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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

猫のガイドさんと江ノ島的極彩色(ブレスル1)

2016.08.オーヴェルニュの旅 その21

早朝の寒さにブルブルした後向かったのは、ブレスルです。




ブレスルBlesle、サン・ピエール教会Eglise Saint Pierre。
村の中心にある教会ですが、ここでは愛らしいガイドさんが、専属で付いてくれました。




この子、教会外で出会ったのですが、迷いなく本堂に入り、堂々とふるまっていたので、時々遭遇する教会猫さんだったようですよ。




しゃがみこんで、思いっきりズームで撮影しようとしている腕にじゃれついてきたり、足にスリスリしてきたり、さんざん愛嬌ふりまいといて、じゃあ、遊ばせてもらいますか、とその気になると、ベンチで毛づくろいとか始めちゃう、超ツンデレ状態の方でした。
ひとしきり本堂をガイドしてくださったら、またもや堂々と扉口へ先導。




そして、後陣の方にまで、いざなってくださいましたよ、笑。




色々な細かいことは忘れちゃったりしますが、こういう記憶は、かなり鮮明で、このガイドさんに結び付いて情景が浮かんできたりするので、結構しっかりと撮影させてもらいました。記憶が明確なのは、教会のディテールの楽しさもありますが、このガイドの功績、結構大きいです。

というわけで、本題です。

外側も、かなり新しくされている印象ですが、中も、いきなりこういうお姿。




ちょっと引ける派手な色彩と、シャンデリアなど、明らかに時代の下った装飾。
でも、ひるんではいけません。

本当にここまで派手な色彩だったかどうかは不明ですが、彩色があったのは、おそらく確かなんだと思います。だから、今の人は、うわーって思うけれど、オリジナルに忠実なケアをしている、そういう現役教会といえるのでしょう、きっと。
そして、この派手なアーチの根元にある、小さな柱頭たち。面白いですよ。




これ、彩色がなかったら、たぶん、素朴にかわいい柱頭でしょうね。彩色されていても、かわいさはあるんですが、なんかもうすごくて。




少なくとも、この金色は、ロマネスク時代にはないと思うんですけど、どうなんでしょうか。緑や赤は、植物性や弁柄などの染料があったと思うけれども。




どす黒い緑、どす黒い赤に金色で、全体に暗くて重たい雰囲気となっています。これも、色がなかったら、愛らしい系の動物。
この人魚もすごいです。




こうなると、江ノ島のお土産物屋さん、みたいな雰囲気で、それはそれで楽しいですけれど。しかし、こういう形で残していくというのも、なんだろう、フランスですよね。イタリアやスペインでは、こういう彩色で残しているところはないです、多分。
結局、フランス人はこれが好きなんでしょうか。




こういうの、塗る必要ありますかね。

時代は変わっているんだし、元気で、後代の付け足し装飾があるのもありなら、彩色なしもありなのでは、と思うんです。もちろん、ここをやってここをやらない、という問題が出てくるから、一様にやるんでしょうけれど、このアカンサスなどは、色が内容が、絶対に美しいですよねぇ。

可愛いけどね。




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  1. 2018/08/07(火) 02:08:15|
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  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8
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コメント

No title

色付けは保存剤でも入って居て、経年変化の予防効果も有るのかも?
なんて考えるのは・・・・・・

日本人の発想ですかね?

フランス人は如何ですかね?
  1. 2018/08/06(月) 19:47:00 |
  2. URL |
  3. 古民家の田舎暮らし<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ああ、やってもーた感満載ですね。
猫はめっちゃ可愛い❤💕。
  1. 2018/08/06(月) 22:37:00 |
  2. URL |
  3. まーたん #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

極彩色に退いているいる私。また近くの浄瑠璃寺の住職(故人です)のセリフを思い出します。
立派に修復なった三重塔を見て興ざめな顔をした私に彼は言いました。「この寺が出来たときはこんなもんじゃなかった。百倍も万倍もキラキラしてた筈。」だって。
これから出発します。ヨロシク。
  1. 2018/08/07(火) 01:32:00 |
  2. URL |
  3. otebox #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

色が無いほうが美しくみえますね!

出来た当時はこんなに極彩色だったのかしら?

ナイス・ポチ!
  1. 2018/08/07(火) 06:10:00 |
  2. URL |
  3. Atsuko #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> 古民家の田舎暮らし<山下亭>さん
確かに色を付けることで、守られることはあると思うのです。漆喰で壁をぬりぬりしちゃうような感覚で。
でも、当然、数年おきに、塗りなおしちゃっているはずで、それならそれで、もうちょっと品よくできないのかなぁ、とか考えちゃうわけです、笑。
  1. 2018/08/09(木) 18:11:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> まーたんさん
やってもーた感、爆!
  1. 2018/08/09(木) 18:12:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> Atsukoさん
彩色は好みの問題ですが、作られた当時の人たちは、おそらく色のある方が、豪華で誇らしかったんでしょうね。でも、このキンキラはないと思います。
  1. 2018/08/09(木) 18:13:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> oteboxさん
そうなんですよね。昔はキラキラが人気だったに違いないんです。でも、時代とともに、多少の変化は施してもよいはずですよね~。
  1. 2018/08/09(木) 18:15:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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