2016.08.オーヴェルニュの旅 その67
ブルボン・ラルシャンボーで、すっかり満足して、長い一日の終わり、宿泊地に向かいます。またまた西方向に30分弱のドライブ。なんだか狭い地域をぐるぐる回っている感じですけれど…。
この日は、セリリーという小さな村に泊まることとなっていました。
疲れ果ててたどり着いたホテルで、ちょっとごちゃごちゃとあったのですが、ホテルについては、別途まとめたいと思っています。
というのも、フランスでもスペインでも、またイタリアでも、田舎地帯って、ホテル探し、結構大変なので、情報としてそれなりに意味があるかと思っているのです。
さて、この村は、宿泊しなければ、おそらくわざわざ訪問することはなかったと思うのですが、一応教会があるのでした。
というわけで、疲れた身体にムチ打って、荷物を部屋に放り込んでから、取り急ぎ、教会を目指します。
セリリーCerillyのサン・マルタン教会Eglise Saint-Martin。
真昼間のような明るい青空ですが、これでも17時半を回った時間です。比較的早くに、宿泊地にやってきた方ですけどね。なんせこの日は、ピュイ・ド・ドーム県のリオンで、7時前に起きて、8時半には出発、アリエ県に直行して、ドメラ、ウリエル、サン・デジレ、およびその郊外の礼拝堂、そして、イグランド、アゴンジュ、サン・ムヌー、ブルボン・ラルシャンボーと、なんと7カ所プラス1、回ってきていますから、結構身も心も酷使してきています。
だから、身体的な本音から言うと、夕食前には、のんびりとビールでもやりながら、カフェに座っているか、またはベッドでウトウトしていたい、くらいな気持ちもあったのですが、修行旅には、そういう余裕はないんですよねぇ。病気が恨めしいっていうところです。
ロマネスクにはまるまでの私の旅のパターンは、どんな土地についても、観光地は差し置いて、まずカフェでビール、が定番だったんですけどねぇ。
おっと、話を戻します。
教会、上の写真を見てもわかるように、かなり寂しい改装がされちゃっている様子で、もともと期待していないものの、見るからにがっかりしてしまいます。
この扉周りのように、古い時代の名残が散見されるだけに、なんでこういう改築とかをしちゃうのかな、と憤りにも似た気持ちを感じてしまいます。
建物を永らえさせるためもあったのかもしれませんが、手あたり次第、行き当たりばったり、という印象が強いです。
入場します。
残念ながら、構造的には、ほとんど後代のものと見受けられます。が、驚くべきことに、わずかながら、ロマネスク時代のものたちが生息していたんです!
奥まった後陣部分は、オリジナルのスケールで残されているようでした。
ごちゃごちゃと彩色があって、わかりにくいのですが、往時を髣髴とさせる柱頭があるんですよ。
いきなり、ミクロにかわいいものがあって、びっくりでした。
見回すと、そういう世界なんです。
色が邪魔くさいような気もしますけれど、でも、この色合いは、オウケイ。わたし的には十分受け入れられます。かわいいんですもん。
彫りとしては、限りなくシンプルで素朴で、稚拙ともいえるかもしれませんが、何ともほっこりとした愛らしいものばかり。
なんか、独特の世界観を感じる柱頭たちです。
言ってみたら、谷内六郎さん的な?笑。
この少女は、何とも言えないかわいさですよね。でも色がついてなかったら、なんだかよくわからないあいまいな彫りかもね。表情なんかは、ほとんど色を付けた人が描いちゃっている状態ですもんね。
見るからに超浅彫りで、彩色が前提だろうというようにも考えられますね。そういう発想、なかったけど、そういうこともあるのかもしれないですね。彩色で、石工の腕がなくても、ごまかせる。そういうことか~(勝手な説です、笑)。
ホテルの問題があったこともあるのでしょうが、それにしても、地味なのに、よく記憶に残っている教会です。記憶の残り方に、何の法則性があるのか、よくわかりませんが、ここに関しては、思わぬ可愛さ、外と中のギャップですかね。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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- 2019/01/15(火) 05:51:15|
- オーベルニュ 03-63-15-43
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| コメント:2
週刊新潮…(*≧∀≦*)!あははは!可愛らしいですねー癒されます!
日本の神社の宮大工の仕事にも最近改めて感動しますが、イタリアの石工さんも素晴らしいですね。
ホテル探し、corsaさんはネットですか?私も毎回宿泊どうされていらっしゃるのかと思っていました。なかなか大変ですよね。夏しかやってませんなんてところもあるし。
色は最初はもっとコテコテだったんでしょうね。今がちょうどいい感じ!
- 2019/01/14(月) 22:50:00 |
- URL |
- まーたん #79D/WHSg
- [ 編集 ]
> まーたんさん
ね、かわいいよね。手が、何とも言えない味。
しかし、谷内六郎さん、と言っても、もうわからない人も多いのかもしれないなぁ、と、あとから思いました。
今日、珍しく真面目にホテルのことを記事にまとめてみました。毎回本当に苦労するんですよ。皆さんがどう探しているのか、知りたいくらいなんです。まーたんさんも、スペインとかお住まいだったから、結構田舎を回られていますよね。
- 2019/01/15(火) 22:33:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
- [ 編集 ]