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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

情熱の職人さん、なぜに妖精…?

2017.10.グラッパ合宿、ピエモンテ編3

秋の合宿では、高揚したブドウ畑を楽しむことができます。
一夜明けて、美しい朝。




どこまでもどこまでもブドウの葉が色づいていて、絵も言えぬ美しさでした。

さて、この日は、初めて訪ねる蒸留所が、最初の目的地となります。




Distilleria Castelli Giuseppe
Corso L.Einaudi 55, Cortemilia (CN)
www.distilleriacastelli.com

看板の脇に、狛犬のような立派な獅子がすっくと立っていますが、実際は普通のお家みたいな。




玄関口は開いていましたので、こんにちは~、と言いながら入った中も、なんだか普通のお家の、ちょっと雑然とした居間のような。




誰も出てこなくて、困ったな~、と思っていると、ずいぶん経ってから、あ、いらっしゃい、とオーナーさんが出てきました。




かなり忙しそうで、出たり入ったり、試飲も、手酌で勝手にやってくれる?みたいな、おおらかな対応でした。数種類、試飲させてもらったのですが、アルコールがガツン!と来るタイプで、残念ながら、我々にはちょっと合わなくて…。同行者は、訪問記念で1本購入しましたが、私は空手で辞去。

面白かったのは、あとから出てきた奥様。
トップの写真をよく見てもらうと、グラッパに混じって、というより、テーブルの中央に置かれているのはタイヤです。
この部屋の一角にも、レーサーのスーツとか、ラリーの車の写真などが展示されていたんです。
このあたり、結構有名なラリーなんかも開催されている地域ですから、もしかして身内に関係者がいるのかと思い、尋ねてみると、奥様頬を染めて、「私、このレーサーの追っかけやってるんです~!」ということでした。それはそれはうれしそうで、グラッパのことよりも、ラリーの話をしたそうな様子でした。
何かに夢中になっている人って、親近感を覚えて、それだけでうれしくなっちゃうな~。
でも、グラッパ、残念でしたけど。

この次は、結構ロング・ドライブをして、これまた初めての蒸留所に向かいます。




Distileria Sancarlo
Strada Morandino 5/6, Celle Enomordo (Asti)
www.distilleriasancarlo.com

住居の敷地内に、離れのように建っている、超ミクロな蒸留所ですが、ここのオーナーさんの情熱にはやられました!




足の踏み場もないという状態なんですが、樽やホースや蒸留器の間を縫うようにして、作業をしています。生産量はさほどじゃないようですが、色々と新しいトライアルなどもしていて、商売というよりも、趣味の延長でやっているような、そういうタイプの蒸留所。ガイドと言っても、そこで見渡せばおしまい、というような場所ですが、熱心に丁寧に、作業工程をレクチャーしてくれました。




どの隙間にも、何かしらぎっしりという場所なのですが、手すりがアールヌーボー調だったり、内装にも凝っているのが、印象的でした。隠れ家みたいに素敵な蒸留場所です。

蒸留器械に取り付けられていたプレート。




「職人技術に従って、我々は、サンカルロ蒸留所のためだけに、この設備を手作りで実現しました」という、シエナにある器械製造者によるプレートみたいです。シエナのモンテリッジョーニ(中世の小さな小さな村です)に、こんなものを作る工場があるなんて。なんかしっくりしすぎです。




10月末でしたが、クリスマス向けの瓶詰を始めているところでした。かわいい!




でも、普通のボトルはこういう形で、ラベルが、改良の余地あり、と思われました。どれも、妖精っぽいフィギュアと花、っていう子供の絵本のようなイラストなんですけれど、グラッパに子供の絵本的イラストはどうよ?と思いますし、作り手の情熱が伝わらないような気がしました。奥さんの趣味かなぁ。

生産量が少ないだけに、お値段設定は若干高めです。ということで、1本だけ購入。




ね、こういうラベル、ちょっと違いますよねぇ。
バローロのバリックもの(5年くらい)ですよ。それにこの妖精ちゃんはないだろう?と、思うんですが。
お会計も良心的で、お値段もおまけしてくれちゃいました。

そして、ちょうど昼時だったので、近所のレストランをお伺いして、辞去しました。




Ristorante Da Mariuccia di Strocco Franco e Valente Maria
Strada Protomorone 38
Frazione Protomorone, Tigliole d'Asti

田舎のレストランにあり勝ちの、だだっ広くて、大家族の集まりもオウケイ(実際、大家族が大きなテーブルを囲んで食事していました)、結婚式もオウケイといったタイプのレストラン。内装にこれといった特徴もありませんが、清潔感漂うお店です。

バルベラ・ダルバで、乾杯です。




バルベラは、モンフェッラートの方が庶民的で飲み口は軽いのですが、やはりアルバのものがおいしいです!
軽く前菜をいただいて、同行者は赤ワインのリゾット。




そして私はポルチーニのタヤリン。




日本だったら、少なくとも二人前、下手すると三人前行けそうな盛り!でもおいしくて、ぺろりといただいてしまいました。
食後に、ブネを一人分頼んだら、これまたどっさり!




見た目は、ちょっとなんですが、おいしいブネでしたよ。
たいしたオーダーはしてないとはいえ、三人分、ワイン1本で、お会計42ユーロ。これはミラノではありえないお値段で、感激しました。

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  1. 2018/02/06(火) 06:44:51|
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