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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

まさかヴィトンがテレビショッピング状態に!

フオリサローネ2018 その5

今回は、スタートが今一つだった割には、毎日、予想外に面白い展示に出会うことで、背中を押されるように毎日歩き回ることになってしまって、ここ数年では、もっといろんな場所を回ることになったかもしれません。

で、町の中心部も、行きたい場所をチェックして、点と点を結んで、結構回りました。




Galleria d'Italia
Dandelion of Luca Trazzi – Installazioni luminose

ガッレリア・イタリアという美術館は、数年前にオープンして、当初しばらくは無料だったのです。ある日、思い立って見に行ったところ、有料になっていて、無料だと思っていたんだけどと尋ねると、「先週から有料になりました」と言われて、ひどくがっかりしたことがあります。その時は、あまりがっかりしたので、なんかお金を払う気にならず、その後、とうとう一度も訪ねていなかったのです。

今回も、特に目指したわけではなく、たまたま通りかかったので、入ってみた次第。どうも、あまり縁のない美術館らしいですね、笑。
美術館の表玄関は、スカラ座広場にありますが、今回の展示は、中庭を利用しているので、マンゾーニ通りから入ります。

入ってすぐの吹き抜けに、いきなり大好きなものが。




ポモドーロさんですね。この人の作品は、野外に置かれることが多いですが、どれも印象的です。
肝心の展示、ダンディライオンは、これです。




う、うーん。なんだろう、これ。
正直、庭のたたずまいや、点在する大型の野外彫刻の方に、惹かれました。
ミロとか、ムーアとか、有名どころのいかにも的な作品がたくさんあって、それだけで、本来とても雰囲気のいい庭です。




ここがいつもオープンだったら、ちょっと休むには最適な場所。でも、いつもは関係者以外は入れないんでしょうね。いわゆるミラノにありがちな秘密の花園的な庭です。




ダンディライオンは、なんで、タンポポ?という様子ですが、ポモドーロのある吹き抜けを見て、ちょっと、わかった。




綿毛…。光が入ると雰囲気変わるのかも、とここも別の日に、日暮れてから立ち寄ってみたのですが、たいしたことなくて、がっかりでした。

数年前、このメーカーの展示に出会ってから、フオリサローネにはまったと言っても過言ではないこちらへも、久しぶりに。




Atelier Swarovski

そう、スワロフスキーです。
ポルタ・ベネチア近くの、歴史的なビルの中庭にしつらえられた会場に、ずらりとキラキラのガラス製品が並べられていました。




スペースは、いくつかのブースに区切られて、異なるデザイナーさんごとに作品が展示されているという作りでしたが、比較的普通の製品で、度肝を抜かれるような展示のための作品ではなくて、ちょっとがっかりだったかな。




お金に不自由していない人だったら、普通に買っちゃうような製品レベルっていうんですかね。もちろん、私にはひょいっとは買えないけれど、それでも、スワロフスキーが死ぬほど好き、みたいだったら買えちゃうかもしれない、みたいな、そういうものたち。

もう少し、イベント的な展示を期待していたので、さらりと見学終了。

同じ通りの少し先に、やはり気になるファッション・ブランドの展示があり、これまできちんと見たことなかったけど、と、訪ねてみることに。




Louis Vuitton
Objets Nomades

これは、いきなりの可愛さに、かなり高揚感です。
ルイ・ヴィトンは、本拠地のパリ郊外に、フランク・ゲイリー建築の素晴らしい現代美術館を持っているくらいですから、イベント的な内容を期待していました。
ちなみに、美術館、とても行ってみたいですが、まだチャンスを得ていません。

イタリアだと、プラダが現代美術館に多大な投資をしていて、ブランド的にはともかく、現代美術好きの私には大変ありがたいことですが、ヴィトンは、製品でも現代美術家とコラボしたり、上を行っていますね。

トップの写真は、勿論ヴィトンが使っているアイコンがテーマですが、よく見るとこのお花、皮で作られていることがわかります。




私の大好きなピンク系の中間色が使われていて、ヴィトン、いいじゃん、といきなり引き込まれています。
レトロなポスターを飾った階段を上って、会場へと向かいます。




古い建物特有の高い天井を活用して、ランプが下げられています。




ランプを覆うシェードが、革製なんですよ、これ。展示会場に、床置きしてあったんですが、素晴らしい光の効果でした。




おそらく、皮をこういう形にまとめることって、すごい技術がいるんだと思われます。

そして、展示会場入り口で、まさに度肝を抜かれました!




レトロなガラスの入り口の向こうの天井を見上げた様子ですが、いったい何が起こっているのか!という感じですよね。
中に入ってもしかり!




