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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

プーリアはいろんな意味で何度もおいしい(ブリンディジ4)

2017.04.プーリアの洞窟教会巡り、その29(最終回)

サン・ジョバンニ・アル・セポルクロ神殿Tempio di San Giovanni al Sepolcro続きです。
前回の記事で説明したように、今ではちょっと脇に追いやられた感のある、オリジナルのメイン・エントランス。




びっしりと浅浮彫装飾があります。
実に浅い彫りで、よくこれだけきれいに残っているもんだと感心するもの。凝灰岩系に見え、確かに強い石と思いますが、空気の汚れが激しい北部にあったら、いくらケアされていたとしても、ここまでは残っていなかったのではないか、と思ったりします。




舌をペロリ、または炎をはいているのでしょうか。うう、かわいすぎ。
上下に配置された装飾的な彫り物も、線がそろわず、水平もずれていたりして、まるで私の消しゴムハンコ技術レベル、というのが、大変親しみを感じさせられます。

わしでしょうか。




妙にリアルで、確かに描写力のある石工さんだと思いますが、わしがつついているのは何だろう?妙にプリミティブな表現の植物系。動物のフィギュアにたけた人だけど、どうも草食系は弱い、みたいな?




本堂の中を通り抜けて、現在のメイン扉へと移動します。
ちなみに、現在の本堂内部には、うっすらとフレスコ画が残っていますが、14世紀以降ですかね、私の好みではないので、あっさりと通過。

初めて訪ねた時は、かなり興奮した扉口です。




アーキトレーブのあたりは、かなり後代のものですが、扉脇の彫り物や、両脇にある円柱は、ロマネスク時代のものですね。

当時も今も、やはり惹かれるのは、この左側にある柱頭の彫り物です。




サロメなのか、やはり。
と、自分のサイトを確認して、あ、違った、と一人頭を掻きました。当時も同じように思って、ちゃんと調べたら違った、と思ったんだった。進歩ゼロです。
それにしても、なんか汚れがひどいような?

というわけで、前回の写真を探してみました。




2010年の状態が、これ。
明らかにひどいですね。あれ、空気の汚れはこっちの方がひどいのかしらん。





この柱頭、不思議なことに、扉に向いた側は、以前も真っ白、今回も真っ白で、すごくきれいなんですが、美しい海の精(ついサロメと思ってしまうフィギュア)のいる側は、石の材質が違うのかしらんと思うような状態で。これはどういうことなのかな。

扉を囲む部分の彫り物は、相変わらず美しく残っています。




ここには、私の大のお気に入りがいます。




美しくもたくましいサムソン。
キリっと気高い表情で、ライオンを手玉に取るお姿、うっとりです。風になびく漆黒の紙が目に見えるような。

他のモチーフも、すべて滑らかに曲線が繊細に表されて、本来の扉口とは、時代が違うのが明らかですよね。
こういった装飾に惹かれて、訪問者も増えたに違いありません。




というとこで、長々、本当に長くなってしまったプーリアの旅、これで終了です。次回はいつになるかわかりませんが、必ずや再訪があることと思います。その日を楽しみに、今回出会えた多くのサイトについて、お勉強する機会があるといいなぁと思っています。が、一年以上たって、やっとブログにまとめているていたらくですから、期待はできません。これもまた、老後の楽しみという理由で、手つかずになりそうな予感濃厚です。




この日、このサン・セポルクロ見学後、係員の人のお勧めの、お隣レストランで、ランチを取りました。実はもうちょっとブリンディジを楽しむつもりにしていたのですが、このランチ、イースターのメニューで、異常に長時間続いてしまい、結局ランチが終了したときには、解散の時間となってしまったのです。
ただ、ずっと恐れていた大雨が、ちょうどこのランチの時間にやってきて、我々が店を出た時は、ちょうど雨が上がって、気持ちの良い日差しがさんさんだったということを考えると、まるで図ったかのようなランチではあったのですが。晴れ女の面目躍如、というところでもあります。

では、記念に、その時のランチの写真を最後に。
同行者が、お皿を前に喜ぶ私の写真も撮ってくれたのですが、気恥ずかしくなるほど、嬉しそうな様子でした。




プーリアは、いろんな意味でおいしいです。

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  1. 2018/07/15(日) 20:58:17|
  2. プーリア・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

No title

とても美しい浮き彫りですね!
ナイス・ポチ!

写真の整理とか1年がかりでなんとか終了させた
エジプト記事とか、、、いろいろで
せっかくの素晴らしい記事の拝見が遅れ勝ちになっていますが

のちほどユックリ再訪させていただきます。
  1. 2018/07/15(日) 13:38:00 |
  2. URL |
  3. Atsuko #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

私がスコットランドで興味をもって訪ね歩いた「ピクトの石碑に似て入り所もある!」と感じました。

興味があれば、暇な時にでも覗いて見て下さい。
https://blogs.yahoo.co.jp/kodaiiseki2000/folder/1783171.html
  1. 2018/07/16(月) 00:21:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> Atsukoさん
一年がかりとか伺うと勇気が出ます、笑。
本日より、丸2年たってしまったフランスの写真整理に戻りました。今年の夏もフランスなので、何とかそれまでに整理したいのですが、無理でしょうねぇ。
巡礼の記事、拝見させてもらっています~!
  1. 2018/07/16(月) 18:53:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> 古代遺跡めぐり<山下亭>さん
最近は古民家に夢中ですが、笑、巨石類の記事は、よく拝見させてもらっていました。中世好きの次は、ローマとか置いといて、もっと古代に好みがあります。
私も、いつか巨石とか古代のサイトを回りたいと思っているのですよ。でも中世で手いっぱいで、ほぼ時間切れな感じがあるんですが。くすん
  1. 2018/07/16(月) 18:55:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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