2016.08.オーヴェルニュの旅 その74
メイエールMeillersのサン・ジュリアン教会Eglise Saint-Julienです。
前回は、この教会一番の見どころであるファサードの装飾を紹介しましたが、今回は、内部です。
地味な雰囲気ですが、とっても、すがすがしい祈りの場、という空気が漂っています。 実は、中に入った時、先客がいたのでした。入ってすぐ気づいたのですが、若い男の子が、内陣のすぐ手前の椅子に座り、深く深く祈っている様子だったのです。
邪魔したくなかったので、彼の視界に入らないような位置をうろうろとしたりしたのですが、邪魔をしないで後陣の見学は無理。 ということで、なるべく音を立てないように、すり足で歩きながら、外に出てみたり、ウロウロしていました。 そんな行為が、すでに、祈りには邪魔ですよね~。それはわかっていたのですが、私にしても、わざわざ遠方から訪ねているため、ミサならもうそれは仕方のないことですが、一人の信者さんがお祈り中だからと言って、仕方なく見学を諦めます、というわけにもいかなくて、こういう時は、本当に辛いのです。
ちなみに、私は、撮影に際して、カメラのシャッター音は消しています。国籍や写真の腕を問わず、盛大なシャッター音をさせて撮影している人が多いのですが、はっきり言って、あれは不快…。一度、同行の友人に、無音設定にするように頼んだことがあるのですが、無音だと、シャッターを切った瞬間がわからない、つまり、撮影できたかどうかわかりにくいから、嫌だと言われたことがあります。そういう理由だったことも気付かなかったので、納得はしたのですが、教会のように、静まり返った場所では、あのシャッター音って、かなり耳障りです。少なくとも、私は嫌い。 教会での撮影で、他に人がいる場合は、どうぞ、シャッター音はなるべく消してくださるよう、お願いしたいです。
ま、というわけで、無音で撮影していますので、このくらい離れていれば、撮影しまくっていることもわからなかったとは思うのですけれどもね。
構造は非常に地味で、目につく柱頭も、シンプルで地味な植物系とかがほとんどです。
面白そうなものが、遠目に見えるんですが、近づけないので、また外に出て、扉を楽しんでいたら、祈りの少年がやっと出てきました。目があったら、小さい声でつぶやくように「Bonjour…」と言いながら、天使のようにニッコリ。 おばさん、ズキューン!やられました! 祭壇の方を一心に見つめながら、微動だにせず、座り続けるほどの何かがあるのか、あったのか、わたしの知ったこっちゃないですが、若いって色々大変なこともあるよね、とか、去り行く彼の後ろ姿を見ながら、しみじみとしてしまいました。
感化されやすいので、彼の座っていた席に、私も腰を下ろして、しばし瞑想の時間…、と思ったのですが、まったくダメ!
その席から上を見上げると、アーチの根元に、変なもんがいるんですよ。
こんなタコ坊主みたいのが見えたら、瞑想どころじゃなくて、思わずププっと笑っちゃいますよ~!
横っちょの窓のアーチにも。
かなり斬新なモチーフだと思います。
ヒトの頭部と、そして、シンボリックな感じのするオブジェクトの組み合わせ。これら、本当に楽しくて、悩んでいても、なんか笑っちゃう、という代物だと思います。シンボリックなもので、何か深刻な意味があるとか?は、ちょっと考えにくい。
そういう意味ではよい教会だと思うんですが、でも、こういう彫り物を、要所要所に置いてしまう、このロマネスク時代の教会に求められたもの、というのが、いくつ教会を回って、真面目な彫り物も、こういうふざけたみたいな彫り物も、山ほど見てきて、それでもなおかつわからないから、また面白いですね。
ちなみに、この教会の側壁と向かい合う場所に、田舎っぽいレストランがあります。まるで、そこでランチすることを目指してきたような時間配分で、見学後に、食事をしました。労働者風の方が多かったので、そういう会社が近くにあるのか、働く人向けの定食や、という風情で、安くておいしいご飯が頂けました。
La Trattoria De Meillers Le Bourg, Meillers レストランだというのに、飼い猫飼い犬が、お客さんのテーブル下を、おねだりしながらウロウロしていたりします。猫好きなので、それすら嬉しかったです。 そして、こんな田舎の村の、さらに田舎なロケーションだというのに、おばさんが英語をしゃべる人だったんですよ~。それで、ファサードが修復に入る、という情報を教えていただいたんです。 今、グーグルで検索したら、なんとイタリア料理屋だったのですね。まったくそういうイメージなかったですが…。 お勧めです。
最近はまっている写真サイト。ロマネスク写真を徐々にアップしています。
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2019/02/01(金) 06:15:51 |
オーベルニュ 03-63-15-43
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