2017.10.グラッパ合宿、ピエモンテ編1
また恒例の寄り道です。
すっかり遅くなってしまったのですが、グラッパ倶楽部の記録係としては、アップしとかないわけにはいかないので、春の旅の前には…、ということで、ここらで。
最近は、合宿の軌跡がわかりやすいように、絵日記にまとめますが、それはすでにちゃんとできています。今回の合宿は、こんな感じでした。
この秋もまた、今年のグラッパが仕込まれる時期、そして、アルバでトリュフ祭りが催されている時期のピエモンテです。グラッパの旬でもあり、食い倒れの季節でもあるのも、またいつものことです~。
以前訪ねた蒸留所を再訪したり、初めての蒸留所にトライしたりで、また出会いと発見がありました。合宿の回を重ねても、新たに出会う蒸留所は尽きることないし、情熱的なグラッパ職人さんとの出会いも、またしかり。
今回は、いつに増して、食に恵まれた感が強く、満足感も高かったです。
特に、宿泊したアグリツーリズモが大変良かったので、来年早々にも、来年の予約をしてしまおうか、という勢いです。
では、サクサクと記録していくことにします。
日程は、10月後半の週末、金曜から日曜まで。他都市在住の友人たちとは、ミラノ南部の田舎町の駐車場で落ち合い、私は自分の車をそこに放置して、彼らの車に同乗して、いざ、出発です。
二年前でしたか。乗り換えの際に、自分の車のキーをトランクにさしたまま出発してしまい(私の車は、トランクを開けるのにキーがいる古いタイプ)、1時間以上も走った後で気が付いて、後戻りした、不吉な記憶のある駐車場なので、指さし確認怠りなく…。
最初に訪ねたのは、二年前に訪ねて以来の、蒸留所、サン・トマソDistilleria San Tommaso Srlです。
Distilleria San Tommaso Srl
Reg.Guatrasone 100, Localita' dell'Arzente, San Salvatore Monferrato (AL)
未亡人、我々のことをなんとなくは覚えていてくださったようです。前回は、上のガラス張りの蒸留所の見学をさせてもらいましたが、今回はそこは端折って、試飲をお願いしました。前回は、倉庫内にある事務所の一角だったのですが、今回は、工場のお隣にあるレストランに案内されました。
前回は、ちょうどお昼時に立ち寄ったので、このレストランを勧められて、ランチをいただきましたが、このレストラン、蒸留所の所有するものだったんです。
すごくお洒落でおいしいお店です。前回の記事は、こちらです。
サン・トンマーソ建物の前には、樹齢100年にもならんとする洋ナシの木があり、果実がゴロゴロ落ちていました。
一個拾っていただいて、家に帰ってから味見してみましたが、すっごく自然の梨で、そのままではおいしく戴けるものではありませんでした。ジャムとかコンポートにしたら、ちゃんとおいしいと思います。
さて、試飲です。
前回は、3本買って帰り、うち1本を、この頃、ちょうど開けたばかりでした。そして、やっぱりおいしい、と思ったので、何かしらは持って帰りたいけれど、なんせまだほぼ3本が残っているので、控えめに。
試飲の結果、前回は香りがよくて飲み口のいいガヴィやマルバジアをいただいたので、今回は正統派のブドウ種バルベラのビアンカをいただきました。20ユーロなり。
帰宅後、他2本は、立て続けに開けて、簡単に飲み切ってしまいました。丁寧に作っているグラッパ、という感じがします。作り手の皆さんも、とってもソフトで、いい印象を受ける蒸留所です。そういえば、前回は、夫を亡くして沈んでいる印象だった未亡人、今回はすっかり元気で、こちらも嬉しかったです。
さて、この後も、再訪の蒸留所です。
Distilleria Pietro Mazzetti
Via Conte Calvi 31, Montemagno (Asti)
2014年に訪ねた時は、記事にあるように、当主のマシンガントーク、結構楽しかったし、作り手としての情熱も感じられて、これから成長していく蒸留所なのかという印象を大いに受けたのですが、今回は、非常に寂しい訪問となりました。
当主のご両親が、最近、老人ホームに入られて、世話もコストも、いかに大変であるかという話から始まり、試飲に至るまで、どうもパッとしない話題ばかりながら、例によってのマシンガントーク炸裂。
やっと試飲をさせてくれることとなったものの…。
長靴グラス~!
これにはまいりました。試飲歴長いですが、チョコレートでも入っていたみたいな長靴グラスの試飲は、ありえないでしょう。いやはや。これだけでも、やる気のなさというか、情熱が違う方向に行っている様子が明らかです。
こういうのも作っている、と見せてくれたのが、スパイス的な香草がたっぷり入っている蒸留酒。
エルメスが、何かの記念のブックを作った際、このボトルの写真が採用されたということで、大事に保管されたそのブックを見せてくださったけれども、なんだか、生産者としては、そこじゃないだろう?というか、商売は大切ですが、モノづくりから離れてしまっている感じが、本当に寂しいものでした。
それでも、商売には熱心で、あそこでああした、ここでこうした、という売り上げに結び付く投資的な話は、次々と出てきます。でも、試飲は、長靴グラス…。
今回は、空手で引き上げました。お邪魔したお礼の意味も含め、同行者が一本購入。もう今後は行くことはないでしょう。こういう変化は悲しいですね。
唯一ありがたかったのは、彼が教えてくれた地元のレストラン。
Osteria L'Antico Granaio di Binello Antonio
Via Roma 81, Calliano
www.osterialanticogranaio.it
入り口を入るとバールのような体裁なので、ええ、これ~?とがっかりしたのですが、レストランは地下にあり、小さいけれど、とてもかわいらしい内装でした。
奥のテーブルにどっかり座っているかなりおデブな方がオーナーシェフのようでしたけれども、その息子さんが給仕をやっていて、とってもしっかりとかわいらしくて、サービスもすごくよかったんです。
ワインリストには、地域のバルベラが、3ページにもわたって並んでいて、困惑する我々に、息子が勧めてくれたのが、このSulinでした。なんと13ユーロという良心的なお値段。バルベラ・ディ・モンフェッラートは、勿論もともとリーズナブルなワインではありますが、レストランで13ユーロという値付けは、嬉しくなりますし、その価格以上においしかったと思います。
私の頼んだイノシシの煮込みポレンタ添え(だったと思います)にも、ピッタリ。どのお皿も、見場はいいし、お味、よい上に、田舎値段で、嬉しいお勧めレストランです。
一発目のランチが、こうやって楽しめると、期待が高まります。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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- 2018/02/04(日) 04:23:31|
- グラッパ
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タイトルに惹かれて早速、覗いて見る事に!
おはようございます。
目覚めて夜明けを待っています。
長靴型のビールグラスはドイツで良く見ました。
6個セットのお土産品もありました。
エンブレムが入って居たので、記念にひとセット買って来ました。
日本の猟期はもうすぐ終わりますが・・・・・・・
ハンターからの猪肉を期待して居るのですが、まだ手元には届いていません。
- 2018/02/03(土) 21:32:00 |
- URL |
- 古道具屋<山下亭> #79D/WHSg
- [ 編集 ]
> 古道具屋<山下亭>さん
おなじみ、グラッパの話題で、失礼しました。
いつか、山下さんのお店を訪ねることがあったら、お土産はこれで決まり!ですね。
イノシシ肉、また届くとよいですね。ジビエ系は、冬の寒さに向く気がします。
- 2018/02/04(日) 19:45:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
- [ 編集 ]