フオリサローネ2018 その2
正式にオープンした初日に訪ねたのは、ブレラ地区です。
お洒落なファッション地域も満載のこの地域、最近は、フオリサローネのイベントも充実するばかりです。
今回、一発目に選んだのは、訪問者が増えすぎないうちに、どうしても訪ねたい展示があったからです。
Transitions by Panasonic Design
Special collaboration with Pinacoteca di Brera
ミラノの美術大学であるブレラ大学の中庭にしつらえられた会場のインパクト!
得体のしれないドームがどーん!下からはシューシューと蒸気が噴き出している不思議!これはもう、すぐに、「よっしゃ~」と思いました。
裏に回ると、すでにかなりの行列で、並んだ時点で1時間近くが予想される状態でした。幸いにも、途中から入場者の数を少し増やしたようで、40分強で入ることができました。
私の前で、一回切られそうだったのですが、一人だったことから、ギリギリ入れてくれたおかげで、15分、得しました。たまにはボッチで得することもあります。
これね、素晴らしかったです。
規模のミクロな光と音のショーっていう感じ。
音楽をバックに、暗闇に光がさして、映像と音とに取り囲まれます。技術的な説明とかは一切なし。
ミストも漂ってきて、どんどん幽玄な雰囲気になってきます。
ボッシュの絵とか、体外離脱体験のイメージ的な。
結構な人がひと固まりになっているのですが、どんどん人がいなくなってきて、トリップ感覚です。
実は、私も、途中から動画を撮影したのですよ。でも、大失敗で撮れてなかった…。それなら、ずっとたゆたっていればよかったのに、と大後悔しました。二度は体験できないですからね~。ほんと、大失敗。
でもね、スマホを掲げながらも、かなり本気でトリップしてました。
最後には、ミストがどんどん濃くなってきて、実際にすぐそこにいる人の姿が飲み込まれて見えなくなって、空間にのまれるような気持ちになっていました。
あ、あ、孤立する、どうしよう、的な。すごいですよ、これは。
でも、これは、ミラノの霧の風景の追体験をするイベントではなくて、技術の披露なんですよね。ざっと説明を読んでも、実はよくわからないのですが、空間の雰囲気を幻想的にしたミストは、おそらくナノ・テクノロジーを使った技術。そしてそのミストを通して、効果的な映像や光を実現したのも、解像度の高いプロジェクターとかレンズの技術らしいですよ。つまり、技術なしには実現しないアートっていうんですか。それが、インダストリアルなんですけど、いやはや、結果としては、アートだから、すごいと思うんです。
なぜ、パナソニックを目指したかというと、昨年もやはりブレラ大学を会場にして、大規模な展示を行っていたのですが、その見せ方と、あるものが、非常に面白かったから、期待していたんです。
今年、イースターに、日本から遊びに来た友人が、今更だけど、と新居引っ越し祝いを持ってきてくれたんですが、それが、昨年、このパナソニックの展示で目にした、京都開化堂さんの茶筒だったんです。
パナソニックの展示でも、説明を受けていたので、これがいかに優れモノであるか、ということはわかっていたのですが、実際に使うと、本当にすごいです。密閉度がすごいんですよ。それに、蓋が、勝手に閉まるんですよ、スーッと。職人技~!
友人の心づくしの品物を、知っていたことで、さらに嬉しくいただくことができたっていうのかな。すごさを知っていてよかった、と思いました。だって、すごくうれしいじゃないですか、そういうすごいものをいただくなんて。そして、それを最大にリスペクトできるなんて。
だから、なんでも見とくもんだ、としみじみ思った次第。
話がそれました。
私の中では、昨年から、パナソニックのイメージ、上がりっぱなし。今後、どうなるのかな。とりあえず、来年も期待したいと思います。
さて、ブレラ大学に来たら、植物園には寄って行かないと。
MCA-MARIO CUCINELLA ARCHITECTS with SOS-SCHOOL OF SUSTAINABILITY
Smart Town with ENI GAS E LUCE in partnership with HIVE
大学で見かけた、お家型ライトが、植物園全体にずらりと並んで、とってもかわいいことになっていました。
このとき、すでに20時近かったですが、まだ夕暮れというには早くて、明かりの効果が限定的でした。後日、夜間に訪ねることができました。
そしたら、想像以上に明るいランプでした。
可愛さが際立ちますね。でも、夜は、ギャラリーもすごくて、ちょっと興覚めの風景も広がります。
比較的人の少ない初日、それも日中(20時ではありましたが)に訪ねて、よかったと思います。それに、この植物園では、日中に会いたいものがあるんです。
趣のある大学の古い建物に映える、見事な藤の花。
この時期、いつも満開で、濃厚な香りも漂わせています。そしてもう一方。
こちらはショックでした!モッコウバラというのかな。黄色の小薔薇が、いつも満開なのに、上の方にちょこっとあるだけで、下は、葉もなし。長い目で、あえて剪定したとかだったらいいのですが、ちょっと寂しかったです。木はかなり古そうですから、ある日突然、ということもあるわけで。
フジの方も、そういえば葉が少なかったので、大胆に選定したのでしょうかね。
というわけで、ブレラ、続きます。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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- 2018/04/27(金) 05:26:41|
- ミラノ・フオリサローネ
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| コメント:4
> Atsukoさん
技術のすごさを伝えられないのは、残念。私自身が本当のところ、わかっていないので、仕方ないですよね~、笑。
- 2018/04/28(土) 22:41:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
- [ 編集 ]
> 古民家の田舎暮らし<山下亭>さん
ナノテクと言っても、なんのこっちゃ、なんですが、この気持ちの良い、それでいてぬれたりとか迷惑かけないミストが、その成果なんですか、と思うと、素直に技術のすごさを感じられたりね、そういうことあります。
アートも、絵の具の進歩だったりに寄ったりするわけだから、技術抜きでは、ありえないものがたくさんあるのですよね。
と言って、基本は手仕事!今後も期待していますよ~!
- 2018/04/28(土) 22:44:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
- [ 編集 ]