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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

まさかお尻では…なかったです、多分(シャップ)

2016.08.オーヴェルニュの旅 その69

前回の難しい読みの村から、15キロほど南下したところが、次の目的地です。
あそこだな、と、当時のメモを読みながら、思い出す教会の姿があったのですが、念のためグーグルで見たところ、ロケーションのイメージと、教会のイメージが、いろいろと他の場所と混じっていて、不思議な記憶の残り方していることがわかりました。
記憶って不思議ですよねぇ、つくづく!




シャップChappesというかなりの田舎です。
ほとんどの町村が田舎ではありますが、ここの田舎度は、取り分けて印象的でした。
空が広いことと言ったら。




教会は、そういうだだっ広い感じの集落に、やはり土地あまり状態で、建っています。




サンタンヌ教会Eglise Sainte-Anne。

正面に回ります。




立派な鉄扉が見えますが、ひるみません。というのは、事前に、以前行かれた方の情報として、「鉄扉で閉ざされているようだったが、ちょっと力を入れたら、開いた」とあったので、そういうもんだと思っていたんです。
ところが、近づいたら、およそ、力を入れたからと言って開くような代物ではないことが、わかりました。ガーン。

扉周りの紹介とともに、鉄扉の様子がちょっと写っていますけれど。




すごくしっかりした作りですよ。頑丈だし、比較的新しそう。もしかして、教会荒らしとかにあったんですかねぇ。田舎だと、目が届かなかったりして、通りすがりの悪いやつもいるかもですよねぇ。一応、中が垣間見える鉄扉、というところに一抹の良心は感じますけれど、何とも無粋ではありますよねぇ。
せっかくの柱頭も、このありさまで。




くねくねした角度に、ごつい鉄扉を合わせているのが、執念というか、すごいです。ここまでしないではおられなかったような事件があったとしか考えられませんが…。それにしても。

網目の一枡が、比較的大きかったので、何とか内部の一部の撮影には成功しました。後陣部分は、例によって、ごたごたと色塗り装飾がされていて、特に食指も動きません。




が、柱頭は、面白そうでした。




髭まで蓄えている様子の、立派なおっさん系二股人魚みたいです。




和菓子のような優しい彩色が、あえかに残っている、葉っぱバリエですかね。素朴でとっても素敵。
下手すると、手前の網にピントが合ってしまって、内部が撮影できていないこともあるので、これは成功しましたね。
それにしても、残念。垣間見えるだけで、これだけかわいいので、正面から見えないところにも、きっと隠れているんだと思います。

扉周りは、地味です。この辺りは、アーチを重ねるのが主で、あとは帯装飾くらい、というのが多いようですね。




教会近くで、立ち話しているおっさんが二人いたので、カギのことを聞いたんです。そしたら、市役所にあるはずだけど、ああ、今日は閉まっているなぁ、ということでした。平日の火曜日だったんですけれどね。

最近では、田舎の市役所は、教会同様、いつも開いているわけではなく、下手すると、週に数日、それも限られた時間しか機能していない、ということを承知していますが、この旅のときは、まだそういう実務的なことをあまり知らなかったので、もう閉まっている、とか、明日なら開いているとかいうことに、ひどく驚いたことを覚えています。素人だったなぁ。

それでも、この道を1キロくらい行くとあるよ、というので、一応訪ねてはみたんです、車で。そしたら、いつもとは反対で、ほんの500メートル、いや、もっと近かったかも。あのおやじたちは、もう車の生活もしていないのかもね。
で、市役所は、おやじたちの言ったとおりに、固く閉まっておりました。残念。

おっと話が飛びましたが、中はあきらめて、外側を。




何やら、小さめの軒持ち送りもずらりと並んでいます。
窓の上部に合わせてつけられた飾り帯も、好きなものです。全体に新しくなっていますが、要所に中世テイストが残されているのは、好感度高いです。




おけつにしか見えず、面白くて撮影しましたが、さて、なんでしょうね。

後陣の方にもずらり。




鐘楼には、あちこちで目にした三角のブラインドアーチが見えますね。説明版には12世紀とありましたので、中世期ですが、おそらく後期のものなのでしょうね。この辺りでは、かなり流行ったんですね。

シンプルだけど、妙に愛らしい人たちがいます。




お尻っぽいのは、実は、仲良く並んでいるペアの頭部ですかね。




摩滅して、のっぺらぼうになっちゃったのかな。そうですよね、おけつってことはないですよねぇ、笑。

ちなみに、教会が捧げられた聖アンナは、聖母マリアのお母さまで、教師の守護聖人になっているんだそうですね。
しかし、アンナに捧げられた教会って、他には思いつかないくらい、もしかして、珍しい?土地柄があるのかな。イタリアでは出会ったことはないように思います。

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  1. 2019/01/23(水) 06:51:35|
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  4. | コメント:2
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No title

ジェルザレムに聖女アンに捧げられた教会があります。
ここは聖母マリアの両親が住んでいて聖母マリアの生まれた場所とされています。
音響効果の素晴らしい教会で歌声が天に昇っていきます。
フランスのペール・ブランシュ修道会が管理しています。
私の思い出のイスラエルの図書に写真つきの記事を書いていますので、お時間のあるときにでもご覧ください!
  1. 2019/01/23(水) 00:00:00 |
  2. URL |
  3. Atsuko #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> Atsukoさん
ご案内ありがとうございます。
聖アンナの教会なのに、なんだか記事に変なタイトルをつけてしまって、反省しています。
  1. 2019/01/23(水) 22:28:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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