2016.08.オーヴェルニュの旅 その45
早朝のエヌザに振られて、向かったのはこちらです。
キュラCulhatのサン・ヴォジー教会Eglise Saint-Vosy。
現地に行くまでは、「キュラ村の教会」としかわかりませんでしたが、わかったところで、聞いたこともない聖人の名前で、二度びっくり、という感じです。
後陣側は、かなりオリジナルに近い姿で残っており、オーベルニュの装飾もあります。
しかし、ファサード側は、かなり新しくされていて、教会建物全体は、ちょっとアンバランスな状態になっています。
右側が、ファサード側に続く部分で、ここはお得意の白塗りです。本来は、翼廊や後陣のように、石がそのままむき出していたのではないんでしょうか。もったいないことです。まぁ、漆喰を塗ることで、剥落防止とかの効果がないわけではないのでしょうけれど、でも、歴史や芸術性を取ってほしいですよねぇ、実用よりも…。
ロマネスクを求めて訪ねてきて、このファサードだけ見たら、引き返してしまいそうです。
でも、中は意外にも結構好きでした。
意外にも、というのは、やはりかなり塗られていたからです。
入場したときは、しかしびっくりしました。
木製の支えがあっちにもこっちにも。
途中にポスターなんか張って、まるで飾り棚扱いですが、これはどう見ても、崩壊防止の支えですよね?
それでいて、特にアクセスを妨げるものもなく、いいのか?と、ちょっと恐る恐るの気分でした。
かなり激しいですよね。これは、三つ後陣のそれぞれをつなぐ通路部分のアーチですが、強烈。
確かに上の方に、ひびが入っていたりするので、白塗りのせいもあってそうは見えないですが、建物として、相当ガタが来ているのですね、きっと。
さて、この支えの入っているアーチ基にも見えますが、この、白塗りで、かなりそっけない様子の教会の中で、何がよかったかというと、柱頭なんです。
ほとんどが植物モチーフで、いずれもとてもシンプルなんですが、それが、かえってデザイン的で、好きでした。この、葉っぱの並んでいるだけの柱頭なんて、なんというか、石工さんのセンス、半端ない気がします。
大げさですか。でも時代も何もわからないような、そういう作品だと思いました。
技術もモチーフのアイディアもないし、人のフィギュアなんて彫れないし、という苦肉の結果ですかね。いや、でもこの究極のシンプル葉っぱはすごいです。葉っぱ、だと思うんですが、笑。
時には、お団子を入れてみたり。
こんな帯を組み合わせてみたり。工夫が感じられます。
それにしても、このお花の完成度。これは、実際、いつの時代のものなんだろうか。
この柱頭の様子には、全体の白塗りもマッチしている感じがして、それで、いやな感じがなかったのかなぁ。
これ、なんでしょうか。
なんか、祭壇とかに置いてある祭具っぽいですが、そんなもんを柱頭に彫りますかね?
全体にとっても地味でシンプルで、でもそれが独特の美しさや親しみやすさを醸し出している教会でした。
ところで、最近やっと、サクサクとアップするリズムが出てきたところで残念なんですが、2週間ほど一時帰国で不在となるため、ブログはお休みします。
紅葉でも求めての一時帰国なら、本当に楽しい季節だと思いますが、必要に応じたものなので、実は結構憂鬱。まぁ、人生色々ありますからね~。
では、また月末に。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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- 2018/10/09(火) 05:01:37|
- オーベルニュ 03-63-15-43
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