |
  3. Atsuko #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> oteboxさん
そうですよね、私も、そんなでした~!
今回旅した洞窟教会は、ビザンチンどっぷりで、本当に驚きでした。ビザンチン関係でも、あまり取り上げられていないのが残念なくらい、素晴らしかったんですよ。
  1. 2018/01/28(日) 22:46:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> Atsukoさん
そうです、リラ。認識してみたのは、初めてかも。花はなかなか覚えられなくて~!
春は、花も楽しめて、旅には楽しい時期ですよね、つくづく。
  1. 2018/01/28(日) 22:47:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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