2017.04.プーリアの洞窟教会巡り、その12
マテラの旧市街にも、たくさんの洞窟教会がありますので、そのいくつかを回ってみました。最初に訪ねたカテドラルで、共通入場チケットを販売しており、もともと訪ねようと思っていた教会も含まれていたので、それを購入してしまったのです。
つまり、カテドラル以外の、主な教会は、有料ということです。
すでに過去の記事でも触れていますが、私が以前訪ねたころは、すでに観光地ではあったものの、まだ、実質的な観光地としての体裁は整っていなくて、旧市街の洞窟教会などは、ほとんどが放置されていたものと記憶しています。
勝手に教会守やっています、といったような、よくわからない人に案内されて、入った教会もあります。わざわざ高台の教会に案内してくださったので、志しを渡したら、「この石は、壁から落ちたもので、ほら、色がついているだろう。お土産に持って行け」などと、本当かどうかはわかりませんが、フレスコ画のかけらかもしれない石を押し付けられたことが、強烈な記憶として残っています(石など自然のものを、あるべき場所から動かすのはよくない、と昔誰かに聞いたことがあるので、それは、そっとその場に置いてきましたけど、今思うと、もらっとけば、お宝だったかも?)。
それが、この、不思議な教会。
サンタ・マリア・デ・イドリス洞窟教会Chiesa Rupestri Santa Maria de Idris。
家々の情報に、にょきりムクムクしている岩の中にあります。
昔は、岩がゴロゴロした廃墟状態だった場所が、高台の展望台のように整備されて、今は立派な観光地です。マリオおやじ、どうしたのかなぁ。
残念なことに、旧市街の有料教会は、すべてにおいて、固く撮影禁止です。これは、今どき、まったく納得できない措置ですねぇ。フレスコ画を盗むことは難しいし、写真撮影禁止の意味は、不明ですねぇ。
ただ、絵の時代は、結構下るし、絵的には、好みではないので、すごく悔しい思いはないんですが、でも、なんか納得できないものはあります。
教会の建物の回り、というか、教会を含む岩をぐるりとすることができて、ちょっと地球外的な、スターウォーズ的な、不思議な岩の風景を楽しむことができるのは、マテラらしいかもしれないです。
ボコボコした砂岩風。やはり、火山岩ということなんでしょうねぇ。掘るのが、比較的簡単だから、切り石で建築するより、岩を掘る、ということになったということなのかな。
回った順番とは、異なりますが、次はこちら。
サン・ピエトロ・バリサーノ洞窟教会Chiesa Rupestri San Pietro Barisano。
塔の右側に、かなり新しくファサードがついているのが、教会です。外からは、全然オリジナルな面影なしですね。
この旧市街にある洞窟教会は、できたのが、早くて11世紀で、ほとんどは12世紀以降。そして、14/15世紀ごろに、拡張などされたところが多く、内部にあるフレスコ画も、大体はそのころの作品となるようです。
ですから、ロマネスクのイメージを求めると、ちょっと違うな、ということとなり、フレスコ画に対しては、あまり感動がありません。
ただ、掘りだしているだけに、建築的というか、その構造や、ちょっとして装飾が、プリミティブだったりして、その面白さがあるのです。
ここも、まさにそういう歴史をたどっており、フレスコ画は見るべきものはないのですが、小さなスペースに入り組んだ構造。ところどころにある装飾的なものが、なんだか洞窟探検的ではありました。
そして、サンタ・ルチア・アッレ・マルヴェ洞窟教会Chiesa Rupestri Santa Lucia alle Malve。
ファサードは、サン・ピエトロ同様、面白くないのですが、ここは、旧市街を取り巻く外周の道沿いにあったはず。教会の前は、グラヴィーナが広がり、素晴らしい眺めでした。
ここも、フレスコ画よりも何よりも、掘り出された構造物のあり方が印象的。
岩に水がしみだしていて、苔が元気に育っています。そのせいで、フレスコ画も相当やられちゃったようです。
よく見ると、こうやって、一部は残っているのですが、ほんのわずかです。
ここは、結構広いスペースで、構造を見られるので、どこよりも面白さがありました。
天井に、小さな円の掘り出しがありますね。とっても小さい円です。それに、他と比べると、傾斜もなく、平らな面に比率的には極小円。どこも微妙に違うのが面白いものです。
祭壇のような場所、苔でびっしり。
上部に、円がありますが、キリスト像でも描かれていたのでしょうかね。
続きます。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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- 2018/04/15(日) 02:47:15|
- プーリア・ロマネスク
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