2016.08.オーヴェルニュの旅 その52
うかうかしてたら、クリスマスになっちまいましたね~。メリークリスマス!
それは置いといて、メラMailhatの続き、行きます!
それにしても、ですが、フランス語って、やっぱり厄介ですよね。このつづりでこの発音、ちょっとでもフランス語やらなきゃ、絶対に読めないですよ。現地では、マイルハット?程度の感覚だったんで、正しい発音する人とは、絶対に分かり合えないこととなりました。そういう地名が多いせいか、どうもフランスの教会は、事前調査でも、現場でも、振り返りでも、常にぼんやりとした名前しかわからないんで、私には、いつまでたっても、今一つなじみになれない、という現実があります、笑。
メラのノートルダム教会Eglise Notre-Dame-de Mailhat、前回は、悶絶楽しい内部の柱頭を紹介しましたが、今回は外側です。
扉全体の姿は、前回の記事をご参照いただいて、やはりまずは、この、フランスらしい装飾の付いた、木製扉でしょうかね。
開いててよかった、というところですが、自分で開けるチャンスがあれば、ワクワクすること間違いなしな鍵ですねぇ。
さて、この扉周りは、一見、幾重にも重なったアーチが印象的ですが、アーチには装飾がなく、その根元の方が楽しくなっています。
まずは、向かって左側の並び。
傷んでしまったものを、一部修復した様子ですが、特に右端のおしくらまんじゅう状態、いかにも、です。ズームします。
例によってぽっかりとした表情の人々が、どうやら、つかまっている様子ですが…。わっかになっているのは、綱でしょうか?でもつかまっている緊迫感が感じられないし~。
同じ並びに、聖職者らしい姿が見られますが、何か、つながったストーリーがあるのでしょうかねぇ。無知な上に、旅から2年もたっているのに、全然復習できていなくてすみませんが。
それにしても、副柱頭の彫り物も、大変好みです。
そして、向かって右側。
こっちも、植物モチーフがメインという様子ではありますが、扉に最も近い柱頭、変ですよね。
これは、イタリアではモーロと呼ばれた、アフリカ人のように見えます。だとしたら、こんなところに彫られているのは、初めて見ますが、まったく勘違いなのかなぁ。
今、付け焼刃的に検索しても、なかなか詳細が出てこない…。
珍しい、という意味では、そのお隣の、限りなくシンプルなこいつも。
これって、めんどりに見えちゃうんですが、角っこに普通に一羽で(双頭とかの工夫がなく)、それもめんどりって…。違うのか?いずれにしても、間抜け面がお気に入りです。
扉周りでは、しかし、最も注目を引くのは、扉のすぐ周囲を固める彫り物の数々。もうあまりにも嬉しくて、近づくのもためらわれるっていう状態でした。
まず、右側。
なんかめっちゃいいですよ。お干菓子的なお花もいいし、顔もやっぱりぼっかりぼんやり風で、味があります。一番上のは、これもモーロに見えますし、一番したのは、一見、ダースベーダー的ですね~。
アップしても、意外と被り物系の様子がありますけど、笑。
ファンタジー系の作り物をする人は、結構ロマネスクって見てるんじゃないか、と時々思います。人間の創造力って、限界があると思うけれど、ロマネスクの彫り物には、実に奇怪なものがたくさんありますし、彫り物は、朽ちていたりすると、さらに想像力が刺激されるようなこともありそうですし。
話がすぐそれてしまいますね。
この方、手のひらを胸の前で広げているから、祝福のポーズをしているようですが、お召し物が実に不思議です。
そして、もはや目をそらしているわけにはいかず、左側です。
遠回りをして、やっと教会について、この扉を見ながらも、まずは開いているうちに中に入らんと、と思いつつ、この扉装飾を見た時に、わざわざ訪ねた甲斐を、大いに感じていました。そういう教会ですので、万が一中が見られなくても、ここは絶対に訪ねる価値があります。
いいですよね、この、無秩序的なモチーフの縦並び。
ここは、罪の戒めがテーマになっているらしいので、これは守銭奴なのかな。金袋を抱えているのでは。でも、戒め感がないから、どうなんだろう。かしこまっていますけれど。
守銭奴の真下にお魚がいますけれど、お魚はキリストのシンボルだから、下からツンツンされちゃっているってことなんだろうか。
誰にでも描けそうだけど、単純すぎて意外に描けない、ピカソの抽象画的な難易度のお魚。勝手なこと言ってますが、笑。
そしてその下には、よく見る図ですが、痛そうなやつ。
蛇に、おっぱいかまれちゃってるやつ。痛そうなうえに、せまぜましい三角に無理無理押し込められている様子が、情けないやらかわいいやら。
扉を堪能したら、あとは、色々改変されている外観の中で、古い時代の名残を探しながらぐるりとするのみです。
上の方はゴシック以降に積まれてしまった様子です。下部に残るニッチのアーチ部分、そして、オリジナルの屋根の高さであろう部分の軒持ち送りに、楽しいものが見られます。
軒持ち送りには、おなじみの鉋屑、それ以外、と結構バリエ豊富で、楽しいことになっています。また、アーチに、こういう風に点々と小さなモチーフを並べるのが、この辺り多いですね。シンプルだけど、小さくてかわいいものが好きな向きには(オレ、笑)、受けます。
軒持ち送りの動物シリーズ、かなりかわいいです。
やばいのもいます、笑。
どこもかしこも楽しすぎて、紹介しきれませんね~。
こういうものがお好きだったら、何をおいても、ここは訪ねるべきです。強力にお勧めします。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
インスタグラム
スポンサーサイト
- 2018/12/25(火) 20:40:50|
- オーベルニュ 03-63-15-43
-
| トラックバック:0
-
| コメント:4
やはりフランスを避けてはロマネスクを
語れないようですね!近い場所は後回しと思っていますが,アルメニアとか遠くに行きたい場所が残っていますので,今年行こうと思っていたのに行かれませんでした。来年の予定にしましたが,妹にスコットランドに行こうとか誘われて旅行の時期とか考えるとどうなるか分かりません私がシシリアに行く時はあちらはメキシコですからこれは予定通りです。
- 2018/12/26(水) 12:02:00 |
- URL |
- Atsuko #79D/WHSg
- [ 編集 ]
> 古民家の田舎暮らし<山下亭>さん
こういうのが好きな人には、たまらない教会だと思います。私にとっても、オーヴェルニュで好きな教会の高位になると思えるので、本当に行ってよかったです。
- 2018/12/26(水) 17:02:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
- [ 編集 ]
> Atsukoさん
フランスのディテールは、やはり見るべきものがあり、研究者が多いのも、わかります。まぁ、好みの問題ではありますが、数でも質でも、見とかないと、って感じですね。
アルメニア、私も大変興味のある土地です。でも、フリーの旅はなかなか大変そうで、ためらう土地でもあります。アルバニアとかセルビアなど、是非行きたいけれど、どうしても躊躇する土地、多いです。
あちこち気軽に行かれていて、うらやましいです。
- 2018/12/26(水) 17:04:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
- [ 編集 ]