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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

シチズンとセイコー

フオリサローネ2018 その10




トルトーナの見学後、本当はトリエンナーレ美術館に立ち寄るつもりでしたが、あまりの疲労に、もう無理、となって、自宅に直帰してしまい、そこで今年のフオリサローネは終了のつもりでいたのですが、週末に、再びうろつく機会があり、それなら、ということで、トリエンナーレに行く機会を得ました。




美術館の前にドカン!と置かれていたのは、高級ヨット。お金持ち御用達のブランドらしいですよ。こういうヨットが日常の富裕層が、現実にそこかしこにいるのも現実のミラノです。だからおそらく、こういうメーカーさんが、一般向けの展示に投資する価値もあるんですよね。貧富の差が激しい社会って、こういうもんです。

中に入って、最初の展示もヨット関連。




Il Mare a Milano: Yachtvill
Sanlorenzo
Design by Piero Lissoni

縦長の大きなスペースの両側が、すべてスクリーンになっていて、まるでベネチアの大運河を進んでいくような映像が流れます。
ほとんど寝そべるような椅子に座って、しばしベネチアのゴンドラ気分を味わいました。こういうのは、単純だけど、トリップ効果は絶大で、結構好きなタイプのインスタレーション。

この後は、結構なスペースを使って、沢山のデザイナーさんたちの小品が並びます。




なんということもないけれど、木製の木工品的なデザインオブジェは、木の肌触りとか、そういうところだけでも、結構楽しい。
こんなありがちの、日常グッズの巨大化製品も、意外と楽しいんですよ。




お庭にも、いろいろ。
全般に、中国パワー、感じます。が、自分の好みには、あまりなじまない。




サローネ週間も終わりに近づいた土曜日の夕暮れ時の、トリエンナーレの庭。




なんとなく、多くのけだるさや満足感が漂っているっていうか、気持ちの良い夕暮れの空気満載でした。今年も、みんな楽しんだはず!
でも、実はまだ、終わりじゃないんです。




この美術館、結構協賛展示、たくさんあるんです。
例えば、これ。




Mini, inspired by origines
Don't Need a Title

ミニクーパーの展示で、結構なスペースを使って、ノスタルジックなモデルと同時に、ここでもやはり自動運転車の展示がありました。ミニと自動運転車って、とっても遠いイメージですが、今やそんなことは言ってられないんですね。
それにしても、展示されていたプロトタイプ的なモデルには、おそらく多くの人がミニに感じる魅力は、ゼロでした~!




その他いろいろ、歴史的な小品の展示なども楽しみつつ、目的地へ。




The Flow of Time
Grand Seiko
Design TAKT PROJECT, Shigo Abe and Hikaru Mori

数年前に、シチズンがすっごい展示を行っていて、一年置いて、さらにバージョンアップした展示をしていて、そういえばセイコーはどうしてるんだっけ?と思ってたんですが、ここにきて、いよいよって感じですか?

両社の関係っていうか、位置関係っていうか、本当のところはよくわからないけれど、イメージとしては、セイコーは歴史的な伝統的な高級メーカーさんで、たいしてシチズンは、割と新興で、デジタルとかにも抵抗なくて、安いラインという感じ。でも考えると、シチズンの方が、海外には攻めているような。多種のスポーツイベントなどでも、シチズンは、結構スポンサーシップを取っているけれど、セイコーって、あまり見ないような?もしかして、海外では、シチズンの方が知名度が高いかも?という気がしないでもない。

そんな中の展示ですから、ちょっと興味があったわけなんです。

で、これが期待に応えるなかなか面白い展示でした!

セイコー動画

細長いスクリーンに流れる映像をバックに、手前にはしずく型の樹脂が12個、並べられています。




ついついスクリーンの映像に目が行ってしまうのですが、並べられた樹脂も、オブジェとして、とっても美しい。




中に閉じ込められているのは、どうやら時計の部品です。




そして、入り口である、写真向かって右から左に向けて、しずく型が、少しずつ形を変えています。最後のしずくに、完成品の時計が!




それも、しっかりと時を刻んでいます。うわ~、驚いた!
これはね、よかったです。

展示が面白くて、個人的には、誰がかかわっているのかとかそういうことに興味があったのですが、残念だったのは、Grand Seikoのすっごいカタログを置いていた割に、展示にかかわる情報については、フライヤーなどが用意されていなかったことです。壁面には、説明書きがあったし、出口にいた日本人の方が、結構説明をしてくださいましたけれど。

でも、これだけ印象的で美しい展示をした以上、そこについて、もうちょっと宣伝しようよ!デザイナーさんたちが、これだけいい仕事したのに、フライヤーなしは、残念すぎ。

あとね、美しかったのは確かだけど、シチズンに比べると、インパクトが今一つ。Grand Seikoの製品押し、という感じで、Seikoのイメージ押しじゃなかったんですよね。シチズンは、とにかくイメージ押しだったのが、よかったんじゃないでしょうかね。

まぁでも、予想外に、見ることができただけでも、よかったです。これは見といて損のない展示でした。

あ、終われない。あと一回かなぁ。

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  1. 2018/05/12(土) 05:21:16|
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