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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

フィギュア・スケート世界選手権 in Milan 2018

またまた寄り道で恐縮です。
再開したばかりで停滞していたのは、ミラノで開催された、フィギュア・スケートの、世界選手権観戦のためでした。




ジャンプの区別もつかないレベルなものですから、恥ずかしい限りですが、フィギュア、好きなんですよね。このブログでも時々思い出したように、「実は好きなんです」レベルの記事を書いていますけれど、そういう、かなりミーハーなレベルで、細く長く、見ています。だから、ミラノで、世界選手権となると、やはり押さえとかないと、っていうレベルのミーハー度はあるんですよ。

仕事的にも年度末なので、お休みを取ってまで、というのはなかったのですが、お休みを取らなくても観戦できる、金曜日の午後から土曜日、どっぷりとつかってきました。




今年は冬季オリンピックがありましたから、チケットを手配するときは、実際に誰が来てくれるのかは賭け、みたいなところがありました。それでも、羽生結弦選手やハビエル・フェルナンデス選手を期待して男子フリー、応援するカロリーナ・コストナーの女子フリー、そして、アンナ・カッペリーニとルカ・ラ・ノッテのアイスダンスのフリーのチケットを、シングル・チケット発売と同時にゲット。
ところが、オリンピックを終えて、期待していたゆづ、さらにはハビエルまでも来ないことになり、若干テンションが下がったり。

でも、カロリーナはいるし、アンナはいるし、やっぱり、当日が近づくにつれ、徐々に気持ちは盛り上がってきました。そんな中、カロリーナが、ショート・プログラムでトップ発進、なんていう現実にも後押しされて、徐々に気持ちは盛り上がりました。

でね、結果から言えば、号泣状態ですよ~!




泣けたのは、まずは、カロリーナ。
やっぱりこの人は、アートだ~!

今回、ショートが神演技だったと思うのですが、フリーは、ジャンプのほとんどで回転不足を取られたり、点が伸びなかったのです。それでも、フリーのプログラム、「牧神の午後」の芸術的な美しさは、まさに、フィギュアスケートのアーティスティックな側面を体現する、素晴らしいものだったと思います。

この世界選手権で引退か、と取りざたされている現状で、彼女をトリノの惨敗時代から見ている人の誰もが、ここに至るまでの彼女の道筋に思いを馳せないわけにはいかず、それだけで、もう涙目になっちゃうんですよねぇ。
トリノの頃の彼女は、「強化費とか使って海外で練習とかしているくせに、この程度しかできないのか」的なバッシングされて、でも、それにひるまず、「今に見ていろ、私は負けない」的な激しい発言をしたんですよね、まだ、下手だったイタリア語で!すっごく印象的で、この人はすごい!絶対有言実行タイプだろうな、と、すごく楽しみに思ったんですよ。きっと、他の多く人も、そうだったんじゃないかと思います。




そして、本当に、その通りになりました。カロは、今は国民的なレジェンド。世界に誇るアイスリンクの女王となりました。

ショートで神演技をしたわけですが、フリーでは、残念ながら、回転不足など、テクニカル部分の完成度が足りずに、点を伸ばせませんでした。
それでも、ライブで見る彼女の美しさは、常に半端なく、ただ、そこで滑っている彼女を見ているだけの喜び、幸せ。これは、この稀有なスポーツをフォローしている人だけが知る感覚かもしれません。




もう、この時点で、お点はどうでもよくなります。
彼女が、現役を終えた時、どうするのかは知りませんが、できることなら、ずっとカロ本人を支えたローリー・ニコルズのような、カロ本人が目指している美を追求するような、振付家になってほしい、というのが、個人的な望みですねぇ。
フィギュアスケートの場合の振付が難しいのは、自分が目指す世界観を共有できる選手に出会わないと、振り付けが生きないであろう、ということですね。ということは、スケートのコーチもしないとダメかもねぇ。

今回、自分でもちょっとびっくりしたのが、アイスダンスで、もしかして今回引退かも、というイタリアのカップル、アンナ・カッペリーニとルカ・ラ・ノッテの演技に、カロのとき以上に、泣けてしまったことです。




彼らのストーリーは長くて、すでに、過去に、世界選手権金メダルを取っていたりもするのですが、とにかく氷上にドラマを作り出す表現力はピカいちだと思うんです。




そういう二人が、今シーズン選んだのが、ロベルト・ベニーニの映画、La Vita e' Bella (Life is beautiful)。映画の世界観を、このフリー演技の短い時間に凝縮して、見事なまでに表した振り付けだったと思います。
オリンピックでは、技術的なミスがあり、点が伸びなかったのですが、今回は、とにかく完璧な演技で、テクニカル的にも、おそらく文句なし。その上に、この確固たる世界観を表した演技力…。
映画の美しい音楽にも誘われて、観戦後、涙がこぼれてしょうがなかったです。
だけど、残念ながら、4位に終わりました。

3位との差は、なんと、0.27。テクニカルの詳細がわからない私には、何も言えませんが、正直、納得できない結果ではありました。




でも、彼女らの気持ちは、演技にしっかりと出ていて、観客の多くにもしっかりと伝わって、もうそれでいいんだ、という選手本人たちの気持ち。それでいいんですね。

もひとつ見たのは、男子フリーですが、ここまで転倒の嵐という大会もないですね。
日本人的には、ピンチヒッターで出場した友野選手の検討に、ただただ、嬉しく感動いたしました。




大健闘ですよね。
今後が、大いに期待されます。

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  1. 2018/03/26(月) 06:33:47|
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