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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

やり手敏腕マネージャー兼任修道院長?(サン・サトゥルナン1)

2016.08.オーヴェルニュの旅 その34

次々と有名どころが続きますが、この辺りは、もう一日の終わり。もう身も心もクタクタで、一気にホテルに向かいたいところだったのですが、ここをこの日に見ると見ないでは、あとあとのスケジュールが変わってきますので、身体にムチ打って、この日最後の目的地に向かいました。




サン・サトゥルナンSaint Saturnin、ノートルダム教会Eglise de Notre Dame。

フランス・ロマネスク好きな方には怒られるかもしれませんが、旧市街の細いのぼり道をせっせと歩いてたどり着いた時の第一印象は、「あ、またこれか」でした、笑。
この手のオーベルニュ・スタイルの大型教会、どこもここもそっくりで、正直、写真を並べられたら、どこがどこやら、というのが本音です。すみません。

実際、そういう遊びもやってみたいんですよね。建造物を横並びで見てみたり、同じテーマの柱頭を並べて検証してみたり。でも、旅の記録をたどるだけで精いっぱいの年月が続いていて、そういう暇がないのが、時々とっても残念です。とか言いながら、ワインを片手に、だらだらテレビを見ていたりするので、本当はそういう時間すべてをロマネスクに捧げれば…。
いやいや、無理ですね。現場を体験することだけに注力するミーハーなロマネスク病ですからね。

さて、受ける感覚的に同じ、とはいえ、それなりに観察はします。




オルシヴァルでは、軒持ち送り、モディリオンは、見事に鉋屑一本やりでしたが、ここも、一見そういう様子ですね。
しかし、よく見ると、結構楽しいんです。わたし的には、このモディリオンが、サン・サトゥルナンの魅力かも。




基本は、やはり鉋屑なんですが、時々、鉋屑を背負った変なものがあります。これは、かなり間抜け面のドラゴン的生き物でしょうか。フンって鼻息はかれてる感じしません?
上部の市松模様も、再三書いているように、大好きな意匠です。

こんな人、愛らしくていいですね~。




鉋屑とか、市松帯は、勿論修復や再建も施されているとは思いますが、全体にすごく正確で、きちんとした作品となっているのに、鉋屑背負いの不思議な人たちは、どれも、妙にプリミティブな感じで、それが正確な作品と一体化しているのが、何とも不思議な魅力を醸し出しています。




ほらね、変ですよね。
面白い石工さんがいたんですね。

さて、入り口は、ここも脇です。




実に立派な堂々とした建造物。この一帯のロマネスク、大規模というのもすごいです。
この教会は、もともとベネディクトは修道院付属の教会のようです。オーベルニュのこの手の教会は、もしかすると、出自が修道院というものが多いような気もします。それにしても、そんなに広くない地域に修道院がひしめくように作られて、それぞれ、しっかりと運営されていたというのはすごいことですよね。よほど敏腕のマネージャー的修道院長がいたんでしょうか。

オーヴェルニュは、フランスの中で最も貧しい州であると聞きました。際立った産業もなく、ワインも、ブドウの病気が発生して以来ダメになってしまったとか、どうも、あまりうまくいかない土地のようなんですが、中世は、どうやら今とは全く違う位置づけだったのかと思われますね。




内部も、オルシヴァルそっくりです。柱頭に葉のバリエが多いところも同じ。これはもう区別つきませんよ、私には。
疲れ切った状態で、オルシヴァルとサン・サトゥルナンのふたつを見るのは、まったくもって見学の仕方として、間違っていると思います。「同じじゃん」というところで、ほとんど投げやりになってしまって。
なんとなく、これは再訪するべきじゃないか、と今思っています。

葉っぱのバリエでは、私は、こういう単純化されたものが好みです。




細かい彫りのタイプは、ギリシャやローマの模倣っぽくて、ロマネスク的な面白さも感じられないのです。実際、ローマ時代のものを再利用しているケースも多いわけですが。




半端なところで切って申し訳ないですが、続きます。

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  1. 2018/09/16(日) 02:50:34|
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