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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

視覚なんていい加減なもん(大学)

フオリサローネFUORISALONE 2019 その8そして最終回

例年は、パンフレットを入手するために、初日に行くことが多い大学ですが、昨年会社が引っ越して行きにくくなったため、今回は中日の夜に立ち寄りました。日が暮れてから行くのは、初めてのことかもしれません。
もう20時は回っていましたが、まだ暮れ切っていない美しい空の時間でした。




人出がすごく、大音量で音楽もガンガンにかかっていて、まさにイベント状態です。
ここの展示は、会期中毎晩24時までオープンしていることもあって、夜も楽しめるよう、ライトアップを想定した内容になっています。昼と夜では、イメージがかなり変わるはず。




正直、インパクトのある作品は少なく、事前のチェックでも、どうしても見たいものはなかったので、かなりさらりと見学しました。
上の、メインの中庭に置かれた作品は、上から見ると、HELPという文字が形作られているんです。




Help the planet, Help the Humans by Maria Cristina Finucci

オレンジの光がともっているのが文字なんですが、これね、東北大震災のときの映像がよぎってしまって、上から見た時に写真が撮れませんでした。地球を救え的なコンセプトはわかりますが、このやり方は、あまりに直接的で工夫がない上に、デリカシーがない。




このシャンデリア支えのキリンさんは、すっごく好きでした。こういうものが置ける庭のある家、あこがれます。変なあこがれ方ですけれど、笑。

奥の方の中庭の一つ。




From Shipyard to courtyard by Lissoni Associati

大きな船の骨格がドカン。
ちなみに、今回の大学を舞台としたインテルニ主催の展示は、ヒューマン・スペースHuman Spacesというのがテーマとなっています。ヒトの場所。ノアの箱舟的な?




MultiPly Milano by Waugh Thistleton Architets – Arup

白木でできたキューブが、積み木のように組み合わされていて、登ったり下りたりして、通り抜けできるシステムになっていました。普段なら、試せるものは何でも試すタイプなんですが、このときは一日の終わりで疲れ切っていたので、しばらく人の流れを眺めていました。住宅とかインテリアをベースコンセプトにしているんだから、こういう展示は、あまりに普通で、ふーん、という感じで終わってしまいますね。




Sacred Geometry by Dorota Koziara, Mariusz Miekos, Karim Rashid

これは、ガラスの食器とかオブジェの展示を見ながら、さらりと通り過ぎてしまったのですが、柱が、ガラスのマテリアルで面白い形になっていたりするんですね。ポーランドの由緒正しいガラスメーカーさんの出展だったようです。
本当にさらりと通り過ぎちゃうんですが、とても印象的だったのは、通過する際に、ずっとガラスの割れる音がするんですよ。ガシャンっていう、いかにもガラスの割れる音が連続的に。
それで、自分、ガラスの割れる音、大嫌いなんだ、と気付きました。生まれて初めて、すごく嫌いな音なのに、認識したことがないっていう事実が面白かったです。だって、連続的にガラスが割れる音を耳にする機会なんて、そうそうないですもんね。実にいやな音。




La Foresta dei Violini by Piuarch - Nemo Monti

本物の木が使われていたのが、インパクトありました。なんか洪水で倒れちゃった木を使っているそうで、このために倒したわけじゃない、ということがわざわざ書いてありました。バイオリンの森、というタイトルなんで、バイオリンに使う木があるところから来たんでしょうかね。それもまた、人の場所なのかな。

今回、一番気に入った展示が、これです!




Human Proportions by Massimo Iosa Ghini

長い廊下の先に、人が立っているだけの風景。なのに!




これはたまげましたよ。遠近法を使った錯覚とでもいうんでしょうか。立っている人が、こんな小さいフィギュアとは、とても思えないんです。




実は、この、顔を出している人がいる方からアクセスして、行列になっているんで、並ぼうと思いつつ、面倒で、やめたんですよ。これは大正解でした。
だって、並んで、知らずに顔を出したら、誰かの写真に撮られちゃっていたし、それに、正しい方向から見るインパクトが薄れちゃってたでしょうから。




お休憩スペース。同じ光るなら、ウサギちゃんや小鳥ちゃん型のチェアの方が好み。

さて、もう一つの中庭へ。




Sleeping Piles by Estudio Campana

これは、「未知との遭遇」感が強くて、かなり好きでした。昼間とは、かなり様子が違うのでしょうが、緑が美しい昼間もまた、別の魅力を感じそうです。静謐感が漂っていて、それもよかったです。通常は、中庭には自由に入れる展示が多いのですが、これは、人を入れなかったのも、よかったかもしれません。ヒューマン・スペースであるはずなのに無人感、というのが、何か主張をしているみたいな。

二階に上る階段の入り口は、いつも楽しく飾られています。今回はこれ。




Design Vibrations by Chiara Andreatti

ただ、明かりがギラギラだな、と思うんですが、よく見ると、サングラスがたくさんはめ込まれていました。なんと300個もあるそうです。

こうやって見直すと、やはり一カ所にまとまってあるし、それなりにテーマに沿っているので、展覧会的な面白さはあるもんですね。夜中まで無料で楽しめる、という意味では、かなり有効かな。昼間は、子供連れの見学者も多いんですよね。

というわけで、今年もフオリサローネにお付き合いいただきありがとうございました。また次回を楽しみに、レポート終了です!

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  1. 2019/04/28(日) 01:13:59|
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