細長いスペースのこっちから向こうまで、高い天井から無数に下げられているのは、入り口に並べられていた革製の花、ヴィトンのアイコンなんですよ。
上向きに置かれた展示で、初めてゆっくりと見ることができました。




やはりいい色ですね。触れませんが、革の肌合いと言い、うっとりします。きっとすべすべと気持ちいい感触なんでしょうね。
これ、岐阜県とコラボしていたアトリエ・オイさんAtelier Oi製作のもの。Origami Flowersとなっていました。
ここで、日本人のコンパニオンが、声をかけてきました。

銀座松屋の店舗の販売員ということでしたが、この男性、すごかったです。立て板に水の説明で、いかにヴィトンの製品が手間暇をかけて作られているか、価格がいかに妥当であるか、機関銃トークで繰り広げてきます。




ヴィトンは、今や品質も向上して、エルメスと、よい革を取り合いしているほどなんですとか、マドリッドで作っている製品は、ちゃんとMade in Madridと刻印されているんですとか、正直ヴィトンの製品に興味があるわけではないんですが、彼の話、大変面白かったです。

そして、お花の売り込みにも熱心なのには、本当に感心させられました。
正式な販売は秋以降だけど、今回の展示で、販売できる数を持ってきているので、今なら、ずいぶんお安く入手できますよ、ということでした。正直、テレビショッピングのヒトみたいでした!ヴィトン、意外と敷居が低いよ!笑。

300ユーロはしなかったので、ヴィトンのアイテムとしては、手の届く製品ではあるでしょうが、ヴィトン・ブランドに興味がない人には、無用の長物です。
こういったものは、素晴らしいお屋敷に住む人が、変わった装飾品として求めるタイプの品で、高級ブランド品が求める本来の顧客向け、ということなのかな。

花はともかく、このクッションの方は、かなりほしいと思いました。




リバーシブルにした皮を、パッチワークの要領で一片ずつつまんで縫って、つなげて…。気の遠くなるような職人仕事が、この美しさを生み出しています。とても柔らかそうな革。これだって、そういうことを無視して、このクッションを枕にできるような人しか、持ってはいけない製品のように思います、笑。

ヴィトンは、元来エルメスほどのプレステージではなかったと思いますが、そういうところに行きたいという様子が感じられました。
ちょっと長くなってしまったんで、一旦切ります。

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  1. 2018/05/02(水) 01:38:41|
  2. ミラノ・フオリサローネ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8
<<マニュアル車が歴史となる日 | ホーム | ガード下で、あやつりドワーフと遊ぶ>>

コメント

No title

いつも素敵な記事をありがとうございます

海外に気軽に行けなくても、感動は伝わりました

美しく完成され、おまけに新しいものってそんなに何度も会えないものですよね、観客が聞こえても聞こえなくても歓声を上げるような作品と展示拝見できました
  1. 2018/05/01(火) 22:00:00 |
  2. URL |
  3. poetryfish9 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

日本人はヴィトン大好きだからcorsaさんもそう思われたのかなあ(≧∀≦)。デザイン、素敵ですね!あ!そーいえば旦那が付き合って半年の時にヴィトンのバッグを買ってくれました。結婚してから義母も買ってくれたけど結局使ってないわ(≧∀≦)。使う機会がない(≧∀≦)。
だいたい普段の服がヴィトンに合わない(≧∀≦)。どれか買って後から価値が上がるかもしれないから投資で買っちゃう?(≧∀≦)
ベッド素敵~~!
  1. 2018/05/02(水) 01:04:00 |
  2. URL |
  3. まーたん #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> poetryfish9さん
コメントありがとうございます。
商業的な見本市ではありますが、面白いものは確かにあって、芸術的な職人技はあって。
ゲージツって、やはり主観的なもんですよね。
楽しんでいただけたなら、本当に嬉しいです。
  1. 2018/05/02(水) 22:19:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> まーたんさん
あの販売員さんにやられたら、ついふらふらと買ってしまうかも~!という素晴らしい接客だったんですよ、本当に。ミラノの店だと、ああいう販売員さんは、なかなかいない気がします。こっちに買う気があれば、接客もしてくれるけど、外見で勝手に判断する販売員も多いし~。でも、ヴィトンは、そういう教育をしてないのかもしれないです、販売員に。いや、ただの厳しい歩合制かもしれないが…笑。
  1. 2018/05/02(水) 22:22:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

皮製のクッション!素敵ですね!
ついつい引き込まれてしまうような展示品ですね!

ナイス・ポチ!
ミラノは遠くないのでいつか機会があれば
行ってみたいです。

ナイス・ポチ!
  1. 2018/05/03(木) 14:07:00 |
  2. URL |
  3. Atsuko #79D/WHSg
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No title

> Atsukoさん
楽しい1週間ですが、この時期は、一つ星のホテルすら、一泊600ユーロとかに跳ね上がるそうですから、観光としては、ちょっと大変そうですよ。
ま、そのうち、ファッションウィーク同様、沈静化するのでは、と思いますけれど、最近はひどいです。
  1. 2018/05/04(金) 22:12:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

一度こういう催しのあった時期に
知人のイスラエル画家のグループ展があって
勿論ホテルは満員で、、、
ユースホステルに泊まりましたよ!
同行したお友達に何処でも良いから捜してと
言われて、、、
多分今はユースホステルも満員でしょうね!
女性の6人部屋でした!
  1. 2018/05/05(土) 11:06:00 |
  2. URL |
  3. Atsuko #79D/WHSg
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No title

> Atsukoさん
そうですね~。まぁ、ビジネスの人はユースには泊まらないから、意外と開いているかもしれないですね。盲点かも!
この時期に、英国から出張者が来ていたのですが、3人で四泊するのに、1万ポンド近くかかったというので、あきれましたよ。我が家に泊まってほしかったくらいです、笑。
  1. 2018/05/07(月) 21:00:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
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