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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ドラゴンは、どっから来たのかなぁ(ベルナーヴ)

2016.08.オーヴェルニュの旅 その95

次に訪ねたのは、こちらです。




ベルナーヴBellenavesのサン・マルタン教会Eglise Saint-Martin。
村の中心部にあり、教会まで、車でアクセスできます。と言っても、ああ、情けないことに、ほとんど記憶が…。

ここで見るべきは、上の写真のファサードの装飾と、そして内部にいくつかある、激かわの柱頭だと思います。

まず、ファサード、扉周辺部から。




アーモンドの中にいるキリスト、そして、それを支える二人の天使。とてもよくある図像ですね。石色の地味さに加えて、浮彫も、地味目な感じです。ダイナミズムがないわけではないのですが、なんというか、全体に質実剛健な作品に感じられます。




アップで見ても、やっぱり地味なキリスト像。そこらの、薹が立った髭面のニートみたいが、キリストに扮しているみたいなぎこちなさが感じられるっていうか。ちょっと無理して、祝福のポーズなどを取ってみました、みたいな空気っていうか。まだ経験浅いもんで、と頭を掻いちゃうようなって言うか。
相当勝手なことをイメージしちゃってますが、おそらく、固いんですよね、表現が。
ここでもエルサレムを背景にしているようですね(ちょっとは学習しています)。

両脇の天使はどうかというと。




こちらは、支え方の必至度が、結構すごいっていうか。衣がまとわりついた足に、しっかり体重かけている様子じゃないですかね?大事なのは、腰とひざですよね、とかいう会話をしてそうな、笑。
今、上部は損傷してしまっていますが、いずれにしても、これだけ立派な翼をのびのびと彫っているというのは、スペースに余裕があったということで、全部完璧でも、これ以外のフィギュアはなかったものと思われます。翼と身体の縮尺が、なんかね。

アーキトレーブの部分には、足を洗っている図と、最後の晩餐らしい図が並んでいます。




地味に細かいですね。なんかしみじみするような条件があらわされています。地味なりに、訴える力のある石工さん。




ヨハネとユダかなぁ。
それにしても、この石、なんでしょう。表面がグレーで、ところどころはがれて白くなっていますが、そういう石灰岩的な柱状にはがれやすいタイプの石なんですかね。

まぐさの一番右側に、足を洗っている図があるのですが、それに最も違い晩餐の右端の二人が、このテーブルがなくなっちゃっている場所にいるんですが、この人たち、どうなっちゃってるんですかね。これは、美脚誇示?まさかね。




それにしても、見事に顔が取られてしまって。革命のときの狼藉らしいですが、結局なんでしょう、今、イスラム過激派がやっているようなことをやっていたということなんでしょうか。革命って、そういうことだったんだっけ?と、大きな疑問符です。

石色が全体に地味なんで、装飾過多、というイメージは一切湧いてこないのですが、よく見ると、結構装飾的なエレメントがびっしりです。




上部に並べられた大きめのブラインドアーチと小さなつけ柱、美しいと思います。

扉脇の側柱柱頭は、植物モチーフ。




一筆書きのようなタイプの、単純だけど、装飾として効果的な彫り物です。

さて内部へ。




こじんまりとした三身廊で、プランはこうなっています。黒塗り部分がロマネスク。




白抜きが近現代のものとなるようです。
三身廊と言っても、側廊は、この狭さ!




こういう、「三身廊にした意味があるのだろうか」というようなサイズ感の建築は、イタリアではあまり見ないように思うのですが、どうでしょうか。スペインでは、見たことがあるように思います。イタリアだと、この程度の広さなら、あえて三身廊にしないような気がするんですが、そんなことはないでしょうかね。
これは、建築的に、支えという意味でのアーチ構造なのか、または、様式として、トレンドとしての三身廊なのか、そのあたり、気になっていますが、いまだちゃんと調べたことはありません。
円柱がオリジナルで、その周囲にあるのは、後代に補強としてつけられた支えかもしれませんが、いずれにしても、いすなどは置けませんし、今の米国などに見られる、いわゆる百貫デブ(死語?)的な人は、通り抜けるのも容易ではないような幅ですから、本当に不思議な気がします。

さて、冒頭に触れた柱頭ですが、勝利のアーチの根元のところにあるやつが、かわいいんです。




どうですか?!めちゃくちゃ、愛らしくないですか。ふん!と粋がっているようなフィギュア、そして、エルマーと竜のドラゴンをちょっとこわもてにしたようなヘンテコなドラゴン的なうろこぬるぬる系。図像としてはダニエル的ですが、これはどう見てもドラゴンですよね、かぎ爪だしね。
副柱頭下にある、バッテンモチーフもすごく好きです。

アトラス的なこの人たちも、異色な感じ。




重量挙げのスタイル。結構リアルな感じがします。上の、粋がりの人とは、ずいぶん違いますね。
違うと言えば、これらとは全く違うタイプの柱頭もあるんです。




なんか現代の人が中世風に彫ったような様子にも見えちゃうんですが、そんなわけもないですね。わたしは、圧倒的にエルマーと竜の方が好きです。
なんと、もう一つあるんですよ。竜に特化したやつが!




どう見ても、ラプラス…。背景に花とか緑をあしらって、ほのぼのした雰囲気を出そうとしているのか、または黙示録なのか…。どう見ても、このドラゴン、かわいいです。

可愛いと言えば、こやつも。




妙にゴージャスなにゃんこが、高貴な様子で番をしていました、笑。

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  1. 2019/03/29(金) 06:51:19|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
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  4. | コメント:1
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コメント

No title

旅なんかしてないでニートになまぽやってくれ~。
仕事したないんでwwwwwwww
ニートにもお金あげて。
イタリヤとか言ってないで。
それとぼく大人なんでwwww
ニートにお金あげるように政策としてなんか提言して下さい。
  1. 2019/03/29(金) 03:46:00 |
  2. URL |
  3. おがいじ #79D/WHSg
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