2016.08.オーヴェルニュの旅 その40
寂しい気持ちでショリアを後にして、向かったのは、ほぼ隣町といっていい距離にあるポン・ドゥ・シャトーPont du Chateauです。
この町には、目的としている教会もあるのですが、まずは腹ごしらえが目的でした。
修行旅では、常日頃、教会訪問を優先して、ランチ抜きなどは日常茶飯事なんですが、このときは雨につかれて、教会にすげなくふられて、なんだか寒さが身に染みて、飢餓感といってもいいような空腹感がありました。
スマホで検索したこともあったのですが、確か在フランスの友人に、この町には結構レストランがあるとか聞いていたんだったと思います。
まずは、橋を渡って、町に入ります。
この橋の向こう側から町に入ったのですが、調べた中で、良さそうだった店が、町に入ってすぐの橋のたもとにあるようで、そこを目指したのですが、一見してクローズとわかる有様で、またふられるのかよ~!と思いきや、すぐお隣にLogisチェーンのホテルがあるではないですか!Logisホテルには必ずレストランがありますから、もう取るものもとりあえず、駐車場に車を入れて、駆け込みました。
Hotel L'Estredelle
24 Rue du Pont, Pont du Chateau
お食事は、特筆するほどのものではないとはいえ、笑顔で明るいサービス、英語ができるウェイター、河を見下ろす眺めなど、なかなかよかったです。
どうせ雨だし、と川を眺めながらゆったりと食べていたのですが、デザートを注文したころに、いきなり、がーっと青空が広がってきたんです。
デザート、早くお願いします、と催促したうえに、ほぼ2分で食べて、大急ぎでお勘定して、大急ぎで車に戻りました。
ここから、若干迷走します。毎度のことですが、笑。
あとから気付きましたが、常になくゆっくりレストランで過ごしたので、出た時はもう15時近くでした。
ホテル前の道から、塔が見えるほど、教会はすぐ近くでした。
町の真ん中が丘になっていて、そこにあるので、こうやって塔が見えやすくなっているのですね。ですから、レストランの駐車場から車を出しただけで、その辺の路肩にほったらかして、歩いてアクセスしました。
ところが、たどり着いた時は昼休みで、扉は固く閉ざされていたのです。
ありがたいことに、扉口に時間が記されていました。1時間近く待たないといけないため、一旦、近くの外の町に行き、オープンしている時間に間に合うように戻ることにしたのです。
だから、写真は、ランチ直後のものと、夕方、戻ってきた時のものが混じっています。
ファサードは、かなり新しくなっていて、面白みもないものです。そして、入って愕然とします。
これは、強烈でした。事前に、ある程度知っていれば、あ、これね、と思うのでしょうが、こんなところまでは調べてなくて、ただ、あんぐりでした。
場所によって、柱頭の彩色はされていませんでした。植物系の、ハイ・テクニックな柱頭たちです。
下のタイプなど、彩色されていても、それなりの可愛さはあるかもしれませんが(色にもよりますが)、でもやはり、この石色だからこその愛らしさ、これは譲れませんよねぇ。
こういうのは、まぁ、アリといえばありなんでしょうけれど…。かわいいと言えばかわいいんでしょうけれど…。顔の表情とかに、おおいに現代の手を感じます。そういう意味では、ちょっと、ナシかとも思います。
とにかくツートンカラーで行きたいというんですね。
おなじみの二股人魚も、なんというのか、困惑感が先に立つ。
これが、薄暗くで見えにくい、というなら、大いにありなんですけれど、ここがまた採光よくて、明るいことといったら。
後陣など、装飾キラキラの上に、採光はよし、その上人口の明かりまでばっちりで、どこまでもハデハデ路線突き進んでいます。
柱とか、もう丹塗りの世界ですよ。
なんか困った~!
ある意味かわいかったりするけど、これはもうロマネスクとか超越しちゃってるわ~!
ある意味、デ・キリコが一時やっていた彫刻的な現代性も感じちゃうっていうか。
極めつけ~!
ちょっとグロい感じのゆるキャラでしょう、これは。
彩色がなかったら、かなりイケテルと思うんです、ロマネスク的に。うううん。
これはね、ゆるキャラではなくて、二次元媒体のキャラだと思います。この子は動かしたくないでしょう、不気味すぎ、笑。
たまらん~。
今改めて、どんだけ面白かったんだ、と感心します。
実は、戻ってわざわざ見たわけですが、先をすごく急いでいたんです。教会守のおじさんがいて、大変親切だったし、このように、柱頭も面白かったんですが、現場では、とにかく本堂内を駆けずり回って撮影しまくったような状況で、今思うと、とても残念な見学をしたことです。
そのために、ぶれちゃっている面白柱頭も多くて、それももったいなかったです。
こういう中を見てしまうと、外の姿とのギャップを感じます。
ゴシック時代の手が感じられますが、いずれにしても、相当シンプルな建物です。軒持ち送りも、例によって鉋屑一辺倒で、奇をてらった様子は一切ありません。
柱頭とも通じるようなお顔がついてる鉋屑もありましたけれど。
相当お茶目な石工さんがいたんですね、この辺りに。
勿論彩色のせいもあるのは間違いないですが、でも素朴で変に愛らしいフィギュアなのは、間違いなし。彩色系のチャーミング柱頭に興味ある向きには、必見です。
や、かなりニッチな方向性ですけども。
実用情報
・教会のオープンは、7月8月の、16時から18時半。結婚式のときは、9時から16時とありました。コンタクトとして、Mr.et Mme Labrune(ラブルンご夫妻) tel 0473832729とありましたので、おそらくご近所にお住まいの方なんじゃないでしょうか。
・橋近くに数軒の飲食店があるので、ランチによい町と思います。周囲にはあまりないので。
・駐車は路肩にし放題。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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- 2018/09/28(金) 05:14:17|
- オーベルニュ 03-63-15-43
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| コメント:2
> Atsukoさん
ちょっと激しい彩色でしたね。できた当時も、おそらく彩色されていたのだとは思いますが、このツートンカラーはないんじゃないかとおもいます。
フランスの、この彩色好きは、ちょっとわかりかねるんですよねぇ。
- 2018/09/28(金) 22:27:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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