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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

大雨で閉め出し、泣きたい日もある(ショリア)

2016.08.オーヴェルニュの旅 その39

クレルモン・フェランの南にあるボーモンから、ほぼ真東に20キロ強走ってたどり着いたのが、ショリアChauriatです。
旧市街は、もともと壁に取り囲まれた様子のある、とても小さな村。今は、その壁の周りに、それなりに住宅街などが広がっていますが、壁のままに村を取り巻く道があります。
ほとんどの道沿いは、駐車できるようになっているのですが、走りながら、調度都合のいい場所にひょい、と駐車するのが、一人だとなかなか難しくて、ちょっとぐるぐるした挙句に、村から離れるように、ちょっと住宅街に入って、人の家の軒先、といった様子の駐車場に停めることができました。

いやはや、グーグルマップ、便利、というかすごいですね。
あれはどこだったんだろう、と今、ストリートビューで、見ていたんですが、Place Pasteurという道でした。そういえば、帰りに間違いないように、道の名前を見て、パスツール、覚えやすい道でよかった、と思いながら、村を目指して歩いたのを思い出しました。
記憶のよすがになりますねぇ、本当に。

このときも雨が降っていましたし、寒いし、カメラを出す余裕もなくて、そのあたりの風景は全然撮影してなかったんですが、ストリートビューを見て、かなり鮮明に思い出すことができました。

車から出た時、買い物帰りのお母さん、といった感じの人が近所の家に帰ってきたんです。会釈しつつ、駐車して大丈夫かを確認して、教会は開いてますかね、と聞いたところ、「もう閉まっているかも知れないわよ」と…。さらに「教会のために来たの?それは、お気の毒に…」とかなり痛ましそうに気を使ってくださったので、私、相当悲しそうなリアクションをしたんでしょうか。
調度お昼の時間で、いやな予感はしていたんです。もともとカギは、市庁舎に頼む、という情報も持っていたし、とすると、昼休みは必至…。
取り急ぎ行ってみます、と小走りに村に向かいます。




シャリアChauriatの、サン・ジュリアン修道院付属教会Prieure Saint Julien。
美しい姿ですが、ここに到着したとき、雨脚マックスという状況でした。

なのに、悲しい予想通り、教会の扉は固く閉ざされています。
はす向かいの市庁舎は、残念ながら、すでにクローズとなっており、取り付く島もなし、という悲しい状況でした。

上の写真を撮影したのは、おそらく普段は、青空市場などの中心地になるのかな、といったような、キオスクのような、屋根だけがある構造物。幸い、雨傘なしで撮影できたので、この姿だけは、レンズがぬれる心配もなく撮影できたのです。

市庁舎にカギを借りる必要があることがわかっていて、昼休みの時間にたどり着いてしまった、自分の計画力のなさに嫌気がさし、しばし、そこで茫然と過ごしました。だって、外から見た様子がとても良い感じで、これなら中もさぞや、という気持ちにならざるを得ないじゃないですか。

その上、もう13時だから、空腹で、でも、見られない悔しさから、この村に長居はしたくない気持ちでいっぱい。で、スマホで、レストランの検索をして、この後の行動を決めることに没頭しました。合理化的な行動ですね、笑。

で、レストランがたくさんありそうな近所の町に行くことに決めて、そうしたら、少し元気が出てきて、せめて外側だけでも、と傘を差しなおして、ぐるりと。




オーヴェルニュおなじみの装飾満載ですが、ここのは、全体がくすんでいて、とても良い感じです。教会の大きさ的にも、私の許容範囲っていうのが、いいのかも。




石のはめ込み細工的なモザイク装飾、そして、執拗な鉋屑軒持ち送り。




こんなところに、結構新しいサッカーボールが。生きている村の生きている教会って感じがします。古い建物なのに、きっと地元の子供はそんなこと構っちゃいなくて、壁にどんどんサッカーボールをけり込んだりしてるんだと想像します。
大人も、あまり何も言わなかったりするんだろうなぁ。
教会に被害を与えたら困るけど、でも、なんかそういうおおらかな様子っていうのは、怒れないものもあります。実際、教会の周囲は広場になっていることが多いので、田舎ではよく見る風景なんですよね。

後ろの方は、ゴシックになっちゃっているようです。




クリュニーの傘下にある修道院だったようです。もともとは門前町、という性質の成り立ちの町なのでしょうね。この壁の中にある土地は、全体が修道院だったのでは。とすると、丹念に歩くと、何らかの発見があったりするのかもね。
そういう細かい成り立ちとか、事前に調べることもしないし、現地に行っても、あまり説明版とか読まないんで、どうもそういうフォローアップができなくて、若干情けないです。




一部は、もはや普通の住宅建物に取り込まれてしまっています。
とはいえ、こういう美しいアーチ装飾も残っています。




とてもプリミティブな彫り物があったりして、楽しくなります。




何とも素朴なグリーンマン。愛らしいです。

最後まで、激しい雨でした。下の写真、縦に入っている線は、雨です。真夏だというのに、本当に寒かった。




とか言いながら、実は、今年のオーベルニュ再訪で、ここのリベンジ、できたのです!
今回は、午前中に訪ねたところ、カギを借りるまでもなく開いておりました。
でも、実はいまだに写真の整理ができていないし、それにここで今年分をアップしたらしたで、混乱してしまうので、それは、今後のお楽しみということで、ご勘弁を。
2年越しで、リベンジして訪ねる甲斐のある中身でしたよ。

さて、例によって、実用情報です。
・駐車は、村を取り囲む道沿い(Boulevard de la Republique、Boulevard Marx Dormoy)、または、壁の中の旧市街まで入り込んでも大丈夫。例えばRue du Commerce通りの駐車場など。
・教会扉にも記してありますが、教会が閉まっている際は、カギは教会正面はす向かいの市庁舎で借りることができるはず。以下、市庁舎の受付時間ですが、7月及び8月の時期は、午前中12時まで、ということらしいです。また、日曜は、当然クローズとなります。




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  1. 2018/09/27(木) 05:43:06|
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