2016.08.オーヴェルニュの旅 その28
この夏、オーベルニュやブルゴーニュを再訪したことは、ちょっと触れましたが、どちらの地域も、すでに一度訪ねて、超有名どころは見ているため、今回は、見残し中心という感じで、小さい場所を訪ねることが多くて、教会の名前どころか土地の名前すら、現地にいてすら頭に入ってこないという苦しみがありました。それに比べると、この2016年のオーベルニュは、やはり知名度の高い場所が多いこともあり、教会の姿と町の名前を一致して、視覚的ちゃんと覚えているので、今更びっくりしています。
まぁ、最初の訪問は、どうしても、より記憶に残りやすいというのはあるとは思うのですが。
さて、そんなわけで、イソワールのハデハデ彩色教会の後も、比較的大規模な、知名度の高い教会が続きます。次に訪ねたのは、こちら。
ベス・エ・サンタナステーズBesse-et-Sainte-Anastaiseのサンタンドレ教会Eglise Saint-Andreです。
ここは、大変でした。
まず、町へのアクセスは非常に簡単だったのですが、教会近辺の路上駐車のスペースがなくて、教会と道を隔てた反対側にあった駐車場のマークに従うしかなかろうと思ったのですが、なんだかいきなり激しい坂道だったのです。
これは駐車場から、徒歩で旧市街に戻るところですが、これでも、かなりの急坂なのがわかりますよね。2年前は、まだよほど怖かったんですよね、坂道が。この2年ほどの経験で、新車ばかりのレンタカーなら、坂道発進も楽々、とわかってきたので、これほど怖がらないのですが…。
で、まずは駐車場でおろおろして、時間を使いました。
やっと決心して駐車して、徒歩で旧市街に戻ったのですが、次に、おろおろしたのが、教会の姿です。トップの写真ですが、どう見ても、バリバリゴシック。それも、教会全体が再建のように新しい感満載です。
これは違うだろう、と思い込んでしまったんです。
その上、町の入り口に掲げられている地図に気付いてしまいました。
なんか、Besseだけは同じだけど…。これは、違う町にいるらしい!と思い、慌てて車に戻り、地図で、このBesse-en-Chandesseという町を探したんです。わざわざ坂道を下って、ですよ。
しかし、地図にはこんな町は出ていないし、Besse-et-Sainte-Anastaiseとスマホに入れると、「徒歩3分」と出てきます。なんかこのとき、軽くパニック状態でした、笑。
途方に暮れて、たまたま通りかかったおやじに尋ねると、「いや、僕、パリから来た旅行者で~」と、それでも片言の英語を解する人だったので、事情を訴えると、「え~、そんなこと言われても~。でも、インフォメーションセンターがあったから、聞いてみたらいいんじゃないの、教会の近くにあったよ」と、なぜか先導してくれるので、一緒に、戻ることに。
教会の近くに行き、「教会の名前は知ってる?」というので、サンタンドレだというと、じゃぁ、これで正しいみたいだよ、と指さしているところに。
いやもう、自分の間抜けぶりに、ただ茫然として、暇そうなおやじにお礼だけ言って、あまりの恥ずかしさに、逃げるように教会に入りましたとさ。汗。
外観が完全ゴシック、というのは、フランスではままあることなのに、ここまでそういうことがなかったせいか、うっかりしていたというか、それにしても、あまりに違うじゃないのっていうか。
っていうか、違うと思ったところで、目の前まで来たなら、とりあえず入ってみろよ、ですよねぇ。
一歩入ってびっくりですよ。この雰囲気!外からは想像もできません。
植物モチーフと、そして人物フィギュアの柱頭が満載。ほぼ、この部分だけ、創建当時12世紀のものが残されているのです。
なんかとっても味わいのある石工さんじゃないですか。私は好きです。
線が固くてぎこちない様子なんですが、それが味わいを醸し出しているというか。
こちらは、若干手が違うような感じもします。同じ工房の、違う石工さん作品、みたいな。
こんなこと言うと怒られそうですが、俳優の高橋克美さんでしたかねえ、ハゲ系の、笑、あの方にも似たしかめっ面のケンタウロス、胸に何か書き込みがあるんですが、浅学なもので、わかりません。おしっぽを持ってるのがかわいいけど、顔が小憎らしいですねぇ。
文字は、今写真を見直して気付いたもので、勿論現地では、見えやしません。
同じ柱頭の、反対側もケンタウロスですが、そちらには、文字は見えません。
すっごく謎めいている、というわけでもないのですが、人が横並びで、手を広げている系な感じのバリエが多くあり、何か意図も感じる柱頭たちです。
結構暗くて、写真もぶれているものが多かったのが残念。
植物バリエも、ちょっと面白いものがありましたよ。
あみあみが上にかぶさって、独特のモチーフですよね。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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- 2018/09/06(木) 05:42:47|
- オーベルニュ 03-63-15-43
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| コメント:2
この柱頭彫刻いいですね。人数が少ないのでヘロデ王の宴会でしょうか???四角い顎鬚がいい。
ドイツに続けて行って飾りのない方円柱頭もいいな、柱頭彫刻おっかけ、終わりにしてもいいか、と思った途端、これです。矢張り、興味はつきませんね。
- 2018/09/09(日) 03:52:00 |
- URL |
- yk #79D/WHSg
- [ 編集 ]
> ykさん
外がバリバリゴシックだっただけに、この柱頭たちには救われました。愛らしいし。
どんな世界も、終わりはないですね。あちこち、好みも含めて、繰り返し、行ったり来たり。でも私も、飾りのない柱頭や柱のたたずまいも好きなんですよ。
ブルゴーニュでは、いくつかそういう質実剛健的な教会があり、かなり好きです。イタリアもベネトあたりに見られます。
- 2018/09/11(火) 20:57:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
- [ 編集 ]