2016.08.オーヴェルニュの旅 その54
グレーヌ・モンテギュで、もともとの行程に戻り、その後、早朝に空振りだったエヌザで、無事拝観がかない、刻々と一日の終わりが近づいています。
宿泊地に近い町、リオンRiomに向かいました。
地図で見ても、かなり大きい町だろうと想像は着きましたが、一日中小さな町村を駆けずり回っていた私にとっては、大都会でした!
ドキドキしながら、大通りの路肩に、何とか駐車して、徒歩でアクセスした教会は、なんだかもう、都会に似合っているというか、勝手が違うというか。
サン・アマブル大聖堂Basilique Saint Amable。
激しくゴシックで、町にもうんざり、教会にも出会い頭にがっかり、というところです。
でも、せっかく来たんだしね。
陶板のかわいい図解がありました。時代が明記されていて、黒い部分が最も古い12世紀の時代のもの。要は、中央身廊部分のあれこれですね。
それがどういうことかというと。
こういうことでした。
構造は、古いままなのでしょうけれど、もうなんというかすっきりしちゃってて。
一応、柱頭は、往時のものなんでしょうが、彩色ぬりぬり激しいし、うーん。
彫り、というよりも、ほとんど描かれちゃっている様子です。
もともとこういうシンプルな彫りのようですが、それならそれで、色がはがれたままで残されている方が、よほど、味があります。
うひゃぁ、の後陣。
柱頭は、シンプルな植物モチーフで、悪くないのですが、彩色が激しいので、そそられませんでした。
エヌザなどと同様、どうやらヴォルヴィックの黒石が、使われているようですね。それに合わせて、なんか派手な色にされちゃったのかしら、という気もします。
石色であれば、結構好みかもしれないんですけれど、これでは…。
とにかく全体の新しい様子がなじみませんでした。
外壁の、このオーヴェルニュ装飾は、見事。こういうのは好き。
やっと、とてつもなくかわいいやつ、いました。
善き羊飼いの図でしょうか。これは愛らしいですねぇ。羊らしからぬ羊の間抜け面といい、しっかりと足を抑え込む、腕の縞々お袖といい。こういうのが、石色のまま、もっと残されていたら…。
なんて言ってても仕方ないですが。
でも、外壁の柱頭は、きっともともと彩色がないはずですよね?どうなんでしょう。
軒持ち送りは、当然という感じで、果てしなくずらずらと鉋屑です。飽きることなく倦むことなく。
壁の装飾、古び感も含めて、好きです。
駐車から15分足らずで見学終了。おかげさまで、もう一つ、頑張ることができたのは、よかったのかもしれません。というより、ここは端折っても、後悔がない教会ではありましたが、因果なことに、行ってみないとそれがわからないんですよね。
本当に因果だわ~。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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- 2018/12/27(木) 00:58:56|
- オーベルニュ 03-63-15-43
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| コメント:4
リオンは大きな街ですから、教会も都会風に彩色されて居るんでしょうね?
遺跡保存と言う事をはき違えて居るのかも・・・・・・・
- 2018/12/26(水) 22:42:00 |
- URL |
- 古民家の田舎暮らし<山下亭> #79D/WHSg
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日常的に礼拝で使われている教会はその時の一番良いと思われている形式に修復されたりしているのでしょうか?地元では60年位前に土地問題で建てられいた教会をすっかり壊して新しい土地に教会を建てました建物が残されているだけでも,ましかも知れません,また壊されないでも売られたりしている小さい教会もあって家に改造して住んでいたりとかもありますね!
- 2018/12/27(木) 06:25:00 |
- URL |
- Atsuko #79D/WHSg
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> 古民家の田舎暮らし<山下亭>さん
何かしら残っているだけでもありがたい、というところでしょうか。特に、ロマネスクには珍しい都会の教会は、仕方ないかもね。
- 2018/12/30(日) 11:38:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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> Atsukoさん
そういうことはありますね。フランスなどは、結構近年の修復が多く、数十年前に行かれている方は、びっくりされるケースもあるようです。
イタリアは、お金がないからか、近年大きく変わることはほとんどないんですが…、笑。
教会じゃなくなる教会は、結構ありますね。展覧会場になっていたり、カフェになったり。廃品利用的で、悪いことではないと思いますが、寂しさはありますよね。
- 2018/12/30(日) 11:40:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